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1976年に日本のみでリリースされた、Marion Brownの70年代の探求を象徴する知られざる名盤。ブラウンは60年代フリージャズ以降、より構造的でリズムを軸にした音楽へと移行しており、アフロ・カリビアン的なポリリズム、ファンクの切れ味、レゲエの揺れが、曲ごとに異なる地層のように積み重なる。アルトは、旋律を吹くというより、リズムの上を滑りながら物語を紡ぐような語りのニュアンスが強く、ギターやベースはグルーヴを前に押し出すのではなく、リズムの層に陰影を与える役割を担う。全体として、黒人音楽のリズム的遺産を抽象化し、ブラウン独自の構造としてのリズムへと昇華。鋭いアルト、豊かなポリリズム、そして集団即興の熱量が交わり、ジャズの枠を越えたコミュニティの音楽として響く一枚。
DeepChord、Echospaceの中心人物たるRod Modellによる最新アンビエント作品『Frequencies In The Fog』。Pt.1 と Pt.2 の2曲構成で、パッドを中心としたミニマルな音の軌跡、控えめに配置された電子音の粒子、ゆっくりと深く包み込む低音が持続的に重なり合う。逆再生処理された判別しにくい声の残響や、停滞する静寂と円環的な動きが交互に現れ、厚い霧の層の奥から現実の風景が断片的に浮かび上がっては消えていくよう。Rod Modellらしい深海のような音響と環境音の抽象化が研ぎ澄まされた一枚。
フランスの民族音楽名門レーベルOCORAからタントラ(悟りを実現させるための実践)の場であったギュト寺院の聲明の録音が待望の再プレス!!
何十万というチベット人が亡命を余儀なくされた出来事が起こる前の1970年代初頭、ギュト寺院の僧侶約100名がインドに亡命しました。本来、外の世界に出すものではないと思われる聲明ですが、その伝統が消されるのではないかという危機感からか、彼らはその後、外国での客演、録音を数多く行うようになりました。この録音はその最初期である1975年のパリで行われたライブ録音です。
鐘の音や禁欲的なチベットホルンの音、打鳴らされる太鼓、人間とは思えない野太い低音と宇宙的なものを感じさせる倍音が重層的に響くさまは、一聴するとあまりにも厳しい音世界ですが、深く瞑想するように聴き入っていくと、次第にあらゆる余分なものが消失してゆき、やがてそれは一つの調和として立ち現われ、一種のトランス状態に至るとんでもない内容!没入の強度と深度が違います!!
各地の伝統録音をきく方や、音楽を探求するかたにはもちろん聴いていただきたいですが、ダーク・アンビント/ドローン、インダストリアルなどがお好きなかたにも、ぜひ一度きいてみていただきたいと思います。日本語解説付
Disc 1
「秘密集会」ないし「秘密の単一」タントラ/ 文殊菩薩の忿怒の現れたるヤマーンタカの儀式における灌頂の抜粋/ 奉献の儀式、ラプネーの抜粋
Disc 2
大黒天/黄金の献酒/吉祥の祈り

米ミシガン出身ながら、心は70年代ドイツの実験音楽シーンに根ざすというコンセプトがユニークなプロジェクト Fling II によるセルフタイトル・デビュー作。NEU!やCANのモータリックなリズム、ClusterやKraftwerk的な電子音響の質感を取り入れつつ、現代的な解釈を加えた強烈なクラウトロック・リバイバル。ギター、シンセ、フェンダー・ローズ、ウーリッツァーなど多彩な楽器を駆使し、70年代クラウトロックのサウンドを細部まで再現。現代的な感性と録音技術も随所に垣間見える懐かしさと新鮮さを同時に感じさせる作品。

