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エストニアはタリンのアンダーグラウンドから現れたTapetud Rottのブラックメタルを土台にしながら、男性性の揺らぎ、奇妙なユーモアを混ぜ合わせた異形の7インチ『See Mees / Lähme Õue』。 荒々しいギターの質感とシアトリカルで皮肉めいたムードが交差する「See Mees」、パンクの衝動とブラックメタルの粗暴さが一気に押し寄せ、閉塞した都市の空気を突き破るような勢いが感じられる「Lähme Õue」を収録。攻撃的でありながら、どこか内省的でユーモラスな影を持つ独特の音像がタリンの地下シーンの空気をそのまま伝える一枚。
デンマーク・ポストパンクの重要人物Peter Peterが率いるプロジェクトBleederによる最新作『Marble Station EP』。1981年の名曲「Marble Station」を現代的な感性で再構築し、加えてLydia Lunch を迎えた1984年の「Boy/Girl」のセルフ・カヴァーも収録した、濃密な再解釈盤。長尺の「Marble Station」では、ざらついたギターの質感に、Majke Vossの透明な声とElias Rønnenfeltの影のあるボーカルが重なり、荒涼としたポストパンクの空気とフォーク、サイケの柔らかな幻影が同居する。「Boy/Girl」はオリジナルの退廃的ムードを保ちながら、輪郭がよりクリアになり、80年代の鋭さが、2020年代の質感で再び息を吹き返す。ポストパンクの影とフォーク、サイケのムードが交差する、北欧ロックの現在地を示す重要作。
元Lissのドラマー兼プロデューサーTobias Laust Hansenと、映画監督から音楽家へ転向したAlbert HildbrandによるデュオA Good Yearによる最新作『Play』。タイトル通り、二人が遊びの感覚を軸にしながら、コラボレーターとの対話を重ねて作り上げた親密で人懐こいインディー・ポップ作品。アコースティック・ギターの素朴な響きに、淡い電子音がふわりと重なり、ローファイの手触りとエレクトロニックの軽やかさが同じ地平で揺れる。バギーなドラムや控えめなベースが風景を切り替え、ロードトリップのような広がりを感じさせるサウンドが印象的。MØやTiffi Mなど多彩なゲスト陣の声が、曲ごとに異なる色彩を与え、親密なポップネスと実験的な質感を自然に共存させている。Smerz、Astrid Sonne、SNUGGLEなど、北欧の実験的ポップの系譜に連なる一枚。

コペンハーゲンを拠点に、カセットテープや日常のオブジェクト、環境音を用いて極めて親密でプライベートな音響世界を編み上げるデンマークのサウンドアーティストKristoffer KjærskovによるプロジェクトEconomy of Meaningによる、浮遊するアンビエンスと断片的ループのコラージュ『Mind Sink』。制作はコペンハーゲンのアンダーグラウンドな実験音楽、テープレコーディング・シーンに深く根ざして行われ、フィールド録音、ギター、オブジェクト、シンセなど多様な音素材がレイヤーされている。音は一定の重力から解放されたように漂い、短いフレーズや質感の断片がゆっくりと重なり合う。自然音・環境音・物音のレイヤーが電子音と混ざり、いつかどこかの記憶のような曖昧な風景が立ち上がる。また、意図的に残された微細なノイズやテープのヨレが、この曖昧な風景に独特の陰影と平熱の体温のような温かみを与えている点もなんとも言えない魅力で、北欧の静謐な空気の中で、時間の流れを優しく歪ませてしまうような、至福のエクスペリメンタル・チルアウトがじんわりと響いてくる。

7月下旬再入荷。2026年リプレス!Posh Isolationの面々とのコラボレーションでも知られるコペンハーゲンのアート・ポップ・プロジェクト、CTMの2024年作。デンマークの実験、インディ・シーンを横断してきた経験が結晶し、ミニマルな構造とポップなメロディが静かに共存する独自の音世界が展開。声・電子音・室内楽的テクスチャを繊細に編み込んだ音響は、静謐でありながら、どこか身体的で、ポップでありながら、実験的。そのあいだに生まれる美しさを引き出した、北欧アートポップの到達点。

