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Marc-Étienne GuibertやGil.Barte、Markus Gibbといった別名義でも知られるフランスを拠点に活動する実験音楽家/サウンドアーティストMert Segerによるクラブミュージックと内省的な音響芸術のはざまに位置するようなダブ、インダストリアル、ドローンの要素が交錯する40分間の音響探求カセット作『Empire Des Pulsions』。スモーキーな低音、歪んだパーカッション、ざらついたテクスチャが、都市の夜や心理の深層を思わせる音像を描き、断片的なリズムによる反復と変化が聴く者を不穏な没入へと誘う。録音はローファイでありながら、空間処理や残響の使い方は非常に繊細で、クラブ以降の音楽における身体性と抽象性のせめぎ合いを体現した作品となっている。限定カセットというフォーマットも含め、アンダーグラウンドな美意識が貫かた一本。

〈Another Timbre〉からリリースの、16世紀イタリアの作曲家の作品を再構成した作品『Vesperi』でも知られる現代音楽作曲家フィレンツェ出身の作曲家Marco Baldiniによる、彼自身の音楽的ルーツと美学を反映したミックステープ形式のコンセプチュアル・アルバム『Untitled』が〈The Trilogy Tapes〉より登場。本作は自身の作曲ではなく、影響を受けた音源を再構成したパーソナルな音響ジャーニーで、ジャンルを越えた音源が選ばれており、ドローン的な持続音、抽象的なテクスチャ、クラシカルな断片が交錯。静寂と音の間にある気配を捉えるような繊細な編集が印象的で、作曲活動とは異なり、Marco Baldiniの音楽的思考と感性を凝縮した聴くことの美学を提示する作品。

遂に満を持して登場。あの『Green』を凌ぐ人気を誇る、長年失われていた吉村弘最高峰のアンビエント・クラシックこと1986年作品『Surround』が〈Light in the Attic〉配給の〈Temporal Drift〉レーベルより待望の公式カセット再発!日本の環境音楽のパイオニアであり、都市/公共空間のサウンドデザインからサウンドアート、パフォーマンスに至るまで、傑出した仕事を世に残した偉才、吉村弘。その最難関の音盤として君臨してきた幻の一枚が、今回史上初の公式カセット・リイシュー。ミサワホームから依頼されて録音された作品で、これらは同社の新築居住空間をより充実させるために設計された「アメニティ」として機能することを目的としていた環境音楽作品。吉村自身による当時のライナーノーツに加え、オリジナル・プロデューサーであった塩川博義氏による新規ライナーノーツも同封(日/英)。 MASTERPIECE!!!!!!!!!!!!!!!!!

