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12月12日出荷。Aesop RockことIan Bavitzによる、セルフプロデュースによる内省的かつ開かれたサウンドが特徴のヒップホップ作品『I Heard It’s A Mess There Too』が〈Rhymesayers Entertainment〉より登場。全曲のプロデュース、作詞、パフォーマンスを自身で手がけ、複雑で詩的なリリックは健在で、ビートの余白が言葉の密度を際立たせる設計となっている。明瞭なビートとファンク要素が導入されており、言葉の密度とリズムの余白が絶妙に絡み合い、リスナーに深い読解と反復を促す。抽象性と技術的精緻さが融合した言葉の迷宮のような一枚。「Poly Cotton Blend」や「Sherbert」など、ファンから高評価を受けるトラックも多数収録。

限定100部のカセット版入荷です。前作『All Is Sound』は弊店でも大ヒット!ポートランドの「偉大なブラックミュージック」の最高の実践者、The Cosmic Tones Research Trioによる2作目のアルバムが登場!前作で打ち出された静けさ、空間性、ロングトーンの美学を引き継ぎつつ、さらにリズム的な力強さと肉体性が加わっており、表面的には癒しやメディテーショナルな穏やかな音楽に聴こえるが、じっくり耳を澄ませると、ルーツ音楽やスピリチュアル・ジャズの語法が下地にしっかり息づいているのがわかる。編成は、チェロ、サックス、ピアノ、フルートというアコースティックな楽器群で、即興を中心に据えながらも、それぞれの音は丁寧に間を取り、余白や沈黙までも音楽として活かすようなアンサンブルになっている。祈りや対話の気配がありつつ、ときにはゴスペル的な魂のこもったメロディが立ち現れ、またある瞬間にはブルースの深みを思わせるしみじみとしたトーンも顔を出す。精神性と有機的なグルーヴやうねりを両立する、心の静寂を求める人にも、深い音楽的な探究を求める人にも響く傑作。
ナッシュビルを拠点に活動する実験的ポップ・デュオTotal Wifeが手掛けた夢と現実のあわいから生まれたようなアルバム『Come Back Down』。音像はドリーミーでシューゲイズ寄りの浮遊感を持ちながら、決して抽象に流れず、ヴォーカルは真っ直ぐで人肌の温度を感じさせ、シンプルなビートやギターのテクスチャーがその感情を支えている。全体のトーンは、様々な要素が重なり合ったものだが散漫さはなく、むしろ繊細に編み上げられていて、耳に心地よい緊張感が漂っている。音の処理や構造はかなり実験的で、サンプルを自己参照的に組み替えたり、声やギターを別の楽器のように再利用したりしており、その手触りはアンビエントやサウンド・コラージュにも近い。一方で曲そのものはメロディや歌心を大事にしていて、シューゲイズ的な広がりやインディ・ロック寄りの親しみやすさもある。ナッシュビルの地下シーンらしいDIYの荒さと、コンセプチュアルな精度が共存したような、実験性と親しみやすさが同居する、不思議な透明感のある一枚。

ハードコア・パンクというジャンルにおいて初のアフリカ系アメリカ人バンドとして知られ、音楽的にも文化的にも非常に重要な存在でもある、ワシントンD.C.の伝説的ハードコア・バンドBad Brainsの代表作で、ハードコア・パンクにレゲエやメタル、ファンクを融合させた革新的な1986年作『I Against I』。特筆すべきは、真の意味でジャンルを横断する多様性で、ギターはメタル的なリフとファンクのカッティングを行き来し、ベースラインは跳ねるようなファンクの要素を持ちつつ、ドラムはジャズ的なフィルやレゲエの裏打ちを織り交ぜる。ヴォーカルのH.R.は、怒りとスピリチュアリティを同時に表現するような独特のスタイルで、シャウト、メロディ、語りを自在に使い分けている。アルバム全体を通して、ジャンルの境界を越える実験精神が貫かれており、音楽的価値だけではなく「パンクとは何か」「黒人アーティストがロックをどう再定義するか」といった文化的問いにも応える、思想性の面でも後世に大きな影響を与える重要作。

