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(数量限定/日本語帯付/解説書付き)ガラージ、ハウス、テクノ、ベース・ミュージックを自在に横断しながら独自のサウンドを築き上げてきた、UKダンスミュージックの重要人物、ジョイ・オービソン。7月に初開催される注目フェス「フューチャー・フリークエンシーズ・フェスティバル」への出演を記念して、2021年にリリースされたキャリア初のフルレングス作品『Still Slipping Vol.1』が待望の日本限定帯付LPでリリース!
2009年のアンセム「Hyph Mngo」でシーンを震撼させて以来、ジョイ・オービソンはUKダンス・ミュージックの進化を牽引してきた。〈XL Recordings〉より発表された本作は、ロンドン郊外クロイドンでの記憶や仲間たちとのつながりを映し出したキャリアの集大成ともいえる作品。ガラージ、ハウス、グライム、ヒップホップなど多彩な要素を溶け合わせながら、UKダンスミュージックの現在地を鮮やかに刻み込んだ名盤として高い評価を獲得している。近年はオーヴァーモノやフレッド・アゲインらとの共演でも注目を集め、さらなる飛躍を遂げるジョイ・オービソン。その原点と進化が凝縮された必携の一枚をお見逃しなく!
夢と現実の境界を溶かす、コクトー・ツインズ最高峰の一枚。
眩いギター、躍動するリズム、そしてエリザベス・フレイザーの天上の歌声。
ドリーム・ポップを代表する永遠の名盤として、今なお世界中で愛され続ける傑作。
1990年に4ADからリリースされた、Cocteau Twinsを代表する6thアルバム『Heaven or Las Vegas』。
ジャマイカの巨匠ヴォーカリストJohnny Clarkeと、当時新進気鋭のプロデューサーだったMad Professorが1983年にタッグを組んで発表したUKダブ史の金字塔的名盤『Yard Style』。UKの名門レーベル〈Ariwa Sounds〉が初めてジャマイカ人アーティストをフィーチャーした記念碑的作品であり、70年代ルーツ・レゲエの黄金期と80年代以降のUKデジタル・ダブを結ぶ重要な架け橋となった歴史的作品で、電子キックドラムの無機質な打撃と極太のベースライン、そしてマッド・プロフェッサーの代名詞である歪んだデジタル・エコーや巧みなエフェクト処理が見事に結実。過激でサイケデリックな音響実験が繰り広げられる立体的な音像のなかで、Johnny Clarkeの甘くソウルフルなヴォーカルが凛と響き渡り、伝統的なルーツのグルーヴと未来的なエレクトロニクスが見事な融合を果たしている。歴史的価値と中毒性を兼ね備えた大傑作!!
ロンドン南東部出身のマルチ奏者Black Steelが、Mad Professorと手を組み名門〈Ariwa Sounds〉から1988年に発表したUKルーツ〜ダブの隠れた大名盤『Jungle Warrior』。レーベルの看板プレイヤーとして数々のヒット作を支えてきた彼が、高次の存在からのインスピレーションとJah ShakaやDennis Brownらへの敬意を胸に創り上げた作品で、ヴォーカル・パートから地続きで重厚なダブ・バージョンへと流れ込む伝統的なスタイルを踏襲しつつ、5歳から培われたBlack Steelの類まれな演奏技術とソウルフルな歌声が炸裂。Mad Professorによるクリアで緻密なミキシング、地底を揺らす極太のベースライン、そして冴え渡る空間エフェクトが美しく融合し、80年代後半のUKヘヴィー・ルーツ特有の澄んだ静寂と重厚なグルーヴを描き出している。高潔なルーツ精神と最上級のダブ音響設計が見事に結実した、UKレゲエ史に誇るべき傑作。