ここ数年にわたるDean Bluntとの共演やソロ活動が印象的なグラスゴー拠点のJoanne Robertsonの新作『Blurrr』が〈AD93〉より登場。本作はつぶやくような歌声とミニマルなギターが織りなす、時間の隙間に咲く花のような親密さと、ため息のような美しさに満ちており、どの曲も肩の力を抜いたまま深く胸を打つ。半分壊れたマイクに録音されたかのようなRobertsonの声と、歪んだテープのような音響処理が溶け合い、時が止まるような余韻を残している。Laurel HaloやMalibu作品でも知られるOliver Coatesが3曲で共演しており、彼のストリングスはただの装飾ではなく、Robertsonの声と溶け合い、感情の余白をより際立たせている。GrouperやCat Power、Arthur Russell『World of Echo』の系譜に連なる、静かで壊れやすく、圧倒的に美しい音楽。
Leila Bordreuil(チェロ)と Kali Malone(オルガン)による、静謐で緊張感に満ちたコラボレーション作品『Music for Intersecting Planes』。タイトルの通り、複数の音の平面がゆっくりと交差し、重なり、ずれていくという構造を核としており、身体性のあるチェロのノイズ、テクスチャと、純度の高い倍音と持続音で空間を満たすオルガンが、対立するのではなく、平行に進みながら微細なずれや重なりを生み出し、静かだが鮮烈な音の建築物を立ち上げていく。この作品では、音そのものよりも、音が空間でどう響き、どう交差するかに焦点が置かれており、空間そのものが楽器とするかのように、残響、共鳴、干渉といった空間的な要素も音楽の一部として扱われている。音楽はほとんど動かないように見えて、実際には絶えず変化し、倍音が揺れ、空気の圧力が変わり、音の干渉が幻聴のようなハーモニーを生む。それらは劇的な変化ではなく、耳を澄ませるほどに現れる微細な現象として存在し、ドローンの没入感と現代音楽の構築性が同時に息づいている。ふたりの作曲家の美学が驚くほど自然に融合した作品。

10月下旬再入荷(10月中旬分は完売しました)。Bing & Ruthの中心人物として知られるピアニスト、作曲家デヴィッド・ムーアがピアノのみを素材に制作したソロ・アルバム『Graze the Bell』。1987年製ハンブルク・スタインウェイ Model Dピアノの息をのむような音色を基盤とし、繊細なタッチと沈黙に触れるほどの微妙なダイナミクス。内省的かつ静謐な音楽世界は、日常のささやかな瞬間が永遠へと触れるかのよう。デヴィッド・ムーアがこれまでの活動の流れから一歩退き、「最も純粋な自分自身」としてピアノに立ち返った作品。グラミー賞受賞エンジニア、ベン・ケーンによるその呼吸や揺らぎを極限まで捉えたプロダクションも見事。
大名門〈Numero〉が手がけるスウィートソウル、ローカルソウルの秘宝を掘り起こすコンピレーション『Eccentric Sweet Soul』。シリーズの中でも特に 甘くメロウで、ロマンティックなソウルに焦点を当てたもので、1960〜80年代のローカルレーベルや自主制作盤から発掘した知られざる名曲 を多数収録。コレクターが探し続けてきたシングル音源や一度も再発されていない曲も含め、失われかけたローカル・ソウル文化を丁寧に再構築している。ストリングスやホーンを使ったメロウなアレンジ、切ないファルセット、甘いハーモニーのスロウバラードは、夜のリスニングやチルアウトにぴったりのスウィートソウルの裏名盤ともいうべき好内容。どこか素朴で、手作り感のある温かいサウンドは、いわゆる大ヒット曲ではないのに、不思議と心に残るメロディと歌の喜びに満ちている。
10月下旬再入荷。1950年代ニューヨークで活動しながら、当時はほとんど知られることのなかったシンガーソングライターConnie Converse。彼女が1954年に漫画家Gene Deitchの自宅キッチンで録音した音源をまとめ、失われた天才の発掘として2009年にリリースされた『How Sad, How Lovely』が未発表音源を含むエクスパンデッド・エディションとしてボーナス7インチ付属で再発!ギター一本と声だけの極めてミニマルな構成にも関わらず、ベッドルーム・フォークの先駆けのような親密さと静けさがあり、時代を超えて届くような、淡々とした語り口が心に刺さる。自由・孤独・逃避・愛をテーマにしながら、どこかユーモラスで皮肉も効いた歌詞世界、キッチン録音のざらついた粗さが逆に生々しく、先駆性と孤独の美しさが宿る。Converseはその後30年以上消息不明となり、消えたシンガーソングライターの存在を世界に知らしめた深い余韻を残すアーカイヴ。

