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スペインはマドリードのレフトフィールド・テクノレーベル〈Alpenglühen〉より、Vandと!nertiaによる新ユニットVanertia のデビュー作『Kronicles』が登場。クラシックなダブ・テクノの文脈が音の核にあると言える作風で、深く沈み込むようなコード音やエコーの広がりが全体を包み込みながら、細やかに刻まれるパーカッションが緊張感を与えている。リズム面では、淡々とした4つ打ちの推進力と、ずらしたビートの絡みが交差し、硬質さと柔らかさを同時に感じさせるバランスを構築しており、低域は重すぎず、あくまで有機的に脈打ちながら全体を支えている。クラブでも機能する推進力を持ちつつ、ヘッドフォンで浸っても奥行きを味わえる没入的な仕上がりは、ダブ・テクノの伝統に根ざしながら、現代的な質感と繊細な構築力を備えた充実作!
〈Echovolt Records〉主宰のIlias Pitsiosと〈Music From Memory〉のTako Reyengaが運営していたニューエイジ系の名門再発レーベル〈Into The Light Records〉からもコンピレーション作品が組まれていたギリシャの作曲家であり、1989年に自身が創立した〈Utopia〉レーベルでは、Tomasz StańkoやIskraといったオブスキュアな面々による作品を送り出していたVangelis Katsoulisが1986年に同国の〈Praxis〉から発表した2枚目のアルバム『Minimal Suite - Double Image』の新品デッドストックを奇跡的に入荷出来ました!”Minimal Suite”と”Double Image”という珠玉の霊性ミニマル・ニューエイジ長編2作品を収録したアルバム。Franco NanniやDitto、Cabaret Du Ciel、Vito Ricci辺りのラインが好きな人には絶対オススメな極上のオブスキュア・ニューエイジ盤です!

スウェーデンの異端トリオ、Vanligt Folkが〈iDEAL Recordings〉から放つ最高に奇妙な一作。2ステップ、ノイズ、ダブ、クラブ・ミュージック、ポップの境界をねじまげ、気味の悪いフックや呻き声のようなボーカルを交えて、不穏なグルーヴを次々に展開する。テーマは友情、セックス、暴力、ドラッグといった生々しいものだが、表現はあくまで印象派的で抽象的で、フロアでも部屋でも異様な存在感を放つ。サウンド的にはローファイなエレクトロ・ノイズとも共鳴するが、Vanligt Folkのユーモアと奇妙さはやはり唯一無二。よれた2ステップにノイズをまぶした「DISKDASKO」、アシッドと呻きが絡む「ÜNG GÜD」、奇妙にキャッチーな「TJUF」など、全編通して不安定で落ち着かないが、どこかクセになって、妙に馴染む音楽。何かが起こりそうで起こらない、その境界をずっとさまようような一枚。

ジャパノイズを代表する名アクトMerzbowと、ウクライナのサウンド・アーティスト/パフォーマーのDmytro FedorenkoによるソロプロジェクトVariátの2023年12月発表のコラボレーション・アルバム『Unintended Intention』をストックしました。版元は、「自由と独立のために戦うすべての人々に捧げる」ウクライナの新しいレーベルであり、uslimgauzeやIlpo Väisänen (Pan Sonic)、Noémi Büchiの作品も発表している 〈I Shall Sing Until My Land Is Free〉。限定300部。

