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フィリピンの鍵盤奏者Boy Katindigが1980年に残した隠れた名作『After Midnight』が、正規リイシューでついに復活。USソウル、ファンク、ラテン・ジャズ、バトゥカーダを大胆に取り入れたフィリピン産ジャズ・ファンクの最高峰で、タイトル曲オリジナル曲である「After Midnight」の艶やかなエレピとサックスが描く都会的ファンク、「Seeing Is Believing」のメロウ・フュージョンに加え、Isaac Hayesの「Deja Vu」やGreg Phillinganes「Love Till the End of Time」など、センス抜群のカヴァー群がアルバムに豊かな色彩を与えている。80年代初頭のフィリピン音楽シーンの熱気と、US西海岸フュージョンにも通じる洗練が同居した、アジアン・レアグルーヴの名盤。

ブラジルのAzymuthが1980年に発表した、サンバ、ジャズ、ファンク、電子音響を独自に融合したクレイジー・サンバ・スタイルがさらに洗練され、ブラジリアン・クロスオーバーの基準点となった『Outubro』。音の核を担うのはJosé Roberto Bertramiのキーボード。Rhodes、シンセ、オルガン、ヴォコーダーが織りなすメロウでコズミックな音色がアルバム全体を包み込む。サンバの跳ねるリズムとジャズファンクのムードが自然に溶け合い、都会的で軽やかなグルーヴが心地よく広がる。Azymuthの3人はそれぞれ強い個性を持ちながら、音がぶつからず、ひとつの流れとして自然にまとまる。全体に感じる湿度を含んだ音像は、ブラジルの風景がそのまま音に染み込んだかのよう。Chick Coreaの「500 Miles High」やMilton Nascimento「Outubro」のカバーも収録された、柔軟かつ完成度高い名盤。

Jack DeJohnette、John Medeski、Karl Berger、Lenny White、Ben Perowskyなど、ジャズ界の重鎮が多数参加。ハードコア史に名を刻むBad Brainsの共同創設者で、ベーシスト、Darryl Jeniferによる最新インストゥルメンタル作品 『The Weather Channel』。2010年のソロ作『In Search of Black Judas』以来となる、十数年ぶりのソロ名義アルバム。ジャズの即興性と、Darryl Jeniferが持つパンク、ダブの精神性を軸にした深いグルーヴと多層的な音像がアルバム全体を貫いている。Bad Brainsのエネルギーをそのまま持ち込むのではなく、スピリットを抽出し、ジャズの言語で再翻訳したようなアプローチで、空間処理の効いたダブ、鍵盤が描くサイケデリックな感覚、デジョネットらが生み出すしなやかなリズム、それらが重なり合い、ジャズ、フュージョン、ダブ、サイケ、パンクが交差する探求的なサウンド。Bad Brainsの名曲『Sacred Love』『Re-Ignition』の再構築版を含む意欲作。

NYのデュオNuke Watchが2024年に複数の現場で行ったライブ的セッションの断片からなる、集団即興とサイケデリック、フリーフォーム・フュージョンという彼らの現在地がもっとも生々しく記録された最新作『Fusion』。ビートは崩れたり立ち上がったりしながら、サンプルの断片、管楽器の鋭いフレーズ、電子音のざらつきが常に形を変えて絡み合う。不穏なパーカッションとサイケデリックな電子音がじわじわと変異するグルーヴを形成し、反復しながらも毎瞬違う表情を見せる。長尺の自由即興が続く部分は、精神の迷路のような音像で、ノイズ、管楽器、電子音が都市の深夜放送を切り替えるように連続する。King CrimsonやTony Williamsの精神性を参照しつつ、DIYアヴァンギャルドとフュージョンの複雑さが奇妙に混ざり合う、実験性の高い一枚。
オリジナルは1980年リリースの、オーストラリアはメルボルン産ジャズ、フュージョンの隠れた名作『Pyramid』が〈Outernational Sounds〉より新規マスタリングで再発。Weather ReportやReturn to Foreverの流れを汲みながら、ローカルな温度感を持つ独自のサウンドが魅力的で、A面は、エレピの柔らかな揺れとホーンのメロディが軽やかに広がる都会的なフュージョンの質感が中心。B面には本作の核となる、17分の長尺曲「Universal Suite」を収録。内省的な静けさからラテン・パーカッションの躍動、ファンク的な熱量までゆっくりと連続する構造を持ち、旅のような音の流れが楽しめる。洗練されたフュージョンとオーストラリア特有のオーガニックな質感が絶妙に混ざり合った、充実した内容の一枚。

