Em Records
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「架空の部族の奏でる音楽を空想する」というコンセプトの元に結成されたアルゼンチンの五重奏団、クラン・カイマン(和名:カイマン族)のサード・アルバム完成。本作ではその有機的な室内部族音楽に現代エレクトロニクス技術を持ち込み、初のヴォーカル曲も導入して跳躍。おなじみの催眠中毒度は最強に。
アルゼンチンの作曲家エミリオ・アロ率いるクラン・カイマンはアルゼンチンのグループだが、彼らの時代を超越した有機的な音楽は国籍を超えている。仲間内で何やら録音してはたまに作品を発表するその衒いのない姿に信頼感がある。彼らのサード・アルバムとなるこの『ピカパウ』(キツツキ)は、これまでで最も抽象的でミニマルな作品だが、冷たい抽象主義でもなく、厳格なミニマリズムでもない。その象徴的なアルバム名が示唆しているように、リズムとテクスチャーに焦点をあてた『ピカパウ』は、暖かく催眠的で、2023年から24年にかけて制作されたにもかかわらず、ずっと以前から存在していたかのようだ。エム・レコードからリリースした前作『カイマン族』(2018)や『アソマ』(2021)と同じく、本作はアロの自作調律打楽器であるカリンバフォン(親指ピアノを改造した創作楽器)でアンサンブルが支えられている。エスノ感が強烈に作動するカリンバフォンのパターンが、リバーブのかかったラップ・スティールとギターの波の間を縫うように流れ、ベースの下降音とシンバル抜きのパーカッションによって、音楽は時を超えた大河のように、否応なく前へと流れていく。作曲では大半を嬰ヘ短調とホ短調で統一し、都会の閉鎖的なトレンド環境から離れ、生命に囲まれた深い夜の世界に浸っているような感覚を与える。これまでのアルバムと同様、インストゥルメンタル・アルバムだが、最後の曲「Tulipán Song」 (Tulip Song)で初のヴォーカル曲を披露している。これはオープニング・トラックのヴォーカル・ヴァージョンで、アロが考案した言語で歌われている。

90s はアステロイド・デザート・ソングス、00sはスマーフ男組、近年は「悪魔の沼」で暗躍する音楽目利きで自他ともに認める頑固エレクトロ・クルー、松永耕一 aka COMPUMA(コンピュー魔)の初12インチ衝撃ドロップ。『ハクの音楽』と対等にやり合えるのはコンピューマしかいない!と勝手に妄想しアルバムの再構築を依頼。上がってきた作品、こ、これは!?! コンピューマ曰く「なんだかオリジナル作品っぽくなってしまいました……」という実験結果。しかし、その出来栄えに悶絶、かつ当初の依頼を完遂すべく、Compuma meets Haku 名義で発表することに。スネア、キック、ハット etc、打ち込みの一音一音から精進した感がありありと漂う、ただごとではない雰囲気をまとったエレクトロ楽曲。60 年代の電子音楽が80s 米OldSchool ~大西洋経由で横断し日本の深部で怪しく開花した、味わえるダンスミュージック!

ワールドミュージック・ファン、辺境系レアグルーヴDJがもっともリリースを望んでいたイサーン(タイ東北部)のルークトゥン歌手、ダオ・バンドンのベスト盤!今やダンスミュージックとして全世界のコレクターの注目を浴びるタイ音楽。野太いビートにキラーなブレイク、そして独特の声と節回しが特徴のダオ・バンドンの音楽は、一度聞いたら耳にべっとりくっ付いて中毒になる魅力を放っていた。しかし70年代のイサーンで何が歌われていたのか?何故ダオ・バンドンがヒットしたのか?その魅力は謎に包まれたままだった。今回ダオ・バンドン先生に直接取材&イサーン語とタイ語が混じった全曲を対訳し、驚愕の事実が白日の下に!レゲエ顔負けのガ○ジャ・チューンからセッ○スについて歌った曲、まるでブルースの世界の恋愛ソング……などなど、のどかなイサーンの笑えて泣ける原風景が解き明かされる。
80年代にはハニー・シーイサーン、チンタラー・プンラープなどワールドミュージックでお馴染みの歌手をプロデュースしていたダオ先生。今も絶大な人気を誇るルークトゥンというジャンルの現在に至るまでのルーツが詰まったアルバムです。これを聴かずしてタイ歌謡はありえない!
なお、本作では全歌詞をタイ日英の三か国語で掲載。解説は日本語・英語掲載し、タイの固有名詞の注釈も完備!今後のワールド系リリースの指標になるであろう気合い仕様!