1970年代初頭から1990年代半ばにかけて、UK各地で行われたサウンドシステム・ダンス、クラッシュ、ブルースパーティのフライヤーを300ページにわたり収録した、UKサウンドシステム文化の決定的アーカイブ。Sir Coxsone、Jah Shaka、King Jammys、Saxon、Unityなど伝説的サウンドから、ローカルの無名セットまで幅広く網羅し、これまで散逸していた資料を体系的にまとめた初の大規模コレクション。手書き文字、にじんだインク、粗いコピーの粒子といった当時の質感がそのまま残され、UKブラックコミュニティの社交文化、DIY精神が保存されている。会場はハウスパーティから教会ホール、倉庫まで多岐にわたり、音楽と生活が密接に結びついていた時代の空気を生々しく伝えてくれる。序文はLee “Scratch” Perry研究で知られるDavid Katz、終文はブラックブリティッシュミュージック研究者Kevin Le Gendreが担当。歴史的背景と文化的意義を補完するテキストも充実しており、資料価値と読み物としての魅力を兼ね備えた一冊。UKブラックカルチャーの忘れられない一夜の記録集。

Little Simzのベーシストとしても異彩を放つアフロ・ラテン・エレクトロニック・プロデューサー、DJ、Marla Ketherが名門〈Strut Records〉よりリリースする待望のセカンドEP『Luso』。リスボンとブラジリアを行き来しながら制作された本作は、ロックダウン期を経て「ミュージシャンが集うスタジオでの生演奏のエネルギー」に立ち返り、多様なコミュニティとの対話から生まれた躍動感あふれる充実の一枚。生々しく打ち鳴らされるパーカッションとうねるベースラインに、洗練されたエレクトロニクスと多彩な客演陣の歌声が鮮やかに交錯。ブラジルの音楽伝統からブロークンビート、アフロ・ポルトガルのバティーダ、アフロビート、さらにはサンバ・ハウスやジャズの色彩までを自在に織り上げた、多国籍なグローバル・ベース・ミュージックを展開する。UKアンダーグラウンドの鋭い感覚とアフロ・ブラジリアンの豊かな熱量が調和した、強烈な身体性とポジティヴな開放感でに溢れる12インチ。

コーンウォールを拠点に、ミュージシャン、映像作家、パフォーマーが交差するサイケデリック・コレクティヴ、Blind Yeoによる、ロックダウン期の孤立から生まれた共同制作の精神をそのまま音へと昇華したデビュー・アルバム『The Lemoine Point』。録音は廃飛行場で行われ、ライブ録音を基盤にした生々しいアンサンブルが特徴で、ドラム、ギター、シンセ、チェロ、ベースが儀式的なエネルギーを生み出し、演奏者同士の反応が曲の構造そのものを形づくる。荒々しさの上に、後から加えられた繊細なテクスチャーやストリングスが柔らかな層を作り、野性と親密さが同時に存在する独特の音像が生まれている。儀式的なエネルギー、繊細な質感、物語的断片が一点に収束した、現代的で開かれたコレクティヴ・ミュージックの新たな形。

UKマンチェスターのトランぺッターにして〈Gondwana Records〉主宰、Matthew Halsallが新バンドとともに生み出した、レーベルの美学を象徴する自然と精神性をテーマにしたオーガニックなスピリチュアル・ジャズ『Salute to the Sun』。ハープ、フルート、パーカッション、カリンバ、マリンバが織りなす柔らかく風通しのよいアンサンブルは、森の空気や水辺の揺らぎを思わせるほどナチュラル。Halsallのトランペットは祈りのように静かで、自然と調和するジャズというコンセプトをそのまま音にしたような穏やかな高揚感を生み出している。アフロ、ワールド要素を取り込んだリズムは生命力に満ち、一方で瞑想的なモーダル・ジャズの静けさも併せ持つ。「Joyful Spirits of the Universe」「Canopy & Stars」など、宇宙や自然をテーマにした楽曲が並び、〈Gondwana Records〉の新たなフェーズを示した名盤。