Total Blueのメンバーとしても知られるAnthony Calonicoが、〈Music From Memory〉から届ける初のソロ・アルバム『Spacious Heart』。2020〜2024年の長い時間をかけて丁寧に育て上げた作品で、アンビエント、フュージョン、ソングライティングが柔らかく溶け合うレーベルらしい有機的アンビエント・ジャズ。温かいエレピやシンセ、淡いパーカッションが霞がかった朝の光のような空気をつくり、その上をCalonico自身の繊細な歌声が静かに漂う。Total Blueでは控えめだったヴォーカルが前面に出ており、Mark HollisやArthur Russellを思わせる内省的な存在感がアルバムの核を成している。音と音のあいだの余白を大切にしたサウンドデザインは、Harold Buddやスピリチュアル・ジャズの浮遊感とも響き合い、アンビエントの静けさとポップの親密さが自然に共存。全編を包む幽玄でプライベートなムードは、個人的な日記のような親密さを持っている。
ミュンヘンのジャズロック、クラウトロック集団Embryoによる、デビュー作『Opal』の流れを受けつつ、民族音楽、ジャズ、サイケデリックを大胆に混ぜ合わせた、旅するジャズロックのスタイルが開花し始めた初期代表作『Embryo’s Rache』。パーカッションの躍動とフルートのアーシーな響きが絡み合い、土臭さとサイケデリックな広がりが同時に押し寄せる。ソプラノサックスの鋭いフレーズやレスリー・ピアノの揺らぎはエスニックなモチーフと結びつき、音が有機的に変化し続けるEmbryo特有のジャム感を生み出している。ロックの枠を越え、 民族音楽の要素を大胆に取り入れた音作りは、Amon Düül II 周辺のジャーマンロックとも共振しながら、よりエスニックでアグレッシヴなEmbryoらしい進化が刻まれた一枚。
Bob Jamesが〈CTI Records〉で残した最後の作品にして、彼の洗練されたフュージョン美学が最も完成された形で表れた名盤。Van Gelder Studioで録音されたクリアでリッチなサウンドは、ストリングス、ホーン、エレピが滑らかに溶け合う、CTIらしさを最も端正な形で体現しており、代表曲「Tappan Zee」をはじめ、都会的で爽やかなグルーヴと、耳に残るテーマが印象的。後のスムースジャズの原型ともいえる軽やかな質感がありながら、演奏は緻密で、アンサンブルの美しさが際立つ。George Marge、Gary King ら名手が参加し、アレンジの細部まで丁寧に作り込まれた一枚。
ブラジルのパーカッショニストDom Um Romaoが1976年に発表したラテン・ジャズ/フュージョンの傑作『Hotmosphere』。 豊穣なパーカッションとエレクトリック・ピアノやフルート、ギターなどの緻密なアレンジが織りなすスムースなグルーヴに、MPBやボサノヴァの要素が融合、収録曲もミルトン・ナシメントやアントニオ・カルロス・ジョビンの楽曲がカバーされており、ブラジル音楽への敬意が感じられる内容となっている。都会的なムードと自然の息吹が共存する中、Romaoのパーカッションは単なるリズムではなく、メロディや空間を彩る主役として機能しており、ジャズ・クラブでもビーチでも似合うような、柔らかくも刺激的な音楽性が魅力的。 ブラジル音楽の深みとジャズの自由さが融合した、心地よくも濃密なアルバム。
松下誠プロデュース、清水靖晃ら日本屈指のミュージシャンが参加し、AOR、ジャズ・フュージョン、ファンク、ボサノヴァを洗練のアレンジで融合した傑作がリイシュー。
和モノ再発を数多く手掛けるWewantsoundsから、ミルキー・ウェイによる1979年作『サマータイム・ラブ・ソング』が公式リイシュー。松下誠と信田かずおがプロデュースを手掛け、清水靖晃らが参加した本作は、AOR、ジャズ・フュージョン、ファンク、ブラジリアン・ミュージックを洗練されたアレンジで融合した一枚です。アントニオ・カルロス・ジョビン"Wave"やボズ・スキャッグス"Harbor Lights"のカバーも収録し、70年代末の上質なスタジオワークが堪能できます。新規リマスター音源、オリジナル・アートワーク、帯、新規解説付き4Pブックレットを備えた豪華仕様での復刻です!