ワールドミュージック・ファン、辺境系レアグルーヴDJがもっともリリースを望んでいたイサーン(タイ東北部)のルークトゥン歌手、ダオ・バンドンのベスト盤!今やダンスミュージックとして全世界のコレクターの注目を浴びるタイ音楽。野太いビートにキラーなブレイク、そして独特の声と節回しが特徴のダオ・バンドンの音楽は、一度聞いたら耳にべっとりくっ付いて中毒になる魅力を放っていた。しかし70年代のイサーンで何が歌われていたのか?何故ダオ・バンドンがヒットしたのか?その魅力は謎に包まれたままだった。今回ダオ・バンドン先生に直接取材&イサーン語とタイ語が混じった全曲を対訳し、驚愕の事実が白日の下に!レゲエ顔負けのガ○ジャ・チューンからセッ○スについて歌った曲、まるでブルースの世界の恋愛ソング……などなど、のどかなイサーンの笑えて泣ける原風景が解き明かされる。
80年代にはハニー・シーイサーン、チンタラー・プンラープなどワールドミュージックでお馴染みの歌手をプロデュースしていたダオ先生。今も絶大な人気を誇るルークトゥンというジャンルの現在に至るまでのルーツが詰まったアルバムです。これを聴かずしてタイ歌謡はありえない!
なお、本作では全歌詞をタイ日英の三か国語で掲載。解説は日本語・英語掲載し、タイの固有名詞の注釈も完備!今後のワールド系リリースの指標になるであろう気合い仕様!


ポスト・ケージ世代のアメリカの作曲家/サウンドアーティストのデヴィッド・ダンは、音響生態学・生物音響学の第一人者で、ICCでの展覧会「サイレント・ダイアローグ」(2007)でもレクチャーを行ったその筋の最先端。そんなダンのCDデビュー作『天使と昆虫』(1992)は、超自然的な天界の天使の名前と、自然界の水中に棲む昆虫という、二つの極端な世界とのコミュニケーションに焦点を当てた驚くべき包括的なアルバムである。同時に、彼が取り組んでいる音を媒介にした自然環境・社会環境と生命体の相互作用、そのポスト・サウンドスケープの方向性もしっかり提示されている。(これを「環境音楽」と勘違いすれば100% クレーム返品!)
収録作のひとつ「49の善き天使の表」は、ルネサンス期の数学者・占星術師ジョン・ディーと霊媒エドワード・ケリーの神秘的な調査に基づく、コンピュータ処理された声のための作品。400 年前、天使の言葉というふれこみでディー博士が発明した「エノク語」をテキストにし、天使(=エイリアン)の声の音響化を試みたオカルティックな実験作で、まるで魔方陣の上で空間が裂け、声が漏れてくるかのような怪しさとカッコ良さは悶絶必至!
もう一方の「混沌と池の創発的な精神」は、水辺に棲む昆虫が発する、人間が耳にすることのできないマイクロ音をデジタルフィールド録音し、人間界での可聴音に調整して提示されたオーディオコラージュ作品。ここでも音を媒介にした異界と人間の接近遭遇が図られるが、昆虫(=エイリアン)がコミュニケーションする音は「人間が作り出したほとんどの音楽よりも複雑な順序で構成されているかのような」(解説より)凄まじいもので、それを前に人間のなす術はない。ダンの転機となる重要作でもある。
=作品仕様=
+ CD(通常ジュエルケース)
+ 24頁ブックレット(英語・日本語訳)、帯付き
+ 解説;デヴィッド・ダン
TRACKS:
「49の善き天使の表」(1991)
1. Segment 1 (4:06)
2. Segment 2 (4:05)
3. Segment 3 (4:05)
4. Segment 4 (4:00)
5. Segment 5 (4:00)
6. Segment 6 (4:05)
7. Segment 7 (4:07)
8. 「混沌と池の創発的な精神」(1991)[24:31]