Lau Nau、Linda Fredriksson、Matti ByeによるKiri Ra!のデビュー作。北欧ジャズの静謐さと実験音楽の自由さが溶け合った、きわめて音響的な作品で、電子処理されたサウンドとアコースティック楽器が境界なく混ざり合い、音の粒子が漂いながら形を変えていくような独特の世界が広がる。サックスは旋律を奏でるというより、息づかいやキーのノイズまで含めて空気そのものを震わせるように響き、ピアノやシンセは淡い光のように立ち上がっては消えていく。Lau Nauの声や電子音は、音楽というより気配として配置され、曲という枠を超えて、音の微細な動きそのものを聴かせるアプローチが際立つ。揺らぎ・残響・余白が音楽の中心となった、北欧らしい透明感と、レーベルの実験性が見事に重なりあう一枚。
ノルウェーのマルチ奏者Les Imprimésによる、曇り空のネオソウル名盤『Fading Forward』からのシングルカット。A面「You & I」は、70年代スウィートソウルの柔らかい質感を現代的にアップデートしたメロウ・チューン。ストリングスのふんわりとした広がり、温かい鍵盤、控えめに跳ねるリズム、そのすべてがLes Imprimésの持つ淡い光のようなメロディセンスを引き立てている。B面「Miss The Days」は、シンガーAma Liを迎えたノスタルジックなスロウ・ソウルで、深いベースと柔らかいドラムが夜の空気を思わせ、二人の声が重なる瞬間には、過ぎ去った日々をそっと愛でるような情緒が漂う。アルバムの中でも特に人気の高い楽曲を7インチで!

ストックホルムの名門〈XKatedral〉が10周年を記念して編んだ、レーベルに関わる作曲家たちが2014〜2025年に制作したゆっくりと進行する和声と音色の音楽を集めたコンピレーション『XKatedral Anthology Series III』。収録作は Kali Maloneによる純正律のオルガンと弦楽器が下降旋律を描く「My Falling Sinks」、Maria W. Hornによる、アルヴォ・ペルトのティンティナブリ技法を厚みのあるシンセの揺らぎに適用した「Empyrean Flare」、Zia Mohiuddin DagarやPendereckiからの影響を示すStephen O’Malleyの「Smoking Mother」など、アコースティックと電子音、倍音と残響、生成と偶然が交差する作品が並ぶ。全体として、長い持続音と倍音の揺らぎ、静寂と残響の間が核心となり、宗教音楽的な荘厳さと電子音響の冷たさが同居する、深く精神的な世界が展開される。シリーズ I・II と並び、レーベルの美学を最も純度高く体験できる決定的アーカイヴ。

フィンランドのソウル・デュオPratt & Moodyと、〈Timmion Records〉の名ハウスバンドCold Diamond & Minkによる最新7インチ『Hard Way To Live / You Bring Me Joy』。A面「Hard Way To Live」は、温かいリズムとメロウなギターに乗せて、Pratt & Moodyのソウルフルな歌声がじわりと沁みるバラード。70年代スウィート・ソウルの香りをまといながら、現代的なメロディラインが自然に溶け込む。B面「You Bring Me Joy」は、ゆっくりと立ち上がる映画的なイントロから、ゴスペル風コーラスが広がるディープ・ソウル。レーベルならではのスウィート&ビート・ソウルの核心。

フィンランドのソウル・デュオPratt & Moodyと、〈Timmion Records〉の名ハウスバンドCold Diamond & Minkによる最新7インチ『Hard Way To Live / You Bring Me Joy』。A面「Hard Way To Live」は、温かいリズムとメロウなギターに乗せて、Pratt & Moodyのソウルフルな歌声がじわりと沁みるバラード。70年代スウィート・ソウルの香りをまといながら、現代的なメロディラインが自然に溶け込む。B面「You Bring Me Joy」は、ゆっくりと立ち上がる映画的なイントロから、ゴスペル風コーラスが広がるディープ・ソウル。レーベルならではのスウィート&ビート・ソウルの核心。
デンマーク初の本格パンクとして神話化されるSODSの1979〜80年のライブ3公演と、1978年の超ロウなリハーサル音源をまとめた決定的アーカイブ。「Minutes to Go」期の野蛮な初期衝動から、「Under en Sort Sol」へ向かう暗くアヴァンギャルドな変態期まで、バンドの急激な進化がそのまま刻まれてた内容で、A〜C面は、当時の小さなデンマークの会場で録られた荒々しく、息つく間もないライブ録音を時系列で収録。テンポは走り、ギターはチューニングすら危うく、ボーカルは半ば叫び声というスタジオ盤以上に危険でむき出しのパンク。D面の1978年のリハーサルは、録音は極端にプリミティブで、録るつもりがなかった音がそのまま残ったような原初の衝動が支配する。デンマーク・パンク史の核心を捉えた歴史的ドキュメント。