1982年に発表された、ワシントンD.C.の伝説的ハードコア・バンド Bad Brains の衝撃的デビュー・アルバム。シーン全体を揺さぶった金字塔。目も眩むほど速いテンポと鋭いリフで突っ走るハードコア・チューンと、突然テンションを落としてじっくり聴かせるルーツ・レゲエ・ナンバーが共存するのが最大の特徴で、この極端さこそBad Brainsのオリジナリティで、当時のどのパンク・バンドとも違う個性を打ち出している。演奏力の高さも群を抜いていて、HRのソウルフルでアジテーティブなヴォーカル、Dr. Knowの爆発的なギターリフ、Darryl Jeniferのタイトなベース、Earl Hudsonのジャズ畑出身らしい柔軟なドラムが合わさって、とにかく生々しい迫力に溢れている。ハードコア・パンクはもちろん、スラッシュ・メタル、オルタナティヴ、さらにはレゲエやクロスオーバーの領域にまで影響を与えている、まさにハードコアの教科書であり、ブラック・ロックの歴史を変えた一枚。

オリジナルは1983年に発表の、Bad Brainsによるセカンド・アルバム『Rock for Light』。「Sailin’ On」「Banned in D.C.」といったデビュー作の代表曲を再録したものから、新曲の「Coptic Times」「At the Movies」などまで幅広く収録されているが、やはり目玉は猛烈なスピードのハードコア曲と、深いグルーヴを持つルーツ・レゲエ曲がシームレスに共存している点。テンポ感の極端なコントラストがバンドの個性をさらに際立たせている。プロデュースを手がけたRic Ocasek(The Cars)の手腕もあって、前作より音の輪郭がはっきりしていて、ラフで爆発的だったデビュー盤に比べると少し整理された印象がある。前作以上に、演奏力の高さと切れ味が際立っていて、Dr. Knowのギターはより鋭く、リズム隊はさらにタイトに進化。HRのヴォーカルもシャウトとメロディを自在に行き来しながら、バンドのエネルギーを前面に押し出している。1stの衝動を受け止めつつ、より洗練された形で提示したBad Brainsのもう一つの代表作。

エチオピアのワンマン・アコーディオン/キーボーディスト奏者Hailu Mergiaが、1985年にカセットテープのみでリリースしていた作品。アナログシンセ、ムーグ、アコーディオン、ローズ等を使用して、飛び出すそのサウンドはエチオピアの伝統音楽の旋律を基に、何とも言えないナマ緩いフニャフニャとしたムーグの音が攻め立てる、ユルユルなエチオピアン源泉掛け流し音源。何処となく日本的なアコーディオンのメロディも混ざって、なんとも形容し難い独特の聴き味です。黒人音楽や辺境音楽マニアは勿論、この珍味的ユルさは是非多くの人に聴いて頂きたい逸品です。Awesome Tapes From Africaの一連のリリースの中でもマストな内容。リマスターされており音質も完璧。


現在、世界で最も人気のドラマーの1人であり、Clairo、Solange、Adele、Bruno Marsなどの共演も知られるHomer Steinweiss(ex-Holy Hive)によるソロデビュー作であり、ミュージシャンとしてもプロデューサーとしても最前線に立っている事を示す『Ensatina』が〈Big Crown Records〉からアナログ・リリース。現代的なラブソング"Deep Sea"、インスピレーションとメランコリーが並置された"Start Select"、そしてB面のソウルバラードを驚くほど現代的に解釈した”Forever and Ever and Ever and Ever”など珠玉のソウル・ナンバーの数々を収録しています。

限定カセット版。Amy WinehouseやLizzo、Pharrell、Sharon Jonesなどのアーティストに楽曲提供し、現在は、The Rootsのメンバーとして〈The Tonight Show〉で毎晩演奏しているDave Guyのデビュー・アルバム『Ruby』が〈Big Crown Records〉からアナログ・リリース。元Holy HiveのHomer SteinweissとNick Movshonによるプロデュース作品であり、Leon MichelsやMarco Benevento、Claire Cottrillといった豪華ゲストが参加。デイヴのホーンラインが轟くドラム、優美なボーカル、踊るようなピアノの上を舞い上がり、アンセミックなエネルギーでアルバムの幕を開けるリードシングル”7th Heaven”、スピリチュアルジャズの雰囲気に傾倒した”Diamond Encore”、メロウで親密なエネルギーでアルバムの秋の訪れを表現した”Quesodillas”や"Green Door"など、大変優れたナンバーが満載であり、将来のクラシックに相応しい傑作に仕上がっています。



