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“秘宝”とも称されるサウンド・リミテッドのサード・アルバム。この艶。この深み。猪俣猛が手掛けるジャズ・ロックは新たな次元へと突入した。
1969年の暮れに結成されたサウンド・リミテッドは、猪俣猛の意気込みを反映するかのように1970年に入って立て続けに3枚のアルバムを録音する。その3作目に当たるのが『New Rock In Europe』である。ビートルズやドノヴァン、またニノ・ロータなどヨーロッパのミュージシャンの曲を中心に構成された本作。水谷公生の揺らめくギターに魅了される「Something」やタイトなグルーヴがエキサイティングな「Barabajagal」など聴きどころは多いが、同グループのレパートリーである猪俣のオリジナル「Mustache」の再演が嬉しい。『Sounds Of Sound L.T.D.』と『Sensational Jazz Vol. 1/2』に続く3度目の録音となるが、ここでのヴァージョンはアルバム全体の雰囲気を濃縮したかのように艶やかでサイケデリック。猪俣の手掛けるジャズ・ロックが新たな次元へと突入したことを知らしめる記念碑的作品である。
text by 尾川雄介 (UNIVERSOUNDS / DEEP JAZZ REALITY)
トラックリスト:
Side A
1. Something
2. Time For Us
3. London Bridge Is Falling Down
4. Mustache
Side B
1. Barabajagal
2. Hurdy Gurdy Man
3. Greensleeves
4. Goodbye
ハード・バップの煩悶、ジャズ・ロックの台頭、フリー・ジャズの顕在化。日本のジャズの混沌と絶頂を捉えた、決定的なライヴ録音。
1970年前後の日本のジャズ・シーンは最高に面白い。ハード・バップの煩悶、ジャズ・ロックの台頭、フリー・ジャズの顕在化。新たな音楽や価値観が次々と生まれ混沌を極め、気鋭のミュージシャンがメーターを振り切る速度で走り抜けた。その姿と熱気を封じ込めたライヴ音源として名高いのが本作『Sensational Jazz ’70 Vol. 1/2』だ。1970年4月30日の渋谷公会堂。稲垣次郎、猪俣猛、石川晶というジャズ・ロック三銃士が揃い踏み、高木元輝や沖至といったフリー・ジャズ・ミュージシャンが遂に表舞台に立ち、宮間利之や日野皓正といった本流を支えるミュージシャンが“その先”へと足を踏み出す。最凶のジャズ・ロック・ライヴ音源とも言われるサウンド・リミテッド「Mustache」を筆頭に、煙が立ち昇るような熱い演奏が並ぶ。
text by 尾川雄介 (UNIVERSOUNDS / DEEP JAZZ REALITY)
トラックリスト:
Side A
1. TWILIGHT IN NEMU / 宮間利之とニューハード+日野皓正
2. MOOD / 沖至トリオ
Side B
1. TOKO / 日野皓正クインテット+ジョージ大塚
2. FOUR UNITS / 高木元輝トリオ
Side C
1. BLUE SOUL / 石川晶とカウント・バッファローズ
2. MIRA / 鈴木弘セクステット
Side D
1. SCORE / 稲垣次郎とソウル・メディア
2. MUSTACHE / 猪俣猛とサウンド・リミテッド
アメリカのジャズ界の巨匠Tony Williamsのフュージョン・グループ、The Tony Williams Lifetimeの2枚組デビュー・アルバムであり、オリジナルは高値をつけている『Emergency!』が信頼の〈Be With Records〉よりアナログ再発!ジョン・マクラフリンのギターとラリー・ヤングのオルガンによるセッションを収録しており、ジャズ・フュージョンの発展における画期的な出来事として広く称賛される金字塔的アルバム!
仁王が踊り、鳩が舞う。強靭なグルーヴにたなびく幽玄な旋律。ビッグ・バンド・サウンドの可能性を追求した、これぞニューハードの真骨頂にして最高潮。
日本を代表するビッグ・バンドのひとつである、宮間利之率いるニューハード。1969年発表の『パースペクティヴ』以降、先鋭的なサウンドでビッグ・バンド・ジャズの新たな地平を切り拓いてきた。本作『仁王と鳩』は、1972年リリースのニューハードを代表する作品のひとつ。全編で山木幸三郎が作・編曲を担当し、かねてからのテーマのひとつである“日本”を深く追求した。緻密で重層的なアレンジと演奏で表現する日本の風物、伝統、情景。重厚でダイナミックななかに幽玄とも言える日本的情緒のある旋律が響く。強靭なグルーヴが先導する「成人式」を筆頭に、深い味わいと大いなる刺激に満ちた曲が並ぶ。これぞ、ニューハードの真骨頂にして最高潮である。
text by 尾川雄介(universounds/Deep Jazz Reality)
1960 年にプロ入りして以降、多くのセッションやレコーディングで活躍してきた杉本喜代志。1960 年代後半からは白木秀雄、石川晶、日野皓正らのグループに参加し注目を集め、『カントリー・ドリーム』や『バビロニア・ウインド』といったリーダー作でその地位を不動のものとした。本作は約1年間のアメリカ遊学直後に石川晶、鈴木宏昌、植松孝夫らと録音したもの。グルーヴィでいて艶やかな「アワー・タイム」や「マーマレード・スカイ」をはじめ、怪しいキーボードが飛び交う「ジョーンズ・ストリート」や、メランコリックで美しい「クワイエット・パルス」など、ジャズ・ロックとフュージョンの狭間とも言える魅力的な曲が並ぶ。杉本の1970 年代半ばを代表する作品である。
text by 尾川雄介(UNIVERSOUND/DEEP JAZZ REALITY)