CD店の棚の一角を占めるほど並ぶケージのディスク群に、このような作品は見あたらない。国内外を問わず、これら劇薬作品は作曲当時以外にはほとんどリ リースされていないからで、ケージの容赦ないハードコアな側面を知ろうとしてもムリなのだ。結果、「ジョン・ケージ?プリペアド・ピアノとか音のない音楽 とかで有名な人ね。」耳にやさしい初期のピアノ曲や晩年の散文空虚作品しか聴いたことがない”現代音楽ファン”、そして音を聴きもしないで哲学的言葉遊び でケージを論じる評論家どもは、この「本当の衝撃」に正座して耳を傾け、平伏せよ!
-JOHN CAGE SHOCK Vol. 1-
1. 武満徹 - Corona for Pianists コロナ (9:34)
Performer: David Tudor (pf) + 高橋悠治 (pf)
2. Christian Wolff - Duo For Pianist & Violinist (12:09)
Performer: David Tudor (pf) + 小林健次 (vn)
3. John Cage - Variations II (19:16)
Performer: David Tudor (pf) + John Cage (pf)
自由に組み合わせることができる図形楽譜(杉浦康平デザイン)を使った、武満作品の中でも特異ともいえる不確定性の強い作品「Corona」の、この2 人による演奏も貴重で素晴らしいが、なんといっても「Variations II」での、ピアノの内部奏法や電気的ノイズと聴きまごうほどのバリバリいう破壊的騒音は、彼らの音楽思想が当時のシーンに与えた衝撃そのもの!他にクリ スチャン・ウルフの「Duo for Pianist & Violinist」を収録。
・全曲未発表/世界初登場
・貴重・初出写真多数掲載
・日本語・英語解説ライナー封入(一柳慧氏による巻頭辞収録)
・2 面見開き紙製ジャケット・帯付属

YPYと国内ツアーし、The Durian BrothersやInstitut Für Feinmotorikのメンバーというよりも、今やソロ名義Don't DJとして異質な才能を爆発させるFlorian Meyer。彼曰く今作は「自分の中では割と聞きやすい部類になった」という。サン・ラーの名盤『Space Is the Place』(1973)にちなんだと思われる題名が示す、超空間世界をテーマにした両A面のミニ・アルバムで、あの『Authentic Exoticism』(2016)の進化版といえそうな作品。タイトルは伊達でなく、サン・ラの世界をデジタルで憑依表現したようなA面、うってかわってAA面はエチオピアかインドネシアのような音階が耳をとらえ、こちらも不可思議で妖しい異空間世界を表現したエスニック・エキゾ・テクノ音。相変わらず実験性の高い試みだが、ポップな仕上がりなっている点は彼の才能だ。A-2はデレック・ピョートルとの共作でマニアは要注目!

YPYと国内ツアーし、The Durian BrothersやInstitut Für Feinmotorikのメンバーというよりも、今やソロ名義Don't DJとして異質な才能を爆発させるFlorian Meyer。彼曰く今作は「自分の中では割と聞きやすい部類になった」という。サン・ラーの名盤『Space Is the Place』(1973)にちなんだと思われる題名が示す、超空間世界をテーマにした両A面のミニ・アルバムで、あの『Authentic Exoticism』(2016)の進化版といえそうな作品。タイトルは伊達でなく、サン・ラの世界をデジタルで憑依表現したようなA面、うってかわってAA面はエチオピアかインドネシアのような音階が耳をとらえ、こちらも不可思議で妖しい異空間世界を表現したエスニック・エキゾ・テクノ音。相変わらず実験性の高い試みだが、ポップな仕上がりなっている点は彼の才能だ。A-2はデレック・ピョートルとの共作でマニアは要注目!