7月17日発売。Jack DeJohnette、John Medeski、Karl Berger、Lenny White、Ben Perowskyなど、ジャズ界の重鎮が多数参加。ハードコア史に名を刻むBad Brainsの共同創設者で、ベーシスト、Darryl Jeniferによる最新インストゥルメンタル作品 『The Weather Channel』。2010年のソロ作『In Search of Black Judas』以来となる、十数年ぶりのソロ名義アルバム。ジャズの即興性と、Darryl Jeniferが持つパンク、ダブの精神性を軸にした深いグルーヴと多層的な音像がアルバム全体を貫いている。Bad Brainsのエネルギーをそのまま持ち込むのではなく、スピリットを抽出し、ジャズの言語で再翻訳したようなアプローチで、空間処理の効いたダブ、鍵盤が描くサイケデリックな感覚、デジョネットらが生み出すしなやかなリズム、それらが重なり合い、ジャズ、フュージョン、ダブ、サイケ、パンクが交差する探求的なサウンド。Bad Brainsの名曲『Sacred Love』『Re-Ignition』の再構築版を含む意欲作。
流通元完売。地獄ってどんな感じ?? 現行アンビエント・ジャズの重鎮ことカナダのJoseph Shabasonによる最新作『Welcome to Hell』が〈Western Vinyl〉よりアナログ・リリース。Toy Machineによる1996年のスケート・ビデオ・ドキュメンタリー『Welcome to Hell』にインスパイアされたコンセプト・アルバム!Sam Gendel作品にも顔を出している盟友Phil MelansonやThom Gillらがサポートした豪華編成で贈る2023年度ニュー・アルバム。Jon Hassellの第四世界のムードとファンキーなダンス・サウンドが溶け合う、プログレッシヴなアンビエント・フュージョン傑作に仕上がっています。

Total Blueのメンバーとしても知られるAnthony Calonicoが、〈Music From Memory〉から届ける初のソロ・アルバム『Spacious Heart』。2020〜2024年の長い時間をかけて丁寧に育て上げた作品で、アンビエント、フュージョン、ソングライティングが柔らかく溶け合うレーベルらしい有機的アンビエント・ジャズ。温かいエレピやシンセ、淡いパーカッションが霞がかった朝の光のような空気をつくり、その上をCalonico自身の繊細な歌声が静かに漂う。Total Blueでは控えめだったヴォーカルが前面に出ており、Mark HollisやArthur Russellを思わせる内省的な存在感がアルバムの核を成している。音と音のあいだの余白を大切にしたサウンドデザインは、Harold Buddやスピリチュアル・ジャズの浮遊感とも響き合い、アンビエントの静けさとポップの親密さが自然に共存。全編を包む幽玄でプライベートなムードは、個人的な日記のような親密さを持っている。