Keita Sano主宰の〈Mad Love〉より見出された東京の3人組にして、じゃがたら、キミドリ、戸張大輔、さかな、裸のラリーズ、Laraajiなどを始めとしたアーティストたちからの影響を受けているというWool & The Pantsが、〈PPU〉より発表したデビューEPがカセット化!Yu Tokumo (ギター、ボーカル), Kento Enokida (ベース)、Aki Nakagomi (ドラム)から構成されるこの人たち、本当に素晴らしいです!どこまでもクセになる絶妙に"ズレ"た音のヴァイブス。脱線したポスト・パンク観からテン年代の宅録ベッドルーム/ローファイ・ムード、サイケデリック、ソウル、ダウンテンポなどが奇跡的なバランスで配合されたレフトフィールド・ポップス傑作..!!! 幅広いリスナーに推薦したい内容です!ボーナストラック4曲を追加収録。
庭園の黄昏 - Every Dog Has His Day」「睡眠の計画 - Plan For Sleep」に続く、初期ダムタイプ音楽作品復刻プロジェクト第3弾。 本作は、1987年に兵庫県尼崎市・つかしんホールで開催された、ダムタイプ初の大規模展覧会『Suspense and Romance』の会期中に、展示会場で行われたライヴ・パフォーマンスの音源を収録したカセットテープ作品です。
山中透がダムタイプとして初めて全楽曲の作曲・制作を手がけた本作は、サックス奏者・ハリー切手氏とのコラボレーションから生まれた音楽プロジェクトを記録しています。 “サスペンスとロマンス”というテーマのもと、ジャズやシネマティックな叙情性と、ポスト・ミニマル以降の冷たく抽象的な音響が交錯する、山中らしいコンポジションに、切手氏による印象的なサックスのフレーズ、シーケンサーやサンプラー、PCM録音を用いた音作りが重なり、その後の「S/N」まで続くダムタイプ・サウンドを象徴する音響イメージが、この時期にすでに形成されていることに気づくでしょう。
さらに、当時の貴重な写真やドローイング、メンバーによる座談会を収録した、50ページ超のブックレットが付属。カセットブック仕様でのリリースとなります。 本ブックレットは、初期ダムタイプ・メンバーらによる「Early Dumb Type Archive Project」の主導のもと制作されたもので、初期ダムタイプの活動を多角的に捉える貴重な資料となっています。
カセットブック(箱入り)
カセットテープ:全10曲・48分収録 DLコード付
ブックレット:50ページ超(写真・ドローイング・小山田徹×高谷史郎×穂積幸弘 座談会ほか収録)

12月下旬再入荷。フィラデルフィアを拠点にしたハードコアパンク、エモバンド、Frailの活動を総括したコンピレーションアルバム『No Industry』が大名門〈NUMERO〉より登場!!Frailは強烈な音と政治的なメッセージでシーンに大きな影響を与えたバンドで、彼らの音楽は、鋭く荒々しいサウンドで知られ、ストレートエッジの姿勢を貫きながらも、パンクとエモの枠を超えた革新的なアプローチを取っていた。本作は2025年に30年ぶりの再結成ライブを果たした彼らの、90年代初頭に短期間活動していた時期の音源が収められている。〈Yuletide〉〈Bloodlink〉〈Kidney Room〉といったレーベルからリリースされたシングルを中心として、さらに、数多くのコンピレーションアルバムに参加した曲も含まれており、Frailの音楽の多様性を感じられる内容となっている。バンドの音楽は、単なるノイズや攻撃的なサウンドにとどまらず、社会的な不満や政治的なメッセージを強く打ち出しており、90年代の硬派なエモやハードコアの精神を色濃く反映している。

