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メキシコ・シティを拠点とするバンド Diles Que No Me Maten による、北メキシコを旅した記憶と自然からインスピレーションを得て制作された『Obrigaggi』。ジャングルのそば、川沿いで録音されたセッションを基盤に、サックスやフルート、トランペット、ヴァイオリン、クラリネットといった多彩な楽器が重なり合い、アンビエント的な揺らぎと、ドリームポップやポストロックのように浮遊するテクスチャーを生み出している。伝統的な楽器やメロディーを用いるのではなく、メキシコの音響そのものを素材として用いる姿勢、曲ごとに明確な構造を持たず、静寂と爆発、作曲と即興が交互に現れる構成も相まって、聴く者を物語の世界に引き込むような、没入感の高いサウンドになっている。現代メキシコ・インディを象徴するような一枚。
1900年頃からメキシコ革命初頭にかけて、ヴァイナル・レコード以前の音の記録媒体である「蝋管」に吹き込まれた貴重音源を集めたアーカイヴ集『In Search of Revolutionary Voices』が〈Death Is Not the End〉より登場!ポップソング、詩の朗読、フォーク弾き語り、メキシコ革命期に歌われたバラッド、さらには奇妙なインスト曲まで、多岐にわたる音源が収録されている。蝋管録音というフォーマット自体がすでに独特のノイズと空気感をもたらしており、収められた音に一種の魔法のような雰囲気を与えているのが特徴的。音源の出典はカリフォルニア大学サンタバーバラ校の蝋管音声アーカイブで、音楽学者ファティマ・ヴォルコヴィスキーによる研究に触発されて制作されたという。幽かな響きが美しく、時空を超えた聴覚体験をもたらすこれらの音源は、単なる音楽のアーカイブではなく、時代の空気や記憶を生々しく封じ込めた歴史資料でもある。まさにDeath is Not the Endらしい、音と記憶が交錯する一本。

全アンビエント/空想民俗音楽ファンにレコメンド!ニューエイジ/オブスキュアの発掘において多大なる功績を残したカナダの〈Séance Centre〉と米国の〈Smiling C〉がタッグを組み、80年代半ばから90年代にかけての知られざるメキシコの電子音楽シーンを解き明かした画期的コレクション『Triángulos De Luz Y Espacios De Sombra』がアナログ・リリース。主に無名のカセット、CD、自主盤、個人アーカイブからコンパイルされた珠玉の音源の数々を収録し、オブスキュアの最深淵部であるメキシコの地下シーンへと挑んだ意欲的編集盤!Antonio ZepedaやEblen Macariといった近年掘り起こされてきた作家たちは勿論として、長年のマニアでもまだ見たことのないような名前まで、革新的な音響技術でメソアメリカの神話を作り上げ、独自の思索的な宇宙観を生み出した先見の明のある音楽家たちを紐解いています。
