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(数量限定/Indie Exclusive/ブルー・ヴァイナル)“Megaton, No War No Death!” ー 本来なら僕たちは互いに連帯すべきなのに、ソーシャルメディアによって分断されている。ジェノサイド…スワイプ…ジム通いの写真…スワイプ…食べ物の写真…スワイプ…飢餓。恐ろしい情報の洪水のあとに猫のミームが現れ、加工で原型を失った顔が続く。そんな現実の重みによって、社会は連帯を失い、静かに崩壊している。
ー Jason Williamson
労働者階級の代弁者 Sleaford Mods が、2023年のアルバム『UK GRIM』以来となる新曲「Megaton」を〈Rough Trade〉よりリリース。本曲は重厚なビートとアトモスフェリックな電子音に、社会の凡庸さを切り刻むような鋭いリリックを乗せ、グルーヴと知性を兼ね備えたSleaford Modsならではの楽曲となっている。
今回も継続的にタッグを組んでいるチャリティ団体 War Child とのパートナーシップのもと、シングルの収益はすべて戦争の影響を受けた子どもたちを支援する活動に寄付される。
同曲の世界観にインスパイアされ、アーティスト/写真家の Nick Waplington が監督を務めた MVも公開。
ロンドン・ハイドパークのスピーカーズ・コーナーで撮影され、19世紀から演説や議論の場として知られる同地で、楽曲「Megaton」が群衆の中に響き渡る映像作品となっている。
War Childのライブ音楽企画を統括・運営している Clare Sanders-Wright は次のようにコメントをしている。「Sleaford Modsの継続的な支援と寛大さに心から感謝しています。この特別な限定シングルは、ただの新曲ではなく、戦争によって苦しむ子どもたちに直接的な支援を届けるものです。」


1月16日発売予定。(数量限定/ネオングリーン・マーブル・ヴァイナル/Indie Exclusive)社会に対する不満や怒りを、DIYなパンク・サウンドとメッセージ性の強い歌詞と共に表現するスリーフォード・モッズが、アルバム『The Demise of Planet X』を〈Rough Trade Records〉よりリリース。
アンドリュー・フェーンとジェイソン・ウィリアムソンによるこれまでで最もスケールが大きく野心的な作品である本作には、俳優グウェンドリン・クリスティー(『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』『ゲーム・オブ・スローンズ』)が初となる音楽作品への参加及び出演を果たし、さらにはライフ・ウィズアウト・ビルディングスの元フロント・ウーマン、スー・トンプキンスという稀少なゲスト参加に加え、〈4AD〉に所属するオルダス・ハーディング、ソウル・シンガーのリアム・ベイリー、そしてグライムMCのスノーウィーとのコラボレーションを収録。後者2人はどちらもバンドの地元ノッティンガム出身である。
「The Good Life」は、社会的な崩壊と個人的な崩壊が入り混じった感覚を描いている。アンドリュー・フェーンよる切迫感のあるビートと魅惑的なメロディに乗せて、ウィリアムソンがマシンガンのような語り口で、音楽シーンに波紋を呼んだ自身の発言の影響を描き出している。ビッグ・スペシャルとグウェンドリン・クリスティーは、その発言によって生まれた混乱の中で揺れる、彼の内なる葛藤と苦悩の声を代弁している。「“The Good Life”は、他のバンドをけなすこと、そしてそれが自分にもたらす喜びと苦しみについて歌っている。自分自身に問いかけているんだ−−なぜ自分はバンドをけなすのか?なぜそんなことをずっと続けているのか?グウェンドリンとビッグ・スペシャルは、俺の心の声を具現化してくれていて、“良い人生(=Good Life)”を楽しむべきなのか、それとも混沌に身を委ねるのかという、内なる葛藤をめぐって議論しているんだ」とウィリアムソンは語る。
『The Demise of Planet X』は、未来を予測することが非常に困難な状態の中で生きる人生、そして集団的トラウマによって形づくられた人生を表している。前作を書いたときは、停滞−−まるで死体のように息をしていない国−−についての作品だった。あれから3年、その死体は戦争とジェノサイド、そしてコロナ禍の長引く心理的影響によって切り裂かれ、SNSはグロテスクで歪んだデジタル操作の場へと変貌した。まるで廃墟の中で生きているような感覚。それは俺たちの集団的な精神に刻み込まれた、多層的でおぞましい異形のようなものだ。世界がクソみたいな状況に落ちていく中で自分を褒めるのもどうかと思うけど、『The Demise of Planet X』には本当に満足している。ただ突きつけるだけの作品じゃなくて、ちゃんとメガネをかけて中身を覗き込むように、じっくり味わう必要があるんだ。
- ジェイソン・ウィリアムソン(Sleaford Mods)
ジェーンズ・アディクションやドライ・クリーニングも参加した最新アルバム発売決定!