Steven Julien主宰のUKレーベル〈Apron Records〉によるアジア圏のプロデューサーたちを中心にフィーチャーしたジャンル横断型のエレクトロニック作品コンピレーション『Apron East Vol.2』。日本からはYuka Sunflora、DJ Dreamboy、Ko Saito、J M S Khosah、韓国からはHookuo、DJ Jeyon & Isaac、アメリカ、UKからはBenedek、Jarren、Steven Julien、Kendall Timmonsが参加。DJ Dreamboyによる80年代後半NJSとメロウネスの融合、Ko Saitoによるロウでメランコリックなビート、Steven Julienによる捻れた電子ファンクなど、アジアの才能とUKのエレクトロニック感覚を融合させた未来のクラシックを探る多彩な楽曲を収録。カセットというフォーマットを通じてDIY精神とローカル感覚を強く打ち出した意欲作。
★初回完全限定生産 ★歌詞カード付き
なんと佐井好子の名作『胎児の夢』が、1977年ひっそりとカセットでも発売されていた! 知る人ぞ知るコレクターズ・アイテムがめでたくオリジナル仕様のカセットでリイシュー!
1枚目に続き大野雄二がアレンジャーとして参加し、より音楽的要素を支えた夢野久作的怪奇性極まる佐井ワールド。タイトルの「胎児」が示すようにより内なる精神世界への旅。佐井好子弱冠24歳、詩人で画家で歌手としての孤高なる存在。ジャケットはCD/LPと異なる本人のイラストを仕様。知る人ぞ知る正にコレクターズ・アイテム、ファンは必携の一本です!
【※カセットテープにのみライヴ音源追加収録!】ミステリアスなビジュアルと、東洋と西洋を掛け合わせた摩訶不思議な音楽で、今世界中の早耳ファンがこぞって話題にし、フォロワー数を急速に伸ばしている注目の3ピース・バンド、グラス・ビームス。 東洋と西洋を融合し、歴史と未来を織り交ぜる。バンドが作品に込めるこのメッセージは、生楽器とエレクトロニカを通したプリズムとなって、時代や場所の概念を超越したエキゾチックなサウンドを生み出し、魅惑的で神秘的な世界を作り上げている。
メルボルンを拠点とするグラス・ビームスは、ラジャン・シルヴァを中心に結成された。結成の背景には、1970年代後半にインドからメルボルンに移住してきた父親にラジャンの思いと、幼少期の思い出があるという。2002年にロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで行われた、ビートルズの故ジョージ・ハリソンへのトリビュート公演『Concert for George』のDVDを父親と見た記憶の中で、インドの伝説的シタール奏者ラヴィ・シャンカールと娘のアヌーシュカが、西洋のアイコンであるエリック・クラプトン、ポール・マッカートニー、ELOのジェフ・リンと共演した姿が目に焼きついていた。彼の幅広い音楽背景は、父親のレコード・コレクションにも由来している。B.B.キングやマディ・ウォーターズといった正統派ブルースとともに、ボリウッドを代表するアーシャ・ボースルやマンゲシュカルなどを聴いて育ち、R.D.バーマン、アナンダ・シャンカール、カルヤンジ・アナンジといったインド人アーティストによって開拓された、西洋の音楽スタイルと伝統的なインド音楽の融合に惹かれていった。
無国籍感溢れるエキゾチック・サイケデリアの世界観を作り上げた彼らは、2021年にリリースされたデビューEP『Mirage』をリリース。SNSとストリーミング、口コミを通じて話題となり、瞬く間に音楽ファンの間で噂が広がっていった。デビュー作のいきなりの成功で招待されたフェスティバルでは、『Mirage』EPの収録曲と、20分の未発表曲を披露。その未発表曲の初期段階のパフォーマンス映像が、何百万回もの再生回数を記録し、熱狂的なファンを急速に増やした。2023年のツアーを終えた彼らは、その20分の楽曲をレコーディングするために自宅スタジオに戻り、完成した作品は『Mahal』と名付けられた。

Rian TreanorとMark Fellが主宰する〈Electronic Music Club〉による、子どもたちの音楽ワークショップの成果を収めた2025年のカセット・コンピレーション『10 x 10 = Great Hits』。Rian Treanorが主宰する放課後音楽クラブの子どもたちによる楽曲制作で、RP Boo、DJ Sprinkles、Beatrice Dillon、Cara Tolmieなどのアーティストが指導。ノイズ、ラップ、ポップ、即興演奏が混ざり合う子どもたちの自由な発想とプロの技術が融合した、「奇妙で最高なヒット曲」が詰まった、DIY精神あふれる実験的ポップ作品。

時間も場所も流れも超えて、ヒップに、ジャックに、ハウスに朝な夕な明かしたい、94年はガーナ発の知られざる爆弾、"Obaa Sima"が現世に復活!!!ガーナに生まれ、カナダで過ごし、音楽を作り、94年にカナダ-ガーナ間だけで、今作をカセットとして発表したこの人Ata Kak。時は流れ2002年のこと、それをこのレーベル主催者Brian Shimkovitzがガーナで発見、アフリカ音楽の深部を紹介するブログ"Awesome Tapes From Africa"を始めた際にはすぐさまこの音源をポスト。世界中で旋風を巻き起こすことになったわけですが、また更に月日が経ち、本人とその家族の協力のもと、15年には遂にリマスター&公式で全世界に再発という背景。しかし、2015年版のリリースは、オリジナルのDATテープにはカビが生え、劣化が進んでいたため、最高の音質とは言い難いものだった。今回は新たにクリアな音源を発見したことでリマスター再発が実現。
数々の名作を世に送り出してきたShimkovitzが熱狂するのも納得の内容で、ハウス極まりない高揚ダンスに奇怪ボーカル&コーラスが楽しい"Obaa Sima"、スキャットマン某を空気で凌駕するAta Kak流ラップな"Moma Yendodo"、ギターのファンクな線路に延々としたビート反復、「ミニマル」とはこの曲の為にある"Bome Nnwom" (この曲心の底からキラー) などなど、時代の空気をとりこみつつも全曲異彩/鬼才な愉快ぶり。
気分の高揚と面白さ、西洋を超えるこの辺境加減は、数年前に再発されたことで失神者を続出させたあの82年のインド産アシッドハウス"Ten Ragas To A Disco Beat"以来の衝撃でしょう...毎作毎作絶賛せざるをえないこのAwesome Tapes From Africa、今回も凄まじさは計り知れません。