UKマンチェスターのトランぺッターにして〈Gondwana Records〉主宰、Matthew Halsallの記念すべきデビュー作『Sending My Love』が、リマスターされ、ボーナストラック追加のスペシャル仕様で2LP再発。レーベルのカタログ1番として始まったUKスピリチュアル・ジャズ新世代の源流が、いま鮮やかに蘇る。アリス・コルトレーンやファラオ・サンダースの流れを汲む、瞑想的でスピリチュアルなモーダル・ジャズで、柔らかいトランペット、透明感のあるピアノ、深く沈み込むベースがゆっくりと呼吸するように重なり、夜の祈りのような静けさを帯びたサウンドを描き出す。Nat Birchallら後のUKジャズ・シーンを支えるメンバーが参加している点も重要。現代UKジャズの静かなる出発点にして、スピリチュアル・ジャズの名盤。

即完売だった人気盤!ジャマイカ出身のシンガーであり、ルーツ・レゲエの重要人物、〈ON-U SOUND〉でも活躍したBim Shermanが1988年に発表したダブ・アルバムで、King Tubby、Prince Jammy、Adrian Sherwood ら名匠がミックスを手がけたダブ黄金期の集大成とも言える作品『Ghetto Dub』。長らく入手困難だった名盤が〈Week‑End Records〉よりめでたくリイシュー!深く沈むベースと、空間を切り裂くようなエコー、ボーカルを排し、リズムと残響だけで世界を構築するストイックな美学は、80年代ジャマイカのスタジオの空気感がそのまま刻まれた生々しいダブ。名匠たちの手によるミックスが光り、Bim Sherman の静謐でスピリチュアルな世界観が結晶した一枚。Adrian Sherwood の関与により、ジャマイカ本流の温かさに、UKアンダーグラウンド特有の硬質さが加わっているのも印象的。Sly & Robbie、Style Scott、Bingy Bunny、Roots Radics ら、ジャマイカのレジェンドも多数参加。
UKダブ・ポエトリーの象徴、Linton Kwesi Johnsonが1980年に発表した代表作『Bass Culture』。プロデュースと一部演奏を担うのはDennis “Blackbeard” Bovell。ロンドンのGooseberry Sound Studiosで録音された本作は、低域の厚みとタイトなリズムを軸に、LKJ の語りが鋭く響くもので、詩の内容は社会的・政治的テーマを正面から扱いながら、音楽としてのグルーヴを保っている。ベースは深く沈み、ドラムは乾いた質感で刻まれ、ホーンやギターは必要最小限のフレーズで空間を支える。ダブ処理は控えめながら精密で、言葉の強度を損なわずに音の奥行きをつくる。都市の空気をそのまま封じ込めたような生々しさがあり、レゲエの温度感とロンドンの社会的リアリティが自然に重なっていく。ダブ詩という表現を決定的な形にした作品であり、UKレゲエ、ダブの成熟を象徴するクラシック。
Dennis Bovellが手がけた匿名的プロジェクト4th Street Orchestraによる、1977年ロンドンのサウンドシステム文化をそのまま封じ込めたルーツ・レゲエ/ダブの重要作『Yuh Learn!』。ジャマイカの温度感を保ちながら、UK特有の乾いた質感と硬いリズムが重なり、街の空気感漂うリアルな音像が魅力。Bovellの精密なダブ処理は、エコーやディレイが絶妙に配置され、動く空間をつくり出す。参加メンバーには、Dennis BrownやAswadを支えたJohn Kpiaye、Rico Rodriguezとも共演したEddie “Tan Tan” Thorntonなど、UKレゲエの歴史を形づくった名手が多数参加。ホーンは温かく、リズム隊はタイトで、サウンドシステムの現場で鳴らすことを前提にした強度を持つ。社会的背景が滲む「The Grunwick Affair」に象徴されるように、当時の移民コミュニティの現実や労働争議の空気が音の奥に宿り、レゲエがコミュニティの声として機能していた時代の息遣いが感じられる。UKレゲエの深部を知るうえで欠かせない一枚。
The Pop Group、The Slits、New Age Steppersなどで知られるドラマーBruce Smithを中心に、初期On-U Soundの精鋭が集結したコレクティヴPlaygroup。その唯一作にして、ジャマイカン・ダブを英国流に再解釈し、ポストパンクの硬質さと産業的ノイズ感を混ぜ合わせた1982年の異形ダブ作品『Epic Sound Battles Chapter One』。Crucial Tony、Sean Oliver、Style Scott、Eskimo、Bonjo IといったCreation Rebel、African Head Charge、New Age Steppersの面々が参加し、On-U Soundのスタジオ魔術を背景に制御された混沌が立ち上がる。タイトで鋭く、複雑に絡む、立体的な音像。儀式的な雰囲気と暗いユーモアが全体に漂い、緊張感と遊び心が同居する独特の音像が魅的。Adrian Sherwoodが全面プロデュースの初期On-U Soundの精神を象徴する重要作であり、UKアンダーグラウンドの歴史的アーカイブとしても価値のある再発。
Alternative TVのフロントマンにして、UKパンク黎明期の象徴的な自主制作のミニコミ誌Sniffin’ Glueを創設したMark Perryが、1980年に発表した初ソロ作『Snappy Turns』。ATVの攻撃的なパンク性から距離を置き、より個人的でアートロック、ポストパンク寄りの表現へと踏み出した作品で、Grant Showbizが手がけた曇ったプロダクションが全体の空気を形づくる。Perry自身が多楽器を重ねることで生まれる壊れかけのポップの質感は、ポストパンクの陰影とDIY的な粗さが自然に同居したもの。語りと歌は静かに歪んだ視点を持ち、曲の奥にある不安や皮肉を浮かび上がらせる。特にテープループやヴァイオリンを用いた音像は、Throbbing GristleやPsychic TVの系譜を思わせるもので、Nurse With Woundリストに並んでも違和感のない独特の世界観をつくっている。パンク、アートロック、インダストリアルの影響が交差し、80年代UKアンダーグラウンドの曖昧で不穏な空気をそのまま封じ込めた一枚。