社会に対する不満や怒りをDIYなパンク・サウンドとメッセージ性の強い歌詞と共に表現する労働者階級の代弁者スリーフォード・モッズが全英チャート4位に輝いた前作に続く最新アルバムを〈Rough Trade〉よりリリース!!
英コラージュ・アーティストで風刺作家のコールド・ウォー・スティーヴが手掛けたボリス・ジョンソン前英首相やロシアのプーチン大統領ら政治家からセレブまで様々な著名人が登場するMVも大きな話題を呼んでいるタイトル曲にして先行シングル「UK GRIM」を筆頭に、さらに削ぎ落とされたミニマルな音数の中で超骨太のビートが唸るキャリア史上最もダンサブルな作品となった本作。
「イングランドでは悲鳴をあげても誰にも届かない」という強烈なメッセージとともにザ・クラッシュやザ・ジャムといった先人たちと同様に、庶民の人生、生活、そして現代の厳しい現実を見つめ、切迫感のあるリリックを用いて利己主義を貫き通す支配階級に抗議を訴えている。
また今回のアルバムにはジェーンズ・アディクションのペリー・ファレルとデイヴ・ナヴァロ、そしてドライ・クリーニングのヴォーカル、フローレンス・ショウも参加。

UKの遅咲きローファイ・ヒップホップ/パンク・デュオ、Sleaford ModsがPet Shop Boys 公認のカバー曲「WEST END GIRLS」をリリース!
「Sleaford Modsは素晴らしい目的のために、イーストエンドの少年達をウエストエンドのストリートに呼び戻した。彼らのニュー・バージョンは最高だ!」- Pet Shop Boys
極限まで削ぎ落とされたミニマルで超骨太サウンドと、癖の強いイースト・ミッドランドの訛りのヴォーカルで、労働者階級のイギリス文化を赤裸々に歌い上げるSleaford Mods。そんな彼らがロンドンのシンセ・ポップ・デュオ、Pet Shop Boysによる1986年の大ヒット曲「West End Girls」の新ヴァージョンを制作し、Pet Shop BoysのNeil Tennantと Chris Loweの許可を得てカバー曲をリリース!このリリースの収益は全てホームレスのチャリティ基金「SHELTER」に寄付されるという。さらにPet Shop Boys自身もこのカバーに感化され、彼らが手がけたリミックスも限定盤シングルの1曲として収録される。また、Hifi Seanもアシッド・ハウスとHi-NRGを融合させたリミックスを提供しており、Sleaford ModsのAndrew FearnはExtnddntwrkというソロ名義でヴォコーダーを駆使したヘヴィーなミックスを収録曲に加えている。
シカゴの〈River North Recorders〉でBrian Paulsonによってプロデュースされ、1991年4月に〈Touch and Go Records〉からリリースされたSlintの2枚目にして最終作となったポスト・ハードコア/ポスト・ロックの伝説的アルバム『Spiderland』が180g重量盤仕様でアナログ・リイシュー。不気味でありながらも今では象徴的な4人のメンバーの頭が水面を割っている白黒のジャケット写真は、彼らの友人Will Oldhamが撮影したもの。ポスト・ロックと呼ばれる全く新しいジャンルを生み出した、過去30年間で最も重要で影響力のあるレコードの一角!Slintは『Spiderland』がリリースされる直前に解散し、メンバーはその後Yeah Yeah YeahsやInterpol、Tortoise、The Breedersといった名バンドでも活躍しています。