Meditationsでもお馴染みのAta Kakによる、1994年のカセット作品『Obaa Sima』以来となる、なんと新作『Batakari』がカセットでも登場!あの奇妙で唯一無二な宅録カセットが、2006年にブログ「Awesome Tapes From Africa」に最初に取り上げられて以来、世界中のリスナーを虜にし、やがて2015年のリイシューを機にカルト的な人気から本格的な再評価へと広がっていった。長らく音楽活動から離れていたが、再発をきっかけに表舞台へ復帰した彼はロンドンのミュージシャンたちと共にグラストンベリーやソナーを含む世界各地でライヴを行い、世代も地域も超えた観客を魅了してきたが、本作『Batakari』の楽曲は、地元ガーナはクマシのスタジオで数年かけて制作されたもので、疾走感のあるラップや軽妙なスキャット、アカンの伝統的なハープ、そして強烈なパーカッションを自在に織り交ぜながら、以前よりもずっと緻密で重層的なサウンドを聴かせている。ヒップホップ的なラップやビートと、ハイライフ由来のリズムやメロディを組み合わせたヒップライフに、ローファイな電子ビート、シンセ、そして彼独特のスピード感あるラップやスキャットが入り混じる独特のスタイルはそのままに、より広がりのあるアレンジや多彩なハーモニーの導入によって、ワールド・ミュージック的な広がりも併せ持っており、彼の持ち味である自由奔放さと創造力の結晶と言うべき一枚になっている。

佐渡をルーツに活動を展開する打楽器集団”鼓童”の運営するレーベルである〈0on ぜろおん-0音〉からは、”鼓童”の一員である打楽器奏者の中込健太と住吉佑太からなるユニット、ケンタタクユウタタクの自作打楽器も含めたパフォーマンスを収めた4thアルバムとなるカセット作品が登場。タイトルの「Goja(ごじゃ)」は、方言で「めちゃくちゃ」「でたらめ」という意味。
和太鼓、ドラム、ピアノ、マリンバ、アコーディオン、リズムマシーン、エフェクター、木片、たらい、鍋、インパクトドライバー、充電器など…
楽器、非楽器、自作楽器、すべての垣根を越えて、取り留めもなく自由な音楽性を詰め込んだ最新作。
全8曲収録。ダウンロードコードあり。

これまた凄いものが、絶対にお見逃しなく。佐渡をルーツに活動を展開する打楽器集団”鼓童”の運営するレーベルである〈0on ぜろおん-0音〉からは、”鼓童”の一員である打楽器奏者の中込健太と住吉佑太からなるユニット、ケンタタクユウタタクの自作打楽器によるパフォーマンスを収めた3rdアルバムとなるカセット作品が登場。
楽器を使わない多人数アンサンブル作品や、物音系コラージュ作品、即興演奏など全4曲を収録。ケンタタクユウタタクの、また新しいサウンドが詰め込まれた意欲作。
200本限定。ダウンロードコードあり。