スピリチュアルでディープでアフロでアンビエントな霊性オーガニック・グルーヴの数々で、コレは必聴作品!!
スピリチュアル・アフロ・NEW WAVE・アンビエント・ダンスミュージック!アフリカ音楽から現代音楽、そしてNEW WAVEやフィールド・レコーディングの自然音、更にはジャズや母国スペインのフォークロアなテイストまで盛り込まれた奇跡的な音源の数々。数多くの音楽ジャンルから影響を受けた様ですが、その中からアンビエントやスピリチュアルなエキスを美しく繋げた様な音楽で、シンセサイザーを導入したトラックでは、あのIASOSにも通じるニューエイジ具合!鋭い音楽へ審美眼が無ければ、あり得なかった素晴らしい内容。

スピリチュアルでディープでアフロでアンビエントな霊性オーガニック・グルーヴの数々で、コレは必聴作品!!
スピリチュアル・アフロ・NEW WAVE・アンビエント・ダンスミュージック!アフリカ音楽から現代音楽、そしてNEW WAVEやフィールド・レコーディングの自然音、更にはジャズや母国スペインのフォークロアなテイストまで盛り込まれた奇跡的な音源の数々。数多くの音楽ジャンルから影響を受けた様ですが、その中からアンビエントやスピリチュアルなエキスを美しく繋げた様な音楽で、シンセサイザーを導入したトラックでは、あのIASOSにも通じるニューエイジ具合!鋭い音楽へ審美眼が無ければ、あり得なかった素晴らしい内容。16Pブックレット封入。スペイン語/英語/日本語の解説掲載。

※「アフリカエ」はラテン語をもとにしたヨーロッパでの「アフリカ」の古称で、「フィニス」を付けると最果ての地、未知の場所といったニュアンスが生まれる。
+ 日本語・英語掲載
+ CD 版:紙ジャケット、ライナー封入
+ LP 版:ライナー封入

※「アフリカエ」はラテン語をもとにしたヨーロッパでの「アフリカ」の古称で、「フィニス」を付けると最果ての地、未知の場所といったニュアンスが生まれる。
+ 日本語・英語掲載
+ CD 版:紙ジャケット、ライナー封入
+ LP 版:ライナー封入

フィニス・アフリカエの第二弾は、いよいよアノ曲の登場! 80 年代からプレイされ続けれるバレアリック・ クラシック「エル・セクレト・デ・ラス・ドス(深夜0 時の秘密)」 をタイトルにした6 曲入りミニ・アルバム! 前作『ア・ラスト・ ディスカバリー』とも内容重複なし!!
「エル・セクレト」は1984 年に発表されたフィニス・アフリカエの1st アルバム収録曲で、バレアリス諸島のイビザにあるカフェ「カフェ・デル・マー(海のカフェ)」のDJ、ホセ・パディラがこの曲に惚れ込みいち早く“チルアウト” チューンとして定義。彼が当時から手売りしていたミックス・テープに収録され、ずっと聞き継がれてきたチルアウト定番曲であり、アンビエント・テクノ/ハウス時代をのり越えて現在はオーガニック・グルーヴ古典として定着。
DJ の世界では「エル・セクレト」だけ認知されているようだが、フィニス・アフリカエはNEW WAVE 以降に色んな音を実験的な感覚で独自にクロスオーヴァーさせてきたユニットであり(リーダーのホワン・アルベルトは楽器オタクでも有名)、「エル・セクレト」同様のインパクトをもつ楽曲は多く、その本質を愛するファンもしっかりいる。本アルバムではフィニス・アフリカエの「アンビエント」度に深く切り込み、「エル・セクレト」に比肩しえる作品を1st/2nd/3rd アルバムよりコンパイル。ダンス・ミュージックは一切無い、ディープ・リスニングのみに対応するフィニス・アフリカエ最深部、濃密32 分!(環境音楽として鳴らすのもアリ)
+ 48khz/24bit 最新リマスター。CD とLP 版は別マスタ
リング。
+ LP 版:片面穴あきスリーブに封入。
+ CD 版:マキシケース封入。

フロム・スクラッチは、極左音楽家コーネリアス・カーデューに学んだフィル・ダドソンが、スクラッチ・オーケストラのニュージーランド支部として70年代に組織した演奏集団が発展したものだ。彼らは戦闘的な風貌のカスタム楽器で世界的に知られ、坂本龍一も一目おいた打楽器ユニットとなり、2度の来日も果たした。
彼らの真骨頂といえる作品がこの難曲『ガン・ホー1,2,3D』で、演奏者が個別に異なる拍子を叩くホケティングを特徴とし、正確な反復リズムでの究極のポリリズムは圧巻。文字面では機械的で無機質な響きだが、塩化ビニル製チューブから発生する倍音まみれの俗物的な音と人力演奏による僅かな誤差が有機成分となって不思議な恍惚感を生む。
今作では『ガン・ホー1,2,3D』で最も複雑な8,9,10拍子と9,10,11拍子で演奏された1981年のオリジナル録音を筆頭に、国内外の現行3アーティスト:YPY 日野浩志郎率いるゴート(M2)/独の奇才Don't DJ(M3)/鬼の右腕を経て現在D.A.N、トクマル・シューゴ等で活躍する小林うてな(M4)が解釈に挑んだカヴァーの計4作品を収録。全て楽譜を元に演奏しているが4者の解釈はまるで異なり、相当に高度な演奏にもかかわらず反復リズムゆえポップな様相を呈している。