〈VDE-Gallo〉から1993年にCDでリリースされ長らく廃盤となっていた、あらゆる伝統音楽の記録の中でも最高のものの一つ、中央アフリカ、グバヤ族によるサンザ(親指ピアノ)のアルバムが初のLP再発。オリジナルCDは、民族音楽学者ヴィンセント・ドゥーによって1977年に録音され、スイスのジュネーヴ民族学博物館(Musée d'ethnographie de Genève, MEG)の「国際民俗音楽アーカイブ(AIMP)」シリーズの第27巻(AIMP XXVII)としてリリースされた『Centrafrique: Musique pour sanza en pays gbaya(中央アフリカ:ゲバヤ人のサンザ音楽)』で、今回はその中から8曲が抜粋して収録されている(視聴ファイルはCD版のもの)。この度、ジュネーブ民族学博物館(MEG)で開催される展覧会「Afrosonica - Soundscapes」に合わせてめでたく再発となった。内省的な「思索の歌」とも言うべきレパートリーが収録されており、サンザとシェーカーと呟くような歌のみで演奏される親密な音楽は、その構成のシンプルさからは到底信じられない奥深い音世界。虫の声や森の響きがひきたてる静寂の中で、リズムにおいても、音色においても異なるものがお互いを支えあって調和しており、さまざまな要素が渾然一体となり、一粒一粒の音がまるで生まれるのを待っていたかのように姿を現わしてくるさまはとてもリアルでダイレクトな感触。なにもないアフリカの田舎の村で、自然とともに生きていた人たちの音楽だと思わずにはおれません。普段は民族音楽を聴かない方にも手にとってもらいたい名盤。レコードの音質でぜひ!豊富なライナーノーツと写真を収めた6ページのインサートが付属。

フランス領カリブ海で最も長い歴史を持ち、最も多作なレーベル、〈Disques Debs International〉のアーカイブから選りすぐった〈Strut〉によるコンピレーション・シリーズの第2弾がリプレス!故Henri Debsが50年代後半に設立したこのレーベルは、50年以上にわたって活動を続け、何百枚ものレコードをリリースし、グアドループとマルティニークのクレオール音楽をより多くの聴衆に届けてきたが、スーパー・ヴァイキングスやガイ・コンクエットをフィーチャーした本作では1973~1981年までの音源を全16曲を収録している。ハイチのコンパ、コンゴの影響を受けたライコ・ジャズ、ドミニカのカデンツ・リプソとレゲエ、ジャズとプエルトリコのサルサが、地元のビギニーヌ、クアドリール、グォ・カとともにミックスされており、他に類を見ない貴重な音楽性の数々を堪能することができる名作。デブスのアーカイヴから未公開写真と、充実したライナーノーツ、シンガーでトロンボーン奏者のクリスチャン・ゾラ(レ・マクセルズ、エナジー)のインタビューが付属。

フランス領カリブ海で最も長い歴史を持ち、最も多作なレーベル、〈Disques Debs International〉のアーカイブから選りすぐった〈Strut〉によるコンピレーション・シリーズの第3弾がリプレス!故Henri Debsが50年代後半に設立したこのレーベルは、50年以上にわたって活動を続け、何百枚ものレコードをリリースし、グアドループとマルティニークのクレオール音楽をより多くの聴衆に届けてきたが、第3弾では、ビギニーやグウォカといった伝統的なローカル・ジャンルが、カデンツやズークといったコンテンポラリーなスタイルと融合した70年代から80年代にかけてのこの地域の音楽の黄金期を振り返るこのコレクション14曲を収録している。1980年代に世界的な広がりを見せたこのレーベルの最もダイナミックで影響力のあった時期に光が当てられており、Henri Debsの比類なき遺産を称えるだけでなく、カリブ音楽の黄金時代のスナップショットとさえ言えるような貴重な記録!

