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2025年リプレス!Vanishing Twinのドラマー、Valentina Magalettiと、ロンドンのエクペリメンタル・デュオ RaimeのTom Halstead、Joe Andrewsによる現行UK最先端トリオ、Moinの3rdアルバム『You Never End』がロンドンの現行レフトフィールド/エクスペリメンタル・シーンにおける最大級の名所〈AD 93〉より登場!本作ではOlan Monkや James K、Coby Sey、Sophia Al-MariaなどAD 93にゆかりのあるアーティストがヴォーカルで参加しており、James Kの幽玄でリヴァーブの効いたヴォーカル、Coby Seyのロンドンのコンクリート・ストリートに響き渡るような言葉など、各人の多様な感性がアルバム全体に散りばめられている。伝統的なバンドスタイルを再構築するというアプローチは今作でも継続されており、グランジ、シューゲイザー、インディー・ロックを奇妙に心地よいメランコリーで捉え直し、直接的で生々しいサウンドが追求されている。結果として生まれてくる慣れ親しんだ安心できるものと、どこか奇異で不安を煽るようなものとの境界線を歩むような独特な感覚が癖になる一枚。
Prince Far I & The Arabsによる、オリジナルは1978年リリースのダブの歴史における重要作品。レコーディングはジャマイカで行われたルーツ・ラディックスを中心とする演奏に、UKでのオーバーダブが施されており、ミキシングにはAdrian Sherwood、Dennis Bovell、Mark LusardiらUKダブの最重要人物が関わっている。Prince Far IらしさとUKのセンスが融合した、すっきりとしつつも深遠なダブ・アルバム。
1980年代初頭のUKインディー・シーンから登場した、最も独創的で影響力のある伝説的ポストパンク・バンドGirls At Our Best! 1981年作『Pleasure』が〈Radiation Reissues〉よりヴァイナル再発!本作は当時の暗くて硬質なポストパンクとは異なり、明るく突き抜けた異彩を放つサウンドで、タイトルとは裏腹に、アルバム全体に漂うのはポップさと毒気の絶妙なバランス。ジョン・ピールにも支持され、彼のラジオ番組にも出演している。シンセもなく、エフェクトも最小限。それでも鮮烈に耳に残るのは、楽曲の構造と演奏のセンス、そして何より軽やかでときに皮肉を帯びたボーカルJudy Evans の存在感の強さ。『Pleasure』は、DIY精神とポップな感性の理想的な結晶のひとつであり、今聴いてもまったく古びていないどころか、ジャンルが溶けた今の耳にこそ鮮やかに響く一枚。
UKのプロデューサーMOBBSとフランス系エジプト人アーティスト/呪術師Susu Larocheがタッグを組み、神秘的で儀式めいた雰囲気を持つニューアルバム『ZERO』を大名門〈Modern Love〉よりリリース!本作は、DJ ScrewやMy Bloody Valentineの影響を受けた、トリップホップとシューゲイザーの融合であり、CurveやCocteau Twins、Leila、Nearly Godといったアーティストの影も感じられる。MOBBSの多様な経験と、Larocheの退廃的でアンダーグラウンドな表現によって二人の音楽は、呪術的な詠唱と歪んだダブのビートが交錯し、かすかな明かりに照らているような幻想的な雰囲気を呼び起こす。彼らのサウンドは初期のMy Bloody Valentineのようなざらついた美しさを持ちながらも、ヒップホップ、ドローン、ノイズといった要素を取り入れ、過去の音楽の単なる再現ではなく、冷徹な視点を持った現代的な解釈を加えている。

ロンドンを拠点に活動するLukidことLuke Blairによる断片的なメロディとくすんだ音の質感を組み合わせた、静かで抽象的なエレクトロニック・アルバム『Underloop』が〈Death Is Not The End〉から登場。本作はループを軸にした音響構築が特徴的で、最初はラフで不定形に聴こえる音が、ループを重ねるにつれ、徐々に緻密で感情的な構造をあらわにしていく。まるでDJセットの合間に流れるような、ざらついた短編スケッチのような曲が並び、曖昧さと明瞭さの境界を行き来するような聴き心地となっており、本作では抽象と感情のバランスを探るような作風で知られるLuke Blairの、シンプルさの中に捉えがたい感覚を織り込む手腕が際立っている。その音像は、都市の夜の残響や、記憶の断片が浮かんでは消えるような感覚を呼び起こし、聴く者を静かな没入へと誘う。ノスタルジーや感情の揺らぎを、過剰な装飾を排した音の断片で描き出す美学が静かに、しかし力強く響く一本。