激激サイケなトランス・リチュアル・ミュージック!イマジナリーかつ広大な地平です。これまた凄いものが、絶対にお見逃しなく。佐渡をルーツに活動を展開する打楽器集団”鼓童”の運営するレーベルである〈音大工〉からは、”鼓童”の一員である打楽器奏者の中込健太と住吉佑太からなるユニット、ケンタタクユウタタクの自作打楽器によるパフォーマンスを収めたカセット作品が登場。 Mohammad Reza MortazaviやRicardo Villalobos & Oren Ambarchi『Hubris』といった人力テクノの卓越した音景色に魅了されてきた人々にも推薦したいトライバル・ミニマルの極地とも言うべき一作!
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ケンタタクユウタタク2ndアルバム
デジタルリリースと共にカセットテープでのフィジカルリリース。カセットは100本限定です!
音から想像する。
音を創造する。
様々なストリーミングサービスで、なんでも聴ける時代に、「カセット」というメディアを選んだ中込健太&住吉佑太の二人から溢れ出る「音」は、自分の音、二人にしか出せない音にこだわり「NAYUTA」という作品になりました。
カセットデッキをご用意のうえ、デジタルでは絶対に再現できない、アナログ特有の質感や音質の違いを存分にお楽しみください。

オーストラリアが世界に誇るシネマティック・ソウル・グループ、Surprise Chefのニューアルバム『Superb』が前作に引き続き、El Michels Affair、Brainstory、Holy Hive、Bobby Orozaなど、現行ビンテージソウル最重要レーベルであることが明らかな<Bic Crown>よりリリース!!このアルバムでは、ハイレベルな音楽性は相変わらず前面に出ているものの、綿密なライティングとレコーディング・テクニックというよりは、よりルーズで自然発生的なアプローチで制作に取り組んでおり、よりエネルギッシュで楽しいサウンドが聞かれる。甘いソウル・トラックのように始まったかと思うと、一転してダークで呪術的なサウンドになり、そのうちには美しく幽玄なトラックによるバラードに浸らせられる。アンダーグラウンドで最も愛されているバンドから有名なバンドへと変貌を遂げる瞬間を目にするかのような一枚!
77年リリースの大貫妙子の2NDアルバムがカセットで登場。参加ミュージシャンも坂本龍一、今井裕、大村憲司、松木恒秀、後藤利、CRIS PARKER(STUFFのDr.)、斎藤ノブ、山下達郎、細野晴臣、
渡辺香津美、清水靖晃、向井滋春、鈴木茂、村上秀一、林立夫、松任谷正隆 etc,と最強の布陣。
STEVIE WONDERに影響を受けて作られた『都会』は大貫妙子の代名詞的な大名曲としても知られ、その当時の時代風刺的な意味合いを多く含んだ歌詞の内容も面白い。
現代イタリアのアンダーグラウンド・シーンから現れた、ナポリ出身の音楽家 Lucia Sole によるプロジェクト La Festa Delle Rane(カエルたちの祝祭) の新作カセット・テープを、英国の All Night Flight と共同でリリースします。
Luciaの音楽は、日常の中を通り過ぎていく断片的な風景をそっとすくい取るようにして綴られ、いつか見た夢の記憶を呼び起こすような、子どもの視点から覗いたような不思議な郷愁に満ちています。
メロディカ、アコースティック・ギター、笛などによるシンプルな楽器構成が生み出す静かな親密さと、太鼓や管楽器が加わることで広がっていく万華鏡のような即興性が共存しています。
少女のように無垢な歌声、ささやくようなグロッケンシュピール、歪んだオルガンが空気に残す音の波紋は、ローファイな録音のなかで捉えられており、空間の気配や微かな息づかいまでがそのまま音に封じ込められています。