自国のソウル、ゴスペル、ファンクにとどまらず、ニューエイジ・ミュージック始祖ヤソスや日本からは原マスミまで、世界各地のオブスキュアなサウンド&グルーヴを掘り起こしてきた米国の大名門〈Numero Group〉から2013年にリリースされていた、60年代半ばにテキサス州サンアントニオに存在したレーベル、ダイナミックのコンピレーション『Eccentric Soul: The Dynamic Label』がめでたくリプレス!サンアントニオという土地柄と、レーベルオーナーであるエプスタインの「来るものは拒まず」主義により、白人、黒人、ラティーノが入り混じり、人種のるつぼとなっていたところもじつに興味深く、躍動感あふれるノーザン風ダンサーから、ヴォーカル・グループ~スウィート・ソウル、ガール・グループまで、全編にあふれる清々しさ、瑞々しさが心地好い!
DON CARLOSコンパイルによる1980年代後半から1990年代初頭のイタロ・ハウスが最盛期だった時期の作品を集めた2枚組コンピレーション『Echoes Of Italy Vol.2 - Early 90's House Vibes - The Birds Of Paradise』が〈JUNGLE FANTASY〉より登場!!本作はイタロ・ハウスの黄金時代を象徴するような、グルーヴ感溢れるビートに加え、時にエモーショナルでロマンチックなメロディーが絡みついている。そのサウンドは、80年代後半から90年代初頭のクラブ文化とともに成長したこのジャンルならではの、情熱的でありながらもどこか切ない雰囲気を漂わせている。また、このアルバムはただの「ダンスミュージック」にとどまらず、イタリアという場所の文化的背景を色濃く反映している点が特徴的で、音楽は、地元のクラブシーンやディスコに通い詰めた若者たちの、夢と自由を追い求める精神から生まれており、その情熱がアルバム全体に流れている。単なるダンスビートだけでなく、情緒やメロディ、リズムの細部にまでこだわっており、リスニングにも耐えうる趣ある作品!


1970年代後半にルーツレゲエからダンスホールへの移行を促した重要人物Nkrumah Jah Thomasが自身のレーベル「Midnight Rock」の40周年を記念して2021年に制作した傑作コンピレーション『Midnight Rock's Secret Tapes LP』が〈Radiation Roots〉よりめでたくリイシュー!Jah Thomasは2000年代以降も精力的に活動し、Channel OneのRoots Radicsの曲をリメイクしたり、King Jammy'sやBlack Scorpio、Mixing Labなどのスタジオで新しい作品を制作している。本作では過去のテープから未発表の10曲を発掘し、オリジナルボーカルや新たなゲストを迎えた作品を作り直した。ルーツ・メッセンジャーのルチアーノやダンスホールの大御所スーパーキャット、甘い歌声のコートニー・メロディ、そしてJah Thomas本人も参加。さらに、ピンチャーズとジョジー・ウェールズのコラボ曲や、ブジュ・バントンが共同プロデュースしたトニー・カーティス、ゴースト、ミッチの曲も収録。ダンスホール好きにはたまらない豪華な顔ぶれが揃っている。

1970年代のナイジェリアの音楽シーンを象徴するアフロビート、ハイライフ、ジュジュ、アフロファンクの名曲を集めた、英国の名門〈Strut〉が2008年にリリースした傑作コンピレーション『Nigeria 70: Lagos Jump』が再入荷できました!本作はアフロ音楽のアーカイビストであるダンカン・ブルックナーと〈Strut〉のクイントン・スコットによって監修されており、ナイジェリアの首都ラゴスの音楽シーンに焦点を当て、当時の多様な音楽スタイルを紹介しています。収録曲は、フェラ・クティの影響を受けたアフロビートから、ジュジュやハイライフ、アフロファンクまで幅広く、ナイジェリアの音楽的多様性を感じさせる内容となっている。

STRUTの名シリーズ『Nigeria 70』に約8年ぶりに加わった『Nigeria 70: No Wahala: Highlife, Afro-Funk & Juju 1973–1987』が入荷できました!本作はDJ/コレクターのダンカン・ブルックナーが監修を担当し、1973年から1987年にナイジェリアで生まれたアフロ・ファンク、ジュジュ、ハイライフの中でも、これまで国外ではほとんど紹介されてこなかった知られざる音源を発掘・収録している。'00年代初頭に火がついたアフロ・ファンク再評価の流れを受け継ぎつつ、今回のコンピでは、ナイジェリア南部デルタ州の少数民族 Ukwuani の音楽や、ヴィクター・ウワイフォを軸としたベニンとの音楽的つながり、ハイライフのレジェンド、レックス・ウィリアムスとパックス・ニコラスによるサイケ・ファンクなど、多彩な文化的背景を丁寧にすくい取っている。土臭さとラテン/北米音楽の影響が溶け合ったグルーヴの連続で、アフリカ音楽ファンはもちろん、レアグルーヴやロック、レゲエ好きも引き込まれること間違いなし!