UKダブの名門〈Ariwa Sounds〉のアーカイヴから発掘された未発表音源集12インチが登場。制作時期は明確ではないものの、80年代末から90年代にかけてのAriwaスタジオ黄金期の雰囲気を色濃く残しており、A面には、Mad Professor のプロデュースによる Aisha「Give a Little Love」 のヴァージョンを収録。オリジナルのヴォーカルをUKダブらしいディープな処理で再構築し、厚みのあるベースラインと残響処理が際立つ仕上がりになっている。B面の 「African Message Dub (Parts 1 & 2)」 は完全未発表音源で、参加メンバーも豪華。ベースに Jah Shaka、ドラムに Twinkle Brothers の Norman Grant、そして Sgt Pepper と Mad Professor が Ariwa のデスクでミックスを担当。UK ダブ・シーンを象徴する面々による、力強くもスピリチュアルなセッション記録。
オリジナルは1996年リリースの、UKダブを代表するMad Professorと、サウンドシステム界の伝説的存在 Jah Shakaによるコラボレーション・アルバム『New Decade of Dub』。Mad Professor の精緻なスタジオワークと、Jah Shaka のスピリチュアルなサウンド哲学が交わることで、アルバムは抑制の効いた深さとサイケデリックな音響処理が両立したサウンドになっており、フェイザーやエコー、ディレイといったエフェクトは濫用されることなく、むしろ楽曲全体を包み込むように機能し、穏やかだが強靭なグルーヴ生み出している。ルーツ・レゲエに根ざしつつも、当時のUKクラブ・シーンやサウンドシステム文化と強く結びついた未来志向のダブの姿を提示しているのも特徴的で、タイトルの「New Decade」の通り、70年代後半から80年代にかけて形成されたUKルーツ/ダブの流れを受け継ぎつつ、90年代以降のサウンドに新たな指針を示す一枚。
オブスキュアUKダブの秘宝、Black Jade。70年代ロンドンのアンダーグラウンドで強いカルト的支持を集めた先鋭的ダブ・ユニットによる、セカンド『Rockers』。デビュー作『Contempo』では宗教的ダブとも呼ばれるほど、深く沈み込むようなスローでミニマルかつスピリチュアルな音世界を展開していたが、本作ではよりルーツ寄りのサウンドへと舵を切っている。それでもBlack Jadeらしい独自性は残していて、アンダーグラウンドなざらつきと実験精神に満ちており、ジャマイカ的な明るさよりは、ロンドンらしい重く乾いた空気感が漂う。後期70年代にプライヴェート・プレスとしてごく少数のみ流通していた幻のアルバムが、ついに待望のリイシュー。今なお鮮烈に響く、時代を先取りしたような一枚!

マンチェスター地下シーンのキープレイヤー、Henzoがついに完成させた初のフルアルバム『The Poems We Write For Ourselves』が〈Sneaker Social Club〉から登場。ダンスフロアのラフな衝動と精密なサウンドデザインがせめぎ合っており、ダンスホールやデンボウ、UKガラージ、潰れたエレクトロ、ハーフステップ・ベースといった要素が入り混じり、湿気を帯びたネオン色のリズムに彩られたマンチェスター夜のエネルギーをそのまま詰め込んだ決定版的作品となっている。「Worm Grunting」では北アイルランドのMC・Embyが参加し、スモーキーなフロウを披露。そのほか、繊細なミニマリズムからヘビーな2ステップ、壊れたゲットーテック、エレクトロ・ダブまで、緻密に計算されたリズムと質感が交差していく。タフで無駄のないサウンドプロダクションと、ずらしたリズム・パターンのセンスは、Two Shell、Facta & K-Lone、Hesaitix、Paperclip Minimiserらとも共鳴しつつ、あくまで彼独自のもの。クラブミュージックの文脈にいながら、リスニング的な繊細さもあり、独自の実験精神でその枠を押し広げるような一枚になっている。Henzoがこれまでの道のりで磨き上げた、緻密かつ野心的なベース・ミュージック。静かな時間の積み重ねが花開いたような趣きがある。
Vanishing Twinのドラマー、Valentina Magalettiと、ロンドンのエクペリメンタル・デュオ RaimeのTom Halstead、Joe Andrewsによる現行UK最先端トリオ、Moinの新作EP『Belly Up』が前作に引き続き〈AD93〉より登場!本作は前作『You Never End』の延長というよりは、同じ材料で新たに調理した別の料理といった趣きで、ポスト・パンクやハードコアを基盤に、今回はよりジャズ的アプローチで展開され、Valentina Magalettiの生ドラムを中心に、サックス奏者Ben Vinceの抽象的なフレーズや、詩人Sophia Al-Mariaの語りが絡み合う。構成は自由で断片的ながら、非常に緻密。『See』ではマーチングバンド風のリズムにAl-Mariaのユーモラスな語りが重なり、都会的でタイトなトラックが展開。『I'm Really Flagging』ではドラムとサックスが即興的にぶつかり合い、Magalettiのリズムが導く複雑な構成が印象的。『X.U.Y.』では前作にあったNo Wave的ファンクを再構築し、最終曲『I Don’t Know Where To Look』ではレイヴやブレイクビーツの残り香を感じさせつつ、あくまで現代的に再解釈。多様な音楽的背景を感じさせる、ジャンル横断的で鋭い一枚!