フィンランドはカレリア地方のカンテレ奏者Iivana Mišukka(1861–1919)が、1916〜17年にワックスシリンダーへ残した貴重なフィールド録音をもとに、現代のカンテレ奏者Arja Kastinenが再構築した歴史的アーカイブ作品。古い蝋管録音のノイズや揺れをそのまま生かしつつ、Kastinenが丹念に採譜し、当時の奏法を忠実に再現した新録を重ねることで、100年前の音と現在の音が同じ空間で響き合う。収録されるのは、ポルカ、ワルツ、マアニトゥスなどの舞曲、さらには教会の鐘の音の模倣演奏など、伝統的なルノ歌から新しい舞曲へという当時のカレリアにおける音楽文化の変容を象徴する内容。1〜3分台の小品が並び、素朴でありながら神秘的なカンテレの響きが、森の奥に残る古い歌の記憶を呼び起こすように広がっていく。時間の層が折り重なるような幽玄のサウンドで失われかけたカレリアの音楽文化を現代に蘇らせる価値ある一作。

フィンランドはカレリア地方のカンテレ奏者Iivana Mišukka(1861–1919)が、1916〜17年にワックスシリンダーへ残した貴重なフィールド録音をもとに、現代のカンテレ奏者Arja Kastinenが再構築した歴史的アーカイブ作品。古い蝋管録音のノイズや揺れをそのまま生かしつつ、Kastinenが丹念に採譜し、当時の奏法を忠実に再現した新録を重ねることで、100年前の音と現在の音が同じ空間で響き合う。収録されるのは、ポルカ、ワルツ、マアニトゥスなどの舞曲、さらには教会の鐘の音の模倣演奏など、伝統的なルノ歌から新しい舞曲へという当時のカレリアにおける音楽文化の変容を象徴する内容。1〜3分台の小品が並び、素朴でありながら神秘的なカンテレの響きが、森の奥に残る古い歌の記憶を呼び起こすように広がっていく。時間の層が折り重なるような幽玄のサウンドで失われかけたカレリアの音楽文化を現代に蘇らせる価値ある一作。

デンマーク現行ジャズ/即興シーンの精鋭が集結した特別プロジェクトI Am An Instrumentによる、2019年コペンハーゲンでの完全即興ライヴ録音を収めた『Vol. 1』。Jonathan Bremer、Johannes Wamberg、Eliel Lazo、Morten McCoyら北欧シーンを牽引する実力派が参加し、演奏開始の合図以外は何も決めないという純度の高い即興演奏を展開。音は生まれては消え、また別の方向へと流れていく。ジャズ的な自由度とアンビエント的な空間感が同居し、低音のうねりや残響の深さにはダブの影響も滲む。編集を一切施さない録音だからこそ、メンバー同士が音を探り合いながら立ち上げていく瞬間の呼吸がそのまま刻まれている。4つのパートで構成される音の旅は、抽象的でありながらどこか物語性を帯び、聴くたびに異なる景色を見せてくれる。北欧インプロの現在地を象徴する一枚。

ノルウェーの伝統弦楽器ハーディングフェーレをもとにした、より静謐で深い響きを持つハーディングダモーレ奏者/作曲家Zosha Warpehaによる、残響豊かな空間そのものを楽器として扱うかのような2曲40分の深いソロ作品。ノルウェー・オスロのEmanuel Vigeland Museumで体験した「12秒の残響」に強く影響を受け、音が空間に溶けていく感覚を探求してきた彼女が、ISSUE Project Roomのレジデンス期間にワンテイクで録音。共鳴弦が複数張られたハーディングダモーレの倍音がゆっくりと広がり、声の振動が弦と混ざり合う。ドローン、即興、北欧の伝統音楽が自然に交差し、静けさの中に微細な揺れが浮かび上がるディープリスニングのための一枚。空間の奥行きがじわりと広がる、真夜中の音楽。
Charles Tyler Ensembleによる、1974年にフィンランドで録音の、アメリカのスピリチュアルな即興性と北欧の静謐な空気が交差する独特の音世界を刻み込んだ異色のフリージャズ作品『Voyage From Jericho』。Albert Ayler周辺で活動したサックス奏者Charles Tylerが、ヘルシンキ滞在中に現地ミュージシャンと組んで制作した本作は、荒々しい祈りのようなサックスと、北欧らしい透明感を帯びたリズム隊がぶつかり合いながらも不思議な調和を生み出している。長尺の即興が中心となる構成は、旅というタイトルにふさわしく、音が絶えず形を変えながら流れていく。熱量と静けさが同時に存在する、70年代フリージャズの中でも特にユニークな一枚。