限定100部のカセット版入荷です。各所で即完売となっていた人気盤です、お見逃しなく!ニューエイジ・ファンにも推薦!サックス、チェロ、ピアノ、フルートを中心に繰り広げられる親密で優美なコスミッシェ・アンビエント・ジャズ・サウンド。ポートランドの「偉大なブラックミュージック」の最高の実践者、The Cosmic Tones Research Trioが、母なる地球へと捧げる音楽『All is Sound』が〈Mississippi Records〉よりアナログで登場。ゴスペルやブルースのルーツやスピリチュアル・ジャズの要素も内包した、癒しと瞑想に捧げる、真摯で宇宙的なレコードに仕上がっています。
2014年にパフォーマンスアート的なデュオとして始まり、ノイズやパンク、スラッジを経由しながら、フィラデルフィアの地下シーンで長らく活動してきた nyxy nyx による、初のフルバンド編成によるスタジオ盤『Cult Classics Vol. 1』。これまでの音源は手焼きCDやDIYテープといった不安定な形でリリースされており、その都度トラックリストが変わったり、マスターが差し替えられたり、同じ曲を再録したりと、常に揺らぎの中で生きてきたバンドが、初めて恒久的な形で〈Julia’s War〉から公式にリリース。プロデューサーにDan Angelを迎え、Brian Reichertを中心に、Tim Jordan(Sun Organ)、Benjamin Schurr(Luna Honey)、Alex Ha(ex-Knifeplay)が加わり、さらにMadeline Johnston(Midwife)やJosh Meakim(A Sunny Day in Glasgow)もゲスト参加。楽曲は、崩れそうなノイズと祈りのようなヴォーカルがせめぎ合うスラッジ寄りのトラックから、幽玄なデュアルヴォーカルが漂うスローコア、あるいは粗野なパンクの反骨をにじませる瞬間まで幅広く、ライヴ同様にすべての曲を一発録りで収め、重く歪んだギターと幻惑的なスローコアの質感が共存する、圧のあるサウンドを実現している。その重さと幻惑が聴き終えても耳に残り続ける、地下に潜り続けた存在がついに残した確かな痕跡。


弊店でもお馴染みHailu Mergia And The Walias Bandの1975年にカセットオンリーでリリースていたTezetaが、アフリカのマニアックな音源を紹介しているブログ&レーベル〈Awesome Tapes From Africa〉よりリマスター&リイシュー!バンドの初めてのフルレングスアルバムで、アディスアベバ・ヒルトンのナイトクラブで録音され、プロモーションはメンバー自身による街頭での手渡しという、リリースから45年以上にわたりその存在が知られることすらあまりなかった大変貴重な音源で、初めての復刻となります。とにかくゆるゆるに縦横無尽にグニャグニャに曲がりまくったベースやキーボード、シンセ、ギターがお互いに絡み合うような摩訶不思議な音世界は最初期から健在、どころか、よりシンプルにそれのみを提示してくるようなとんでもない内容!エチオピアの音楽世界は計り知れません‥‥。後年に発表されるHailu Mergiaのソロ作品の珍味的なユルさをバンドでやってしまっているような本作はぜひ多くの人に聴いていただきたい内容です。
徹底したアヒンサーを提唱実践、「ノイズ」の枠を超越したオルタナティヴな表現を試み続けるジャパノイズ伝説、Merzbowこと秋田昌美による、オリジナルは1983年に自身のレーベル〈ZSF Produkt〉からリリースの、その後再発されるも長らく入手困難となっていた初期重要作が、〈Old Europa Cafe〉よりカセット再発。日常の物音や加工されたギター、声などを素材にして構成された、純粋なノイズというよりも、インダストリアル、トライバル、コラージュ的な要素が強く、リズムやビートが際立つビートテープのような印象も感じられる荒々しくも緻密な作品。アートワークも当時の雰囲気を再現しつつ、現代的な仕上がりとなっており、音質もリマスタリング済。限定199本の貴重な一本。

アンビエント/ドローンの重鎮たちによる再解釈が光る、Rafael Anton Irisarriの2015年作『A Fragile Geography』のリワーク集『A Fragile Geography: Reworks』。原作の「壊れやすい地理」というテーマを、異なる文化・音楽的視点から再解釈。KMRU、Penelope Trappes、
Kevin Richard Martin(The Bug)、Mabe Fratti、Abul Mogard、William Basinski & Gary Thomas Wrightらによる静けさと深みを極めた音響世界。