UKソウル〜R&Bシーンに鮮烈な足跡を残しつつも、2011年に27歳という若さで惜しくもこの世を去った天才シンガー、エイミー・ワインハウス。アレサ・フランクリンを彷彿とさせる歌声とその常に破滅と隣り合わせだったとも言える生き方と共に、彼女の音楽的遺産は、死後も色褪せることなく世界中で聴き継がれているが、本作は、そんな彼女の代表曲を中心に、全16曲をダブ・ミックスでまとめ上げたコンピレーション・アルバム。生前から圧倒的な存在感を放ってきた楽曲群が、再解釈されて蘇る。「Love Is A Losing Game」「Rehab」「You Know I'm No Good」などの代表曲をはじめ、数々のナンバーが持つソウルフルでメランコリックなムードと、ダブが生み出す浮遊感が絶妙に溶け合い、エイミーのヴォーカルがより一層エモーショナルに響いてくる。NOサブスク、ヴァイナル・オンリー、限定プレスです、お見逃しなく!

ロンドンの地下テクノ聖地、異端クラブレーベル〈The Trilogy Tapes〉から、〈UNKNOWN TO THE UNKNOWN〉〈DON'T BE AFRAID〉からのリリースでもその名が知られるロンドンのトラックメイカーBrassfootが、2022年のアルバム以来となる新作EP『Search History』を発表。トリッピーな電子音と強烈なステッパーズ・グルーヴを詰め込んだ全5曲を収録。2015年のデビュー以来、Brassfootはサウンドシステム・ミュージックを独自のサイケデリックな視点で解体し続けてきた。今作では、デチューン・シンセが漂う「Double Speak」や、湿ったステッパー「Kinda Vicarious」、煌めくアルペジオが舞う「Cat Riddles & Gunnels Juice」、ブレイクコア的なカオスを放つ「Earthtopia」、ダークな締めくくりの「A Nation, No Flag」など、多彩なトラックが展開される。独自のスタイルでクラブミュージックを再構築するBrassfootの最新形がここに。
Joy Divisionの代表曲であり、ロックにおける永遠の名曲「Love Will Tear Us Apart」。本作は、Ian Curtisの悲劇的な死からわずか1ヶ月後にリリースされ、単なるバンドの成功作に留まらず、Joy Divisionを伝説になる象徴的な楽曲となった。今回のスペシャル・エディションLPには、この楽曲の重要な3バージョンが収録されている。オリジナル・シングル・バージョンに加え、John Mellencamp作品で知られるDon Gehmanによる「ラジオ・バージョン」と、Afrika Bambaataaのヒット作も手がけたArthur Bakerによるリミックスが収められている。さらに、オリジナル・シングルのカップリング曲だった「These Days」、1979年発表のデビュー・シングル「Transmission」、フランスのみでリリースされた「Atmosphere」など、初期の重要曲が加わり、バンドの軌跡を辿る上でも欠かせない内容となっている。クリアヴァイナル仕様。
UKアンダーグラウンド・エレクトロニカ・デュオDemdike StareのMiles WhittakerとSean Cantyによるニューヨークの映像作家Kristen Pilonのアヴァンギャルドな実験映画「To Cut and Shoot」のために制作された13部作、1時間のアルバム『To Cut and Shoot』が〈DDS〉より登場!ミュージシャンでもあるKristen Pilonによるピアノとヴォーカルの録音を加工、編集し、映画のテーマであるセレンディピティや幽霊や夢の本質を、彼女のオリジナルの瞑想にふさわしいサウンドイメージとアレアトリックな奇妙さの揺らぎの中で、さらに屈折させ、夢から覚めたかと思うと、また亡霊の茂みに戻っていくような非直線的でもがき、ループするような音像へと練り上げている。Caretakerの悪夢の白昼夢のような感覚とも共鳴するような、ダーク・アンビエント、インダストリアルの最前線とも言えるような内容!