元Kyussのヴォーカリスト John Garcia が率いた短命バンド Slo Burn による、オリジナルは1997年発表の唯一のスタジオ作品『Amusing The Amazing』。Kyuss直系の重厚なリフとJohn Garciaの力強いヴォーカルが中心となって、荒涼とした砂漠の風景を思わせる広がりと乾いた質感を持つサウンドを生み出している。ゆったりしたテンポ、サイケデリックでブルージーな雰囲気に浸れるストーナーロックの隠れた名盤。

Slomoによる2005年のドゥーム・ドローンの金字塔『The Creep』が、20周年を迎えて初のアナログ・リイシュー。かつてJulian Copeのレーベル〈Fuck Off & Di〉から100枚限定でCD-Rリリースされ、瞬く間にカルト的評価を獲得したこの作品は、Holy McGrail(ギター)とHoward Marsden(シンセ)によるデュオが、たまたま録音したとされる偶発性に満ちた1曲61分の音の儀式。英国の地下霊廟ボリー・フォグーをイメージソースに、死と再生の気配をたたえた漆黒のアンビエンスを滲ませ、重低音の持続、サイケデリックな湿り気、時に野性味ある英国的な湿地帯のイメージを喚起しつつ、EnoやCOIL、Sunn O)))とも通じる深淵な音世界を展開する。スロウモーな時間感覚と地を這うような音圧は、聴く者を内なる風景へと沈め、やがて儀式的な覚醒へと導く。今回〈Ideologic Organ〉からの再発にあたり、Rashad Beckerがリマスターを手がけ、理想的なヴァイナルとして結実した。ドゥームの物理的重さとアンビエントの霊的静けさが交差する、唯一無二の音響体験。アンビエント、ドローン、ドゥーム、スピリチュアル・サイケデリアの交差点に咲いた奇跡のような一枚。
ジャズの影響を感じさせるハウス、ダブテクノ、バレアリックを展開する、カナダ・バンクーバーを拠点に活動する音楽家、空間音響エンジニアで、レーベル〈Mood Hut〉の創設メンバーであるLocal ArtistことIan WyattによるプロジェクトSlow Riffsの実質的なデビュー・アルバム『Simulacra』。Slow Riffs名義では、より内省的で抽象的なアンビエント、ニューエイジ、コズミック・サウンドを探求。空間と静寂を重視したビートレスで浮遊感のあるサウンドに、Jon HassellやBrian Enoの影響が色濃い宇宙的な広がりを感じさせるシンセや音響処理。リズムよりも音の揺らぎにフォーカスするような、ダブを通過した残響やエフェクトが印象的。哲学的テーマを内包した〈Mood Hut〉のフローティング・ハウス美学を体現する、静謐で深遠な作品。

ハイドロフェミニズムとニューロエステティクスの交差点で、エコロジーとテクノロジーの不気味な相互作用を探求しているMadelyn Byrdの変名Slowfoamによる2024年度最新アルバム『Transcorporeal Portal』が、グラスゴーの実験的レーベル〈Somewhere Press〉よりアナログ・リリース。アコースティック・サウンドとシンセティック・サウンドの相乗効果で、酔わせるEPを次々と発表してきたこの人。2000年代のグリッチやマイクロ・トーンの実験主義から突然変異的に進化を遂げたSlowfoamの歪んだアンビエンスは、官能的な触感をにじませ、デジタル処理されたオーガニックな素材が迸ります。名匠Rashad Beckerによるマスタリング仕様というお墨付き。限定300部。
スライ&ザ・ファミリー・ストーンのスライ・ストーンが1970年に興したSTONE FLOWERレーベルのシングル音源に、なんと10曲もの未発表曲を加えた驚愕のオムニバスが登場!