ブリストルのレフトフィールド・ポップ、ジャズを独自の感性で探求してきたTara Clerkin Trioの最新作『Somewhere Good』。ハーモニウム、ウッドベース、管楽器、鍵盤、サンプル、奇妙なパーカッションなど、多彩な編成を柔らかく重ね、アコースティックと電子音の境界を曖昧にする室内楽的でありながら現代的なサウンド。ダウンテンポのゆるやかなテンポ感の中で、メロディは控えめに現れ、パーカッションやサンプルは少しズレた位置に置かれることで、ほんのり奇妙で、でも心地よい浮遊感が生まれている。Tara Clerkinの淡いヴォーカルは楽器のレイヤーに自然に溶け込み、静かな美しさとレフトフィールド・ポップの親しみやすさを同時に支えている。録音はスタジオのものと各地でのフィールド録音を組み合わせた丁寧な音作りでmブリストルの現在進行形の感性をそのままパッケージした、静けさと奇妙さが共存するレフトフィールド作品。
Mad Professorが80年代初期に開始した「Dub Me Crazy」シリーズの初期中核作品で、彼のスタジオAriwaのサウンドを確立した重要作『Dub Me Crazy 3: The African Connection 』。タイトル通りシリーズの中でも特にアフリカとの精神的、文化的つながりをテーマにしており、アフリカン・リズムやモチーフが随所に散りばめられている。Bernard Cumberbatch、Billy CrossらAriwa常連の演奏陣が参加した色彩豊かな仕上がりで、音の軸となるのは、Ariwaらしい太く沈むベースと、乾いたタッチのドラム。ディレイは短い反射を連続させるタイプで、リバーブは控えめ。空間を広げるよりも、機械的な反復や細かい揺れを強調するミックスが特徴的。そこにマリンバや軽いパーカッションのような明るい音色が差し込まれ、深い低域と対照的な質感をつくり出している。ミニマルな構造の中で、シンセの短いフレーズやエフェクトの変化が少しずつ表情を変え、手作業のダブ処理ならではの生々しさが感じられる。ルーツ調の温度と電子的な質感が自然に混ざる、80年代初期UKダブの魅力が詰まった一枚。

