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1965年のヒット曲「Elusive Butterfly」でも知られるシンガーソングライターであり、かつて、チャールズ・ブコウスキーの遊び仲間として、その小説の登場キャラクターにも影響を与えた人物でもあるBob Lind。自身も作家として活躍し、数々の小説や戯曲を執筆。タブロイド紙の〈Weekly World News〉のスタッフ・ライターも長く務めたことも知られる彼が1971年に発表した希少なアルバム『Since There Were Circles』。1960、70年代の音楽にフォーカスした〈Superior Viaduct〉のサブ・レーベル〈Antarctica Starts Here〉よりヴァイナル再発。Doug Dillard、Gene Clark、Bernie Leadon、そして、伝説的セッション・ベーシストのCarol Kayeといったカントリー・ロック・シーンで最も有名なアーティストたちとスタジオ入りして作り上げた傑作であり、批評的には好評であったものの、売れ行きは芳しくなく歴史の隅に埋もれていた一枚。フォーク・ポップス時代の作品よりも、遥かにダークで内省的な作風となっています。歌詞ブックレットが付属。
未だ謎に満ちた仏/マルセイユの新興レーベル、〈few crackles〉から、フランスのコミューン・フォークの黄金時代を思い起こさせるような、幽玄で狂気すら感じる、底知れぬ美しさを湛えた作品が発表された。「フランス中のスタジオ、草原、小さなアパートメントに集まった友人たちの星雲」とされている ssabaeは、2018年と2021年に同レーベルから登場したbassæの突然変異?と推測されている。ミックスを担当しているPaul Stametsは菌類学者であるというし、サイケデリック・マッシュルームを匂わせるタイトルも頷ける。オープニングの「Tous Les Murs Sont des Portes」がまず素晴らしく、ゆっくりと脳を溶かすマイクロトーン、風景に切り込むサクソフォン、唇の潤いや息づかいが聞こえるような生々しさも有した、童謡めいた儀式的なチャントになっている。徐々に深く潜っていくような、官能的で親密、白昼夢のようなアルバム。