音楽史に燦然と輝く伝説の野外コンサート、ウッドストック・フェスティバルへの出演を経て1970年、スライ&ザ・ファミリー・ストーンは人気の絶頂にありましたが、同バンドの中心人物、スライ・ストーンの意識は別のところへ向かっていました。それは新しく立ち上げた自身のレーベル“STONE FLOWER”の存在を公表したことにより明らかになります。
所属アーティストはスライの妹であるヴァネッタ・ステュアートを中心とした3人の女性グループのリトル・シスターや、スライ&ザ・ファミリー・ストーンの「Dynamite」をカバーした6人組のロック・バンドのシックス、そして後にSTAXレーベル傘下のENTERPRISEでアルバムをリリースすることになるジョー・ヒックス。同レーベルからリリースされた作品全てをスライ・ストーンが作曲、プロデュースしており、そのドラムマシーンを使用しての実験的でローファイかつミニマムな内省的制作手法は、翌年1971年にリリースされる歴史的名盤『暴動』(原題:THERE'S A RIOT GOIN' ON)へと受け継がれることになります。
ここにはSTONE FLOWERに残された5枚のシングル音源と今回新たに発見された10曲の未発表曲を収録。さらにスライ・ストーンへの最新インタビューや、英ACEレーベルの顧問アレック・パラオ氏によるライナーノーツと資料性も非常に高い仕様となっています。あのマイルス・デイヴィスも影響を受けたと公言する、スライ・ストーンのキャリア絶頂期の圧巻のクリエイティヴィティに触れてください!
まさに前衛音楽の歴史が脱線していく世紀の瞬間を捉えた様な破格の一作。1970年代半ば、当時10代だったLe Forte FourのChip Chapman、Joe Potts、Rick Pottsといった面々によって設立された小さなコミュニティとして始まり、50年もの時を経て少しずつ発展。当初の実験音楽集団やマルチメディア出版社という枠をも超え、一つのシーンともいえる巨大な命脈へと成長を遂げてきた〈Los Angeles Free Music Society〉 (LAFMS)。その中核をなす存在であるSmegmaの1979年の歴史的1stアルバムが〈Superior Viaduct〉傘下の〈États-Unis〉より史上初となるアナログ復刻リリース。反アカデミックな即興演奏と異星人的なノイズ・サウンドによる大混乱の中で、テープからシンセサイザー、ホーンにヴォイスまでもが錯綜する恐るべき怪盤!インサート付属。ナンバリング入りの限定500部。
1970年代半ば、当時10代だったLe Forte FourのChip Chapman、Joe Potts、Rick Pottsといった面々によって設立された小さなコミュニティとして始まり、50年もの時を経て少しずつ発展。当初の実験音楽集団やマルチメディア出版社という枠をも超え、一つのシーンともいえる巨大な命脈へと成長を遂げてきた〈Los Angeles Free Music Society〉 (LAFMS)。その中核をなす存在であるUSアウトサイダー・アヴァンギャルドの伝説的存在、SMEGMAの1974年にレコーディングされたクリスマス・アルバムが50年の時を経て〈ALGA MARGHEN〉よりリリース!「ミュージシャンのいないバンド 」という考えのもと一緒に音楽を始めてまだ数ヶ月しか経っていなかった4人がサンディエゴのガレージで録音した実験的でワイルドなジャム・セッションの記録で、数回のリハーサルの後、すべてのトラックがワンテイクで録音されておりバンドの折衷的で予測不可能な性格が表れている。当時、当時カセットにダビングされたのは2、3本だけという貴重な音源が50年経った今、ようやく初めて一般に公開されることになった!200部限定。1枚1枚異なる手作りジャケット、ポストカード付
ノルウェーのインディ・シンセR&BデュオSmerzのセカンド『Big city life』が〈ESCHO〉より登場!クラブ寄りだった初期の路線を一歩引いて、より奇妙でパーソナルなR&B/DIYポップへと舵を切った意欲作。エクスペリメンタルなR&B的なハーモニー、チープなMIDI質感、ニューヨーク1980年代のアート感覚を思わせるプロダクションが特徴的で、本作ではテクスチャー重視のミニマルなポップ性に集中している。Stereolab風のダブや、“Bittersweet Symphony”を思わせるサンプリング・ポップ、“Imagine This”ではMantronixのような80sエレクトロへの目配せもあり、オタク的なリファレンスがさらりと溶け込んでいる。全体を通してSmerzらしいジャンル横断的な耳の鋭さと、肩の力が抜けた遊び心が共存した一枚。
ブート・キャンプ・クリックからの第2の刺客としてデビューしたレジェンダリーなヒップホップ・ユニット、スミフン・ウェッスンが1995年にリリースしたヒップホップ史に残る名盤であり、“Bucktown”、“Wrekonize”、“Sound Bwoy Bureill”等々の名曲を生んだ説明不要のヒップホップ・クラシックなアルバム『Dah Shinin'』が完全限定生産のカセットで復刻! オリジナルにボーナストラックを追加した全18曲を収録!