10月下旬再入荷。Jack DeJohnette、John Medeski、Karl Berger、Lenny White、Ben Perowskyなど、ジャズ界の重鎮が多数参加。ハードコア史に名を刻むBad Brainsの共同創設者で、ベーシスト、Darryl Jeniferによる最新インストゥルメンタル作品 『The Weather Channel』。2010年のソロ作『In Search of Black Judas』以来となる、十数年ぶりのソロ名義アルバム。ジャズの即興性と、Darryl Jeniferが持つパンク、ダブの精神性を軸にした深いグルーヴと多層的な音像がアルバム全体を貫いている。Bad Brainsのエネルギーをそのまま持ち込むのではなく、スピリットを抽出し、ジャズの言語で再翻訳したようなアプローチで、空間処理の効いたダブ、鍵盤が描くサイケデリックな感覚、デジョネットらが生み出すしなやかなリズム、それらが重なり合い、ジャズ、フュージョン、ダブ、サイケ、パンクが交差する探求的なサウンド。Bad Brainsの名曲『Sacred Love』『Re-Ignition』の再構築版を含む意欲作。

10月下旬再入荷。インドネシア・スラバヤ発のトリオThee Marloesが、Meditationsでもお馴染みの前作『Perak』から2年ぶりの待望の2ndアルバムをリリース。アルバムは全14曲で構成され、英語曲とインドネシア語曲が自然に混ざり合う。バンド自身が「過去2年間の旅路を描いた作品」と語るように、よりパーソナルで成熟した表現が際立つ内容で、60〜70年代ソウルの温かい質感をベースにしながら、乾いたギター、タイトなドラム、柔らかな鍵盤が重なり、都会の夜と南国の風が同居するようなメロウなムードを生み出している。Natassyaの甘く柔らかな歌声はさらに深みを増し、ホーンやコーラスを加えたアレンジが楽曲に豊かな奥行きを与える。世界的に注目を集めるThee Marloesによる、より広がりのあるサウンドと深くインドネシア的な感性をまとった、甘く、メロウで、どこか異国の風が吹くソウル・アルバム。

アシッド・ハウスとインド古典ヒンドゥスタニ音楽〜ラーガの奇跡的合一。近年ではGlass Beamsがカヴァーする等で益々人気高騰中で、オリジナル盤はインド国内でも18万円は下らない価格で取引されている、あのインド産アシッドハウス名盤が遂に公式リマスター再発!
アメリカでハウスが誕生する以前に、実は既にインドにアシッドハウスが存在していた物的証拠となるにわかには信じがたい物件で、Chip E - Jack Trax"や"Phuture - Acid Tracks"(1985)よりも3年前の1982年に発表されていた作品。1981年に発売直後のTB-303等をシンガポールで入手した後にムンバイへ持ち帰り、独自に操作方法を模索し最終的にそれらの同期方法を発見し、TR-808やTR-303、Jupiter-8等を駆使したアシッド・サウンドを実現。
本人も欧米圏のハウス等は聴いた事が無かったとコメントしている通り、ハウスという音楽自体が認知されていなかった時代にもちろんそんな概念がインドに存在したはずはなく、シンセサイザーを用い新たなダンスミュージックを作り出そうというクリエイティブな精神が生み出した奇跡的フライングとも言える驚愕の内容となっています。ゲイトフォールド・スリーブ仕様、未公開写真多数とライナーノーツを掲載した20Pブックレット付属。MUST!
billy woodsとELUCIDによるArmand Hammer とThe Alchemist が手を組んだ2021年作『Haram』。本作は、発表当時は名プロデューサーとの初タッグという話題性に注目が集まったが、振り返るとむしろThe Alchemist が従来のソウルやジャズをサンプリングして太いビートを組み立てるビートスタイルから外れ、Armand Hammer の複雑で比喩的・断片的なラップの響き方に寄り添ったことが要点となっていて、ドローンや歪んだリズム、言葉が漂う余地を残したプロダクション、くぐもった音や断片的なフレーズのコラージュなど、Armand Hammerの不可解さをそのまま響かせる音作りとなっている。また、同時に、メロウで陽光を感じるビートやソウルフルなフックも散りばめられており、ある意味でポップで聴きやすい瞬間が共存しているのも興味深い。ゲスト陣も強力で、Curly Castro、Quelle Chris、Amaniらの参加、Earl Sweatshirt の「Falling Out the Sky」や、KAYANAの「Black Sunlight」、Fieldedの「Aubergine」など、実験的な声の使い方も印象的。ハードボイルドな言葉遊びと実験的なビートが奇跡的に融合した、唯一無二のアンダーグラウンド・ヒップホップの到達点。