コンセプチュアル・アートやメールアートの主要人物であるUlises Carrionの、1989年にプライベートで流通していた音源「Trios & Boleros」をベースに再構成・再編集したカセット作品『Ulises Carrión』が、オランダは〈Counter Culture Chronicles〉から登場。 Ulises Carriónが晩年に録音した言語と構造に関する実験的なサウンド・ポエトリーで、言語の構造・順序・反復・リズムといった要素を巧みに操作することで、意味をずらしたり消したりしながら、聴覚的な体験を創出。彼の作品では、声の抑揚や間、反復、沈黙といった音の質感が重要な構成要素となり、言葉は音楽や空間の一部として機能しており、詩でも音楽でもなく、言語そのものを素材として扱う、極めて実験的で芸術的なアプローチが取られている。Ulises Carrionの芸術的視点が凝縮された、希少かつラディカルな音のドキュメント!
小さな音楽という概念を提唱し、主流の音楽や美術の枠組みに対して、静かで繊細な音響表現を通じてオルタナティブな価値観を提示したドイツの音響芸術家Rolf Juliusによる1980年録音のカセット作品『Afrikan Klavierkonzert』がオランダは〈Counter Culture Chronicles〉から再発。繊細なピアノのテクスチャと環境音が交錯し、音楽・沈黙・空間の境界を溶かすような静謐なサウンドが展開される。Julius特有の小さな音楽の美学が際立ち、「聴くこと」そのものへの問いかけとして機能する美しくも実験的な録音作品。静かでありながら深い批評性を持つ、現代のサウンドアートにも大きな影響を与えた芸術の貴重な復刻。
オランダは〈Counter Culture Chronicles〉から、Lawrence Weiner、Ulises Carrión、John Baldessariなど、コンセプチュアル・アートやメールアートの巨匠たちの非常に貴重な音源を収録したカセット『From the Archives Vol. 13』。収録内容は、言語、環境音、身体的ジェスチャーなどを用いた録音作品で、1970〜90年代の未発表または散逸音源が中心として、Terry FoxやMaurizio Nannucciなど、音響詩やパフォーマンス・アートに関わる作家の音源も収録。このシリーズは、見過ごされがちな実験的録音を発掘・再提示するアーカイブ的プロジェクトの一環として位置づけられており、収録されている音源は、彼らがビジュアルアート以外のメディアで展開したサウンド・アート、ボイス・パフォーマンス、実験的な記録を集成したものであり、コンセプチュアル・アートと音の境界を探る、美術史の文脈でも貴重な資料となっている。Vol.13はその中でも特に多様な作家が参加した、ジャンル横断的な構成の一本。
メールアートのネットワークで中心的な役割を果たしたアーティスト、Sue Fishbeinによる1980年代初頭のサンフランシスコで制作された貴重なサウンド・コラージュ作品『Wildlife & it's Results』が、カウンターカルチャーの偉人たちによる録音資料を、味わい深いカセットで紹介する地下レーベル〈Counter Culture Chronicles〉より登場。彼女はメールアートと同様に音を通信の媒体と見なし、環境音、断片的な声、都会の喧騒といった、見つけた音(Found Sound)を切り貼りし、遊び心と皮肉を込めた音のパッチワークを構築。アナログ機材やテープ操作による物理的な音響処理による実験的な電子音響で、このカセットは、形式や著作権といった概念に挑むテープ時代の実験精神を体現しており、その騒々しくも内省的な響きは、メディアが飽和する現代社会への先見的なコメントとして響く。パッケージは紙製ボックス仕様で、アート性とDIY精神が感じられる、物理メディアへのこだわりを持たせた仕様でのリリースとなっている。

Angus MacLiseやSun Ra、Allen Ginsberg、Timothy Learyといったカウンターカルチャーの偉人たちによる録音資料を、味わい深いカセットで紹介する地下レーベル〈Counter Culture Chronicles〉からLa Monte YoungとMarian Zazeelaの歴史的な発掘盤『Live in Rome, 23/6/1969』が登場!収録されているのはたった18分の演奏だが、その内容は濃密で、当時の二人の芸術的探求の只中を切り取った貴重な記録になっている。ニューヨークのダウンタウンで1960年代初頭から育まれたドローンのヴィジョンが、ヨーロッパへと広がっていく端緒とも言える時期の記録であり、同年に録音された代表作『31 VII 69 10:26-10:49 PM / 23 VIII 64 2:50:45-3:11 AM』の直前というタイミングで、まさにTheatre of Eternal Music期の絶頂を捉えている。音質も驚くほど鮮明で、微細な周波数の揺らぎが空間を満たし、聴く者の頭のわずかな動きさえ音の聞こえ方を変えてしまう、音楽の枠組みを超えた、感覚そのものに働きかける音響芸術。ラ・モンテ・ヤングが「演奏の前にも後にも存在する音」と語ったドリーム・ミュージックの哲学が、そのまま封じ込められている。