英国産スロウ・コア~-ローファイ・インディの名バンド、HoodやEmpressを輩出した90年代英リーズのインディペンデントなコミュニティで、短命ながらも静かな輝きを放ったHalkynの音源集が米ポートランドの名レーベルConcentric Circlesよりリリース!
イギリス・リーズのバンドEmpressのメンバーとして知られるChris Coyleによるソロ・プロジェクト、Halkynは2000年前後にBoyracer主宰の555 Recordingsから2枚の7インチを発表していましたが、その存在は当時の数多くの優れたDIY/インディペンデント作品と同様、長らくひっそりと埋もれていました。本作にはその2枚のシングルに加え、コンピレーション盤のみに収録されていた楽曲、さらに未発表曲2曲を収録。当時のHalkynをまとめて俯瞰できる決定版といえる内容。
HalkynはHoodやEmpressを中心としたリーズの小さな音楽コミュニティの一員で、互いの作品に参加し合いながら独自の音楽を育んでいた彼らには、美しくどこか翳りを帯びたメロディと、実験性と親しみやすさを自然に共存させる感覚を共有していました。しかし儚さだけに終わらないChris Coyleの美しいメロディが散りばめられた楽曲たちは、静かに曇った空の下、人気のない郊外の道を歩くような情景を浮かび上がらせます。ジャケットカヴァーはChris Coyle自身による写真を使用、300枚限定プレス。
東京とロンドンを拠点に活動するシンガーソングライター、作曲家、Koichi Yamanohaによる音楽プロジェクトで、2014年頃より活動を展開。Le Guess Who?やAll Tomorrow’s Partiesなど、各国のオルタナティヴ系音楽フェスティバルに出演するほか、ゲームクリエイターの小島秀夫との協働、Death Stranding 2への楽曲提供およびカメオ出演など、映画やゲームなど多分野でも活動しているGrimm Grimmの1stアルバム『Hazy Eyes Maybe』。フォークの素朴さとエレクトロニカが同じフレームで呼吸する、独特の親密さを持った作品。アコースティックギターの柔らかい響きに、ノイズや残響、シンセの淡いテクスチャが重なり、歌と音響処理が自然に溶け合う。囁くようなボーカルは距離が近く、宅録的な質感とロンドンのアンダーグラウンド・シーンの雑多な空気が同時に立ち上がる。日本らしいある種の子供っぽさと現代ロンドンが交錯する、エクスペリメンタル・ポップの重要作。
オリジナルは1996年リリースの、UKダブを代表するMad Professorと、サウンドシステム界の伝説的存在 Jah Shakaによるコラボレーション・アルバム『New Decade of Dub』。Mad Professor の精緻なスタジオワークと、Jah Shaka のスピリチュアルなサウンド哲学が交わることで、アルバムは抑制の効いた深さとサイケデリックな音響処理が両立したサウンドになっており、フェイザーやエコー、ディレイといったエフェクトは濫用されることなく、むしろ楽曲全体を包み込むように機能し、穏やかだが強靭なグルーヴ生み出している。ルーツ・レゲエに根ざしつつも、当時のUKクラブ・シーンやサウンドシステム文化と強く結びついた未来志向のダブの姿を提示しているのも特徴的で、タイトルの「New Decade」の通り、70年代後半から80年代にかけて形成されたUKルーツ/ダブの流れを受け継ぎつつ、90年代以降のサウンドに新たな指針を示す一枚。
Mad Professorが80年代に展開した代表シリーズ「Dub Me Crazy」の中核タイトルで、1986年という時期は、UKダブが アナログ機材と初期デジタル処理を併用する過渡期で、Ariwa Sound Studioの特徴的な電子的ダブ処理が確立し始めた時期。本作でも、シリーズの中でもエフェクトの密度が高く、より実験的なダブ処理が前面に出ており、Mad Professorがアレンジ、ミックス、プロデュースをすべて自身で担当。Black Steel、Billy Cross、RobotiksらAriwa常連の演奏陣が参加し、80年代UKダブの過渡期を象徴する出来栄え。短い反射を連続させるディレイや、急に音が吸い込まれるようなフィルター処理が頻繁に現れ、スタジオ機材の反応そのものを音楽化したような独特の質感を生み出している。アナログの暖かみと電子的なクールさが自然に混ざり、ミニマルな構造の中で細部の変化が絶えず続く。シリーズの中でも特に動きの多いダブで、Ariwaサウンドの方向性を決定づけた重要作。80年代UKダブの魅力が凝縮された、手作業のダブ処理が光る一枚。