フロム・スクラッチは、極左音楽家コーネリアス・カーデューに学んだフィル・ダドソンが、スクラッチ・オーケストラのニュージーランド支部として70年代に組織した演奏集団が発展したものだ。彼らは戦闘的な風貌のカスタム楽器で世界的に知られ、坂本龍一も一目おいた打楽器ユニットとなり、2度の来日も果たした。
彼らの真骨頂といえる作品がこの難曲『ガン・ホー1,2,3D』で、演奏者が個別に異なる拍子を叩くホケティングを特徴とし、正確な反復リズムでの究極のポリリズムは圧巻。文字面では機械的で無機質な響きだが、塩化ビニル製チューブから発生する倍音まみれの俗物的な音と人力演奏による僅かな誤差が有機成分となって不思議な恍惚感を生む。
今作では『ガン・ホー1,2,3D』で最も複雑な8,9,10拍子と9,10,11拍子で演奏された1981年のオリジナル録音を筆頭に、国内外の現行3アーティスト:YPY 日野浩志郎率いるゴート(M2)/独の奇才Don't DJ(M3)/鬼の右腕を経て現在D.A.N、トクマル・シューゴ等で活躍する小林うてな(M4)が解釈に挑んだカヴァーの計4作品を収録。全て楽譜を元に演奏しているが4者の解釈はまるで異なり、相当に高度な演奏にもかかわらず反復リズムゆえポップな様相を呈している。
+ CD 版:日本語・英語解説/通常ジュエルケース/ブックレット封入

『エア・フロム・エア』は、人間の声の詩、言葉によって伝えられる精神、心、魂といった精妙なものを、現代の電子音楽技術の魔術的な仲介によって変化させ、強化し、抱擁する。この特異なパートナーシップは、ドーヴが呼吸するように発する言葉が、音節ごとに、またはフレーズごとに、修正され、拡大され、揺り動かされ、祝福されるオーディオ詩のコレクションである。ジョージアはドーヴの声を思慮深く強調し、電子回路のエーテルを通して呼吸と空気を変化させ、意味を解体しながらも、逆説的に言葉と音楽の両方の新しい意味を明らかにする。日本語を理解するリスナーは、これらの雰囲気の中に意味の雲や星座を見出すだろうし、ドーヴの母国語を理解しないとしても同じ雰囲気の中に純粋な音節音響の喜びを見出すだろう。現代音楽のパイオニアたちが電子音楽やサウンドアートにおける人間の声の可能性を追求した試みの、まったく新しい延長線上にある作品と受け止める者もいるだろうが、『エア・フロム・エア』はむしろ現代のベース・ミュージックやその他の分野にまで拡張された、まだ名付けがたい音楽の未踏の領域への進出となるかもしれない。LP版はDLカード付き、ディスクはBioVinyl使用。
装丁:近藤さくら
本LPは、CO2排出量ゼロ/100%循環リサイクルできる画期的な新素材<BioVinyl™>を使ったリリースになります。新素材で製造コストが少し高くなり価格に反映することになってしまいますが、どうか恒久使用を目指してご理解・ご支援お願いいたします。
=作品仕様=
+ BioVinyl™ 使用
+ DLカード付き
+ シュリンク封入+ステッカー
TRACKS:
Side A
1) 07.09.1521 - Heat of the Cheek
2) 10.10.2002 - Your Feet
3) 30.07.1845 - This is Bee Wine
4) 13.02.2078 - I’m Looking Down at Me Sinking
Side B
1) 26.01.1981 - Floats
2) 01.08.1940 - One Stories
3) 25.12.1892 - Stormy Vacation
4) Goodbye