Sam Gendelとのコラボレーションでも最早お馴染みのLAの大大大人気ギタリストSam Wilkesと、ニューヨークのパーカッショニストCraig Weinrib、数々のインディ・フォーク/ロック作品に参加するギタリストDylan Dayによるセルフ・タイトルのコラボレーション・アルバムが〈Leaving Records〉よりカセットとLPでそれぞれ登場!この録音のほとんどは、サンバーナディーノ山脈が見える南カリフォルニアの屋外で夕方の早い時間に行われたもので、Sam Wilkesがベース・ギターを、Craig Weinribがラップ・ドラムを、Dylan Dayがエレキ・ギターを演奏。その夕暮れの録音セッションから8ヶ月後に再び集まった3人は、Antônio Carlos Jobimの”How Insensitive”や"葬送行進曲"のカヴァーも録音。スタンダードからフォーク・ソング、讃美歌の上で、次々と即興演奏を披露した、エキサイティングで非の打ちどころの無いインストゥルメンタル・フォーク・アルバムに仕上がっています!LP版は限定1000部。
近年世界中から人気高まるジャパン・ミュージックですが、名盤ヴァイナル再発来ました!! 細野晴臣、鈴木茂、山下達郎をはじめとする日本のトップサウンドクリエイターが、南太平洋での休日アイランド・ミュージックをイメージに制作した1978年発表のトロピカルな名作。マーティン・デニー譲りのエキゾチカと、黎明期の電子楽器を用いた、ジャパン・エキゾ・フュージョン。坂本龍一、林立夫、高橋幸宏等、豪華メンバー参加。YMOヴァージョンの元となる「コズミック・サーフィン」等も収録。お見逃し無く!!!

英国ジャズ・ファンクの名手Brian Augerが率いるOblivion Expressの中期を代表する一枚『Reinforcements』。Auger自身がプロデュースを担当、オルガン、エレピ、Moog、Freeman String Machineを自在に操り、ジャズ・ロックからソウル、ファンクへと大きく舵を切った転換点として知られる作品。本作では、後にSantanaでも活躍するAlex Ligertwoodのソウルフルなヴォーカルが前面に出ており、従来のジャズ・ロック色に加えて、ブルー・アイド・ソウル的なキャッチーさとファンクの推進力が強化。タイトなリズム隊が70年代半ばのファンク、フュージョン的グルーヴを生み出し、その上にAugerのオルガンとシンセが縦横無尽に重なる、肉体的で肉厚なレア・グルーヴ。

6月中旬再入荷。フリー・ジャズの先駆者であり、1970年代以降は世界各地の民族音楽を取り入れたコスモポリタン・ジャズを展開したDon Cherryが、タブラの名手であり、複雑なポリリズムとシンコペーションを駆使する演奏スタイルで知られるLatif Ahmed Khanによるジャズとインド古典音楽が融合した1978年録音の幻のセッション『Music / Sangam』が、最新リマスターで再発。即興的でありながら緻密なリズムと旋律が交錯するタブラとトランペットの対話、Don Cherryの多楽器奏者としての側面も反映したアーシーなキーボードやフルート、1970年代パリのスピリチュアルな雰囲気が漂う、プリミティヴかつ瞑想的な録音の空気感が際立つ、Don Cherryのワールド・ジャズ探求の中でも最も過小評価されていた作品のひとつであり、ジャズとインド音楽の融合の歴史的記録としても貴重な一枚。