ブラック・ムーンの“Black Smif-N-Wessun”や“U Da Man”でフィーチャーされ名を知らしめた2MC=テック&スティール。勢いをそのままに、ブラック・ムーンのDJでもあるビートマイナーズのイヴィル・ディー&MR.ウォルト、さらにベイビー・ポールやリッチ・ブラックも集結した、ファーストにして90sの決定的名盤『Dah Shinin'』が完全限定生産のカセットで復刻! ロイ・エアーズからインスパイアされたアートワークの通り、引き続きジャズやファンクの浮遊感のあるサンプリングを主体としながらも、よりザラつき深化したビートマイナーズの重低音がシャープ&ロウに、スモーキー&メロウに染み渡る! デビュー・シングル“Bucktown”/“Let’s Git It On”を筆頭に、“Wrekonize”、“Sound Bwoy Bureill”などの煙たいクラシックを連発!リリース当時のオリジナルCD/カセットの全16曲に2曲のボーナス・トラックを追加した全18曲収録のファン垂涎なブツ!

アメリカ西海岸の5人組グループSMLによる実験的ジャズ作品『How You Been』が〈International Anthem〉から登場。メンバーはJosh Johnson(sax, electronics)、Anna Butterss(bass)、Jeremiah Chiu(modular synth, live sampling)、Booker Stardrum(drums, percussion)、Gregory Uhlmann(guitar, effects)という、各々が作曲家やプロデューサーとしても活躍する精鋭たちで、このアルバムは、2024年から2025年にかけて行われたライブ演奏を録音し、それを素材にしてスタジオで再構築したもの。事前の打ち合わせなしに即興で始まった演奏を、後から丁寧に編集・加工することで、ライブの生々しさとスタジオ作品としての完成度を両立させている。前作『Small Medium Large』で見られた、メンバー全員が対等にアイデアを出し合いながら、細部までこだわって音を作り上げるスタイルが、さらに洗練された形で実現している。音楽的には、ジャズを軸にしながらも、アフロビートや電子音楽、ポストロック、アンビエントなどが混ざり合っており、即興演奏の自由さとスタジオ編集の緻密さが融合した、現代ジャズの新しいかたちを提示する作品として、聴くたびに異なる側面が立ち上がるような奥行きのある一枚となっている。

アメリカ西海岸の5人組グループSMLによる実験的ジャズ作品『How You Been』が〈International Anthem〉から登場。メンバーはJosh Johnson(sax, electronics)、Anna Butterss(bass)、Jeremiah Chiu(modular synth, live sampling)、Booker Stardrum(drums, percussion)、Gregory Uhlmann(guitar, effects)という、各々が作曲家やプロデューサーとしても活躍する精鋭たちで、このアルバムは、2024年から2025年にかけて行われたライブ演奏を録音し、それを素材にしてスタジオで再構築したもの。事前の打ち合わせなしに即興で始まった演奏を、後から丁寧に編集・加工することで、ライブの生々しさとスタジオ作品としての完成度を両立させている。前作『Small Medium Large』で見られた、メンバー全員が対等にアイデアを出し合いながら、細部までこだわって音を作り上げるスタイルが、さらに洗練された形で実現している。音楽的には、ジャズを軸にしながらも、アフロビートや電子音楽、ポストロック、アンビエントなどが混ざり合っており、即興演奏の自由さとスタジオ編集の緻密さが融合した、現代ジャズの新しいかたちを提示する作品として、聴くたびに異なる側面が立ち上がるような奥行きのある一枚となっている。