西川文章の録音&ミキシング、Rashad Beckerのマスタリング&カッティング、五木田智央の装丁という布陣でおくるミラクル物体。
日野浩志郎(YPY)が率いるインストゥルメンタル・グループ、ゴート(goat)初のヴァイナルLPアルバムは、1st『New Games』と2nd『Rhythm & Sound』のベスト・パフォーマンスを再編成したLP版独自の選曲。ベルリンのDubplates & Mastering(Rashad Beckerがゴートのファン)でマスタリングして研ぎ澄まされたサウンドは再生音量が大きければ大きいほど本領を発揮する。
ゴートは楽器を発音させる際に生じるノイズ、ミュート音、パルス音から楽曲を制作し、全員が「人間ドラムマシーン」となった神経症手前テンションの身を削った演奏で世界中のオーディエンスを釘づけにする。一点集中で演奏に没頭する姿は、複数要素をかき集め広範なアピールを行う足し算手法が常態になっている現代ポップ音楽とは真逆。本作はゴートの名刺代わりとなる決定版だ。


今のアート文脈から無きものとして抹消されるなら我々で存在証明してやるという意気込みだけで展開した企画ながら、世界的にも話が通じることが確認できたヘンリー川原再訪運動 (複数の記事になって取材も受けました)。そんな中、鋭意準備中の続編 『電脳的反抗と絶頂2: その他のヘンリー川原』 (仮題)の景気づけに投与するのが今回のシングルです。※コンピには未収の限定ワンオフ・リリースです。
この「Minami-kaze α Wave(南風 α ウェイヴ)」 は、川原が手がけた希少な日本語ヴォーカル曲であり、1993年にHMD (H Music De-Perception) という名で発表された「南風#3」の未発表ヴァージョンだ (マニアですいません)。 同曲は『電脳的反抗と絶頂』 にも収録したサイバーエキゾ・トラック「南風」をヴォーカル曲用に改編したもので、記録によれば宝達奈巳が歌い、既出版とMIXが微細に異なる未発表ヴァージョン。90年代末のTKファミリーを彷彿とさせるユニット名で、80年代に細野晴臣がプロデュースしたアイドル曲群に真っ向から挑んだような<ポップスもできた川原>を確認できる希少例だ。
=作品仕様=
+ 半透明GREEN VINYL
+ 片面1曲のみ収録
+ 特殊アルミ蒸着紙を使ったペラジャケ付き。見本図版の色目は実物と異なります。ギラギラになります。


小柄で童顔、可憐なパーソナリティーで愛されたホントーンは、モーラム(*1)とルークトゥン(*2)という2大ジャンルの真ん中に立って活躍し、80年代以降の次世代歌手の手本になった一方、人気全盛時に突如引退したミステリアスな歌姫である。
彼女の音楽は大物プロデューサー、ドイ・インタノンの初期の名仕事としてファンに知られ、このコンビで挑戦的な作品を発表。このアルバムではモーラム/ルークトゥンを股にかけた彼女の本当(ほんとーん 汗)に幅広いレパートリーを、信頼のSoi48の選曲で抽出し、その魅力を分かりやすく伝える。
モーラムにディスコを取り入れた奇天烈な大ヒット「Bump Lam Phloen」、彼女の代表曲「Hongthong Khanong Lam」等のアッパー・チューンから、ルークトゥン・ディスコ、幻の自主制作シングル(内容最高)、更にあの「りんご追分」の美しいカバーも収録。別の目玉はホントーンの直接取材を元にしたSoi48の解説で、知られざるストーリーが明かされる。何をしてホントーンがタイ音楽界のニューウェーヴだったのかこれで是非体験あれ!