戦前のブルースから移民の音楽、南米のフォルクローレを始め、各地の骨董音楽を掘り起こす一大名所〈Death Is Not The End〉から新物件!1920年代初頭の共和国建国から1950年代半ばまでの数十年間に録音された、メランコリックでありつつも、この世ならざる美しさで心を魅了する、珠玉のトルコ産タンゴをよりすぐったコンピレーション・カセット作品。

前作Lookafteringからは9年ぶり。自身が好む1人で録音していた時期、マスターピースの"Just Another Diamond Day"発表以前の状態に立ち返ろうと、ほとんどの作業を彼女自身で担当して制作。そのためこれだけの制作年月が必要だったようですが、やはりVashti Bunyan。出てくる音全てがVashti Bunyan。暖かい歌声と詩の世界、それを詰め込んだ演奏の素朴さはこの人の他誰も生み出せない結晶です...アートワークはその前作Lookafteringに続いて娘のWhyn Lewisが制作。Lookafteringとは対になっているとの事です。
Pitchforkでは9.0点のスコアを獲得。オリジナルは40万円超えでの取引履歴もある骨董物件であり、全てのフォーク作品において永遠の名盤。ブリティッシュ・フォーク神話の女神、Vashti Bunyanの1970年作品Just Another Diamond Dayが限定クリア・ヴァイナル仕様で再発!Joe Boydプロデュース、Fairport ConventionのDave SwarbrickやSimon Nicolらも演奏に参加、ジャケットに見られる片田舎で暮らしていた時に制作。唯一無二の儚く透き通った歌声、素朴で万人の心に響き渡る楽曲、言葉では良い表せない幻想的な感覚、もう再生した途端に魂が引っ張られる感覚を覚える程に、不思議な魔力を秘めています。この先も永遠に全音楽好き必聴!ゲイトフォールド・スリーブ仕様。

謎めいたメタルマスクの下に、アンダーグラウンドの伝説となる器量を隠し持つヒーロー。アンダーグラウンドラップの最も偉大な声である我らがMF DOOMがその変名にして「タイムトラベルするストリートハスラー」ことViktor Vaughn名義で2003年に発表したカルト傑作『Vaudeville Villain』が〈Rhymesayers Entertainment〉からアナログ再発。ヒップホップが禁止されている異世界からやってきたタイムトラベラーMCが、自身のスキルを磨くために異次元を旅していた中で、最終的に90年代のニューヨークに辿り着いて・・・・という奇想天外なコンセプト・アルバム!Sound-InkのプロデューサーであるKing Honey、Heat Sensor、Max Bill、そして、RJD2といった面々が提供した、エレクトロニカとヒップホップの間を自在に行き来するネクストスクールのビートにピッタリとラップを乗せていくViktorの姿を描いたユニークでクリエイティヴな作品!

ベルギー版〈Music From Memory〉時代の〈STROOM.TV〉(現在はカルトな新譜系レーベルに変貌)も掘り起こしていた、グラスゴーのオブスキュアなシンセポップ・バンド、VAZZによる1986年のミニアルバム『Your Lungs and Your Tongues』の40周年記念エディションが〈Numero Group〉から登場!クレプスキュールのユーロポップ感覚と4ADの幽玄なゴス精神を受け継いだ、冷たく甘い歌声とドラムマシンの反復、ミニマルウェイヴの硬質さと無機質なファンクネスが独特のダークなテイストを放つ、一味違うネオアコ・サウンドを披露した傑作!未発表録音も追加収録。