NY拠点のプロデューサーK Wataによるデビュー作『Give U Space』。Sustain Release 2025のライブ用トラックを起点に、スタジオで再構築された楽曲をまとめた作品で、〈Short Span〉が提示する広い空間と深い低域の美学を鮮やかに体現している。丸く沈むベースと控えめなキックがゆっくりと空間を押し広げ、微細なクリック音や柔らかいシンセが漂うことで、アンビエントとダブ・テクノが自然に重なる独特の音像が生まれている。ディレイやフィードバックの量が極端に丁寧に調整されていて、音の配置そのものが作品の魅力になっている。長尺のダブ処理が少しずつ形を変え、静けさとクラブの低域の圧が同じ速度で進む構造は、Rhythm & Sound以降のダブ・テクノを現代的に解釈したかのよう。アンビエント、ダブ、UKベースにまたがる充実作。
UKアンダーグラウンドの重要人物Persianの名曲群を、若手プロデューサーMiles J Paralysisが再構築した〈Mysticisms〉の人気シリーズDubplate第12弾。90sデジタル・ダブ、ラガ、UKGのエッセンスを持つPersianの音源が、ダークでサイケデリックな現代ダブへとアップデート。A面は、重心の低いステッパーズとブレイクスの間を行き来する「Big Slide Remix」と「Breathwork Dub」。B面では、Persianのメランコリックな旋律を残しつつ、ダブテクノの深度へ沈み込む「Zatoichis Troubles」や、トリップホップの影を感じさせる「There Is No Love」など、Miles J Paralysisの黒い音響感覚がより強く表れる仕上がり。

1980年代末のマンチェスターで活動し、正式な作品を残せずに消えていった幻のバンドJoannaが1989年に録音していた未発表デモが、35年の時を経て屋根裏から発見され、『Hello Flower』としてリリース。The Stone Roses、Happy Mondays、Charlatansが躍動していた真っ只中で生まれた音源だけあって、跳ねるビート、軽やかなベース、煌めくギターが絡み合うダンス・グルーヴとサイケ感の絶妙なバランスが魅力的。淡いサイケデリックなギターとポップなメロディが自然に溶け合い、ブリットポップ前夜の空気がしっかりと漂っている。デモ録音ならではのラフさも本作の味で、スタジオの空気がそのまま残ったような生々しい質感が心地よい、もし当時リリースされていたらマッドチェスターの歴史を変えていたかもしれない失われたデビュー作。

即完売だった人気盤!ジャマイカ出身のシンガーであり、ルーツ・レゲエの重要人物、〈ON-U SOUND〉でも活躍したBim Shermanが1988年に発表したダブ・アルバムで、King Tubby、Prince Jammy、Adrian Sherwood ら名匠がミックスを手がけたダブ黄金期の集大成とも言える作品『Ghetto Dub』。長らく入手困難だった名盤が〈Week‑End Records〉よりめでたくリイシュー!深く沈むベースと、空間を切り裂くようなエコー、ボーカルを排し、リズムと残響だけで世界を構築するストイックな美学は、80年代ジャマイカのスタジオの空気感がそのまま刻まれた生々しいダブ。名匠たちの手によるミックスが光り、Bim Sherman の静謐でスピリチュアルな世界観が結晶した一枚。Adrian Sherwood の関与により、ジャマイカ本流の温かさに、UKアンダーグラウンド特有の硬質さが加わっているのも印象的。Sly & Robbie、Style Scott、Bingy Bunny、Roots Radics ら、ジャマイカのレジェンドも多数参加。