2021年初回プレスが即プレミア化した待望の再プレス。ヒプノティックで官能的なエスノ・ニューエイジを収録したガブリエル・ロスと彼女のバンド、ザ・ミラーズによる30年の軌跡。
2025年版新プレスでは、新たなラッカーカットによる高音質化を実現し、全4ページの新ライナーノーツを追加収録。ガブリエル・ロスの背景物語、5Rhythmsの思想、そしてロスのパートナーでミラーズのプロデューサーだった故Robert Ansellへの追悼を含むより深い文脈で再構築された決定版。
ババトゥンデ・オラトゥンジ、マイルス・デイヴィス、ファラオ・サンダース、パティ・スミス等のバックを務めた凄腕ミュージシャン達が多数参加し、合計数千枚以上のCDを売り上げているにも関わらず、ガブリエル・ロス&ザ・ミラーズの音楽は彼等のネットワークの外にはあまり知られていない。ダンス・ワークショップのサウンド・トラックとしてライヴの即興演奏から産まれた彼等の音楽はそもそも音楽業界からの賞賛を求める性質では無かったのだ。
実験的心理学からサイケデリック・カウンター・カルチャーを通じてガブエル・ロスは70年代後半に彼女独自で「ファイヴ・リズム」というムーヴメント瞑想の理論を確立。古代シャーマンやギリシア神話の時代から伝わる「エクスタティック・ダンス」の概念とその方法論を現代に蘇らせ、現在は世界50カ国、400人以上の公認講師を持つ国際的なワークショップへと成長させた。ここで使われる音楽はババトゥンデ・オラトゥンジのバンドで長年メンバーを務めたドラマー数名による即興演奏が主体となり、ネイティヴ・アメリカンのシャーマン音楽からアフロ・ブラジリアンのカンドンブレ、ヨルバ信仰に至るまで幅広いルーツ音楽のリズムを下地に、その場で雇われたNYが誇る数々の凄腕音楽家達彼女のダンスからインスピレーションを受けた即興演奏をレコーディングして行った。
「私達のレコーディングではプロデューサーであるガブリエルや私からはそれぞれのミュージシャンに対してこういう風に演奏してくれと指示した事は一度も無かった。」ガブリエル・ロスの夫で元凄腕弁護士だったロバート・アンセルは30年以上の歴史を振り返りこう語る。「たまにガブリエルが”山の上に立ってる時に風が吹いてくる感じ!”と言った抽象的なアイデアを提案する事はあっても実質的な演奏に関して口出しをする事は無かった。だから結果的に私達の音楽は私やガブリエルの音楽的ヴィジョンでは無く参加した全てのミュージシャンによる集合的ヴィジョンなんだ」ダンスという根本的なテーマを元に繰り広げられたレコーディングは出所不明のフュージョンとなり、中東を思わせるメロディがあったり、ディジュリドゥからトーキング・ドラムなどの西アフリカの楽器まで世界中の様々な民族楽器がフィーチャーされ、スピリチュアル・ジャズ、クラウト・ロック、エレクトロニック・アンビエント等、様々なジャンルが万華鏡の様にオーガニックなリズムの上に繰り広げられる。80年代半ば、まだニュー・エイジ音楽がシンセサイザーや自然の環境音だけで成り立っていた当時、彼等のドラムを主体としたアンビエント音楽はどこからも敬遠され、最終的にロバートは自らのレーベルを発足し作品を発表。ガブリエル・ロスのカリスマ性やファイヴ・リズムの普及もあり、民族楽器や打楽器を多様するエスノ・ニューエイジ音楽の先駆けとなった。
彼等の合計66曲に及ぶ広大なカタログの中からコンパイラーであるポル・ヴァルズは「出来る限り彼等の色んな音楽的側面や感情を集めた」という。感情的なものからエソテリック、スピリチュアル、メランコリック、ヒプノティック、ダーク、またはそれらの要素が複雑に絡み合った楽曲群を収録。アートワークはロンドン在住人気女性DJのドナ・リークによる力作。
「鉄のカーテンのむこうがわ」へと!ソビエト連邦に1979年から1990年にかけて残されたディスコ、エレクトロ、ファンクといったソ連産ダンス・ミュージックの衝撃的なイントロダクション的コンピレーション・アルバム『Soviet Disco - Disco, Electro, Funk and More from Behind the Iron Curtain 1979-1990』がアナログ・リリース。奇妙で催眠的なディスコ・ヒットから突然変異的なファンク・スマッシャー、エレクトロ・ヒップ・ブレイカーまで、ソビエト連邦という巨大な国土のあらゆる場所から集結した、このジャンルの最もシニカルな目利きでさえ驚くような、「お尻を振る」というテーマに対する様々なヴィジョンを示してくれるグレート・ナンバーが全12曲収録されたキラー・コンピレーション・アルバム!
1969年、マイルス・デイヴィスのエレクトリック期の幕開けを告げる歴史的名盤『In a Silent Way』。ジョン・マクラフリン、ハービー・ハンコック、チック・コリア、ジョー・ザヴィヌル、ウェイン・ショーターら、後にジャズ・ロック、フュージョンを牽引するメンバーが集結し、ニューヨークの30th Street Studioで録音された作品。A面「Shhh / Peaceful」、B面「In a Silent Way / It’s About That Time」の2曲構成で、テオ・マセロによる大胆なテープ編集が施され、同じテーマが循環しながら展開していく独特の構成が特徴。エレクトリック・ピアノやオルガン、ギターが重なり合い、静けさと浮遊感に満ちている。マイルスのトランペットは必要最小限のフレーズで空間を切り裂き、その余白を埋めるようにキーボードとギターが色彩を加える。後のアンビエントやエレクトロニカにも繋がっていくような新しさと、それだけではない美しさを両立した永遠の名盤。