Thee Sinseersのリーダーとして知られるJoey Quiñonesによるソロ・アルバム『Inna Soul Steady Situation』は、イーストLAのストリート文化と、彼のルーツであるチカーノ・ソウル、そしてロックステディが溶け合った、温度と情緒に満ちた一枚。彼が育った街の空気、近所のレコード店、仲間の家のリビング、そんな日常の風景がそのまま音に染み込んでいるような、生活の匂いが漂う。ホーン、オルガン、ギターが柔らかく絡み合い、甘くメロウなソウルにジャマイカ音楽のゆったりとした空気が加わることで、懐かしさと新しさが同居する独特のムードが立ち上がる。どの曲も、彼の代名詞である多重コーラスによる完璧なハーモニーとアナログ録音の温かさが息づき、現代のヴィンテージ・ミュージックとして確かな説得力を持っている。甘いメロウネスを愛するすべての方に。

フリー・ジャズの先駆者であり、1970年代以降は世界各地の民族音楽を取り入れたコスモポリタン・ジャズを展開したDon Cherryが、タブラの名手であり、複雑なポリリズムとシンコペーションを駆使する演奏スタイルで知られるLatif Ahmed Khanによるジャズとインド古典音楽が融合した1978年録音の幻のセッション『Music / Sangam』が、最新リマスターで再発。即興的でありながら緻密なリズムと旋律が交錯するタブラとトランペットの対話、Don Cherryの多楽器奏者としての側面も反映したアーシーなキーボードやフルート、1970年代パリのスピリチュアルな雰囲気が漂う、プリミティヴかつ瞑想的な録音の空気感が際立つ、Don Cherryのワールド・ジャズ探求の中でも最も過小評価されていた作品のひとつであり、ジャズとインド音楽の融合の歴史的記録としても貴重な一枚。

遂に満を持して登場。あの『Green』を凌ぐ人気を誇る、長年失われていた吉村弘最高峰のアンビエント・クラシックこと1986年作品『Surround』が〈Light in the Attic〉配給の〈Temporal Drift〉レーベルより待望の公式アナログ再発!日本の環境音楽のパイオニアであり、都市/公共空間のサウンドデザインからサウンドアート、パフォーマンスに至るまで、傑出した仕事を世に残した偉才、吉村弘。その最難関の音盤として君臨してきた幻の一枚が、今回史上初の公式アナログ・リイシュー。ミサワホームから依頼されて録音された作品で、これらは同社の新築居住空間をより充実させるために設計された「アメニティ」として機能することを目的としていた環境音楽作品。吉村自身による当時のライナーノーツに加え、オリジナル・プロデューサーであった塩川博義氏による新規ライナーノーツも同封(日/英)。 MASTERPIECE!