これはいったい何なんだ!?! ヘンリー川原、スリン・パークシリ、サイケアウツと並ぶエム重要アーカイブ・リリース。90年代から00年代初頭にかけ、竹村延和のChildisc等から作品を発表した大阪出身のクリエイター、Hyuの迷宮に秘められた驚異の作品群を解読するコンピレーション。
ヒウは「エレクトロニカ」という曖昧な言葉で括られてきた世紀末世代の音楽家の一員で、その実体はほとんど謎のままだった。しかし、彼の作品は多くの点で際立っており、微分音や倍音列のユニークな探求、音楽テクノロジーを人間化する能力、軽快さと遊び心とコンセプチュアルな厳密さを併せもつ独特の創作物は、時間の風雪をものともしない。
本コレクション 『Inaudible Works 1994-2008』 は未発表曲と過去にリリースされた諸作の再編集版で構成され、新作とアーカイブの中間のような存在となっている。楽曲は多岐にわたり、多調+微分音ドラムンベースもどき、人声合成技術の疑似ロボ・ポップ、ヴォイスと発電機のドローン重奏、破砕し分裂した倍音列ファンク、感覚過多のスイングするサンプルの集合体、サイン波を単子とする構想、文学にインスパイアされた無調ピアノ曲、自己言及性の極に生まれたJポップ……と目も眩むユニークな作品がひしめく。すべてが特徴的で知的、その多くに先見の明があり、ジャンルの拘束から超越している。こうしたHyuの音楽は魅力的で楽しいが、それは音楽を創造するだけでなく、音楽を創造する方法も創造したいという欲求に突き動かされている。この願望と探求心は本作のすべてに、そして彼の音楽全体の素晴らしさの中にはっきりと聴き取ることができる。
2LP版にははっぴいえんど「風をあつめて」のカヴァーをボーナス収録。本人による楽しく啓発的な解説も必読。装丁は虚木へずが担当。
=作品仕様=
+ 12インチLP2枚組、見開きジャケット、DLクーポン封入
+ 2LP版のみボーナストラック収録
+ Hyu本人による楽曲解説を日本語・英語で掲載


これはいったい何なんだ!?! ヘンリー川原、スリン・パークシリ、サイケアウツと並ぶエム重要アーカイブ・リリース。90年代から00年代初頭にかけ、竹村延和のChildisc等から作品を発表した大阪出身のクリエイター、Hyuの迷宮に秘められた驚異の作品群を解読するコンピレーション。
ヒウは「エレクトロニカ」という曖昧な言葉で括られてきた世紀末世代の音楽家の一員で、その実体はほとんど謎のままだった。しかし、彼の作品は多くの点で際立っており、微分音や倍音列のユニークな探求、音楽テクノロジーを人間化する能力、軽快さと遊び心とコンセプチュアルな厳密さを併せもつ独特の創作物は、時間の風雪をものともしない。
本コレクション 『Inaudible Works 1994-2008』 は未発表曲と過去にリリースされた諸作の再編集版で構成され、新作とアーカイブの中間のような存在となっている。楽曲は多岐にわたり、多調+微分音ドラムンベースもどき、人声合成技術の疑似ロボ・ポップ、ヴォイスと発電機のドローン重奏、破砕し分裂した倍音列ファンク、感覚過多のスイングするサンプルの集合体、サイン波を単子とする構想、文学にインスパイアされた無調ピアノ曲、自己言及性の極に生まれたJポップ……と目も眩むユニークな作品がひしめく。すべてが特徴的で知的、その多くに先見の明があり、ジャンルの拘束から超越している。こうしたHyuの音楽は魅力的で楽しいが、それは音楽を創造するだけでなく、音楽を創造する方法も創造したいという欲求に突き動かされている。この願望と探求心は本作のすべてに、そして彼の音楽全体の素晴らしさの中にはっきりと聴き取ることができる。


ジー・ジー・バン ドは2013年に釜山にて、マサチューセッツ出身の画家、マット・ジョーンズと釜山生まれのジー・ユン・リムによって結成されたバンドで、メンバーを固定 しない流動的な編成をもつ。初のフィジカル版アルバムとなるこの『グラス・フィッシュ』の収録曲は、iPhone、ベッドルーム、スタジオと環境も場所も バラバラで制作され、録音に顔を出す面子はセバドーのボブ・フェイやYod Tapesのジョン・モロニー等のマサチューセッツ人脈。「マサチューセッツといえば、われらがKレコーズの所在地であるオリンピアと並ぶ、インディー/ ロウファイの聖地」(解説より)。彼らに宿るDIYインディー魂が北米圏を飛び出し、東アジア文化を飲み込んで一層くだらなくパワーアップし、最新鋭のゆ るふわ脱力感を供給する。