インド映画音楽の黄金期を築いた作曲家デュオShankar–Jaikishan が、1968年に残した伝説的クロスオーバー作『Raga Jazz Style』。インド古典音楽のラーガを題材にしながら、ボンベイのジャズ・ミュージシャンたちを集めて制作されたインド発ジャズ・フュージョンの先駆的アルバムで、全11曲は「Todi」「Bhairav」「Malkauns」など、すべて古典ラーガをモチーフに構成。シタールの名手Rais Khan、サックスのManohari Singh、ドラマーLeslie Godinhoらが参加し、ラーガの旋律美とスウィングするジャズ・リズムが鮮やかに融合する。伝統的なラーガの情緒を保ちながら、ホーン、ギター、ドラムが軽快に絡むことで、厳粛さと都会的な軽さが同居する独特のサウンドが生まれ、曲ごとにラーガの性格が異なることで多彩なムードが次々と現れる様は、まるでインド古典音楽をジャズで旅するような聴き心地。時代を超えて評価される名盤。
これは中村誠一が辿り着いたひとつの理想。鳥のように自由に飛翔するサックスが、聴く者を開放し、新たな世界へと導く。
一音一音に全身全霊を傾けていた山下洋輔トリオ時代。閃きや衝動を旋律に織り込んで力強くブロウした1970年代初頭。そして中村誠一は、本作でさらなる変貌を遂げる。自身で「みなで空間を共有し、鳥のように自由に飛翔する感じ。それが理想ですね」と語っているように、音の重なりや間が空間をふくよかに膨らませ、そのなかを中村のサックスが闊達に駆け抜ける。作家、平井和正の『ウルフガイ』シリーズにインスパイアされた、伸びやかで爽快な「Wolf’s Theme」、ゆったりとしたグルーヴに郷愁に満ちた旋律が映える「Harappa」、スタンダードを丁寧かつ艶やかに紡いだ「Body & Soul」や「I Can’t Get Started」、躍動感と開放感が気持ち良い「Viva Giappone」など、ここでは中村の理想が見事に具現化されている。大徳俊幸、高瀬アキ、古澤良治郎らが参加。
text by 尾川雄介 (UNIVERSOUNDS / DEEP JAZZ REALITY)
フリー・ジャズの先駆者であり、1970年代以降は世界各地の民族音楽を取り入れたコスモポリタン・ジャズを展開したDon Cherryが、タブラの名手であり、複雑なポリリズムとシンコペーションを駆使する演奏スタイルで知られるLatif Ahmed Khanによるジャズとインド古典音楽が融合した1978年録音の幻のセッション『Music / Sangam』が、最新リマスターで再発。即興的でありながら緻密なリズムと旋律が交錯するタブラとトランペットの対話、Don Cherryの多楽器奏者としての側面も反映したアーシーなキーボードやフルート、1970年代パリのスピリチュアルな雰囲気が漂う、プリミティヴかつ瞑想的な録音の空気感が際立つ、Don Cherryのワールド・ジャズ探求の中でも最も過小評価されていた作品のひとつであり、ジャズとインド音楽の融合の歴史的記録としても貴重な一枚。
エレクトリック・ベースの歴史を決定的に塗り替えた、1976年発表のジャコ・パストリアスのデビュー作。Weather Report 在籍期に録音され、ジャコの革新的なベース奏法が一気に世界へ知られるきっかけとなった作品で、ハーモニクス、コード弾き、メロディアスなソロ、ファンクグルーヴなど、ジャコの革新性がすべて詰まっている。Herbie Hancock、Michael Brecker、David Sanborn、Don Alias など豪華メンバーも参加の、現在でもベースのバイブルとして語り継がれる名盤。
