Ambient / Minimal / Drone
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UKマンチェスター出身の詩人、サックス奏者、作曲家 Alabaster DePlume が2020年に発表したアルバムで、詩や朗読で知られるDePlumeが、あえて言葉を使わずに感情を伝えようとした『To Cy & Lee: Instrumentals Vol. 1』。サックス、ギター、パーカッションなどを用い、静かでメロディアス、少し倦怠感も漂う音響。ジャズ的な即興性と、英国フォークの伝統も活かした、穏やかで親密なインストゥルメンタル作品集。

ジャズ、エレクトロニカ、ベース・ミュージック、アンビエントなど、さまざまな音楽的影響を現代の感性で表現した作品で高い評価を得てきたロンドンのプロデューサー、Loraine James。内なる葛藤と変化への渇望を原動力に制作された最新作『Detached From The Rest Of You』は2025年にシンガーAnysia Kymと手がけたEP『Clandestine』での制作経験を経て、よりポップなアプローチと、インストゥルメンタルを洗練された楽曲構造へ落とし込む手法を獲得し、その経験を制作に落とし込むことで完成した。
クラブ志向のサウンドや曲折的な展開から一歩進み、より明確で凝縮されたソング・フォームへとシフトしている。
プロダクションは極限まで削ぎ落とされ、Aoki takamasaやRyoji Ikeda、2000年代初頭のClicks & Cutsに着想を得たクリックやグリッチの音響空間が広がる。ミニマルな鍵盤の和音と余白を巧みに活かし、音とヴォーカルのあいだに生まれる空間が、これまでで最も自信に満ちたダイレクトな作品へと結実した。
客演には、Sydney Spann(“In a Rut”)、Alan Sparhawk(Low/“Peak Again”)、Miho Hatori(Cibo Matto/“Flatline”)、Anysia Kym(“Score”)、Tirzah(“Habits and Patterns”)が参加。さらに旧知のラッパーLe3 bLACKが、Fyn Dobsonのジャズ色豊かなドラムを従えた“Ending Us All”で再び鋭いリリックを響かせている。
40年以上にわたり、自作楽器Long String Instrumentの探求を続けてきた作曲家/パフォーマーEllen Fullmanの最新作『Elemental View』。本作は100本以上の長大な弦を空間に張り巡らせ、その空間全体を楽器として扱うインスタレーション作品を録音したもの。さらに、ギターやサントゥール、パーカッションを演奏するThe Living Earth Showが参加し、Fullman作品としては珍しいアンサンブル構造が導入されている。Long String Instrumentは、約24mを超える弦を指先で擦りながら歩くことで演奏される。弦の長さの違いによって生まれる倍音は、空間の中で複雑に干渉し合い、音が光の帯のように揺れ続ける独自の音響を生み出す。音がどのように生まれ、どのように空間を移動し、どのように変化していくのか、そのプロセスがそのまま音楽になるというLong String Instrumentの核心を、アンサンブルとの対話によってさらに拡張した意欲作。
サウンドアートの先駆者として60年以上にわたり活動を続ける、鈴木昭男のトートバッグです。肉厚の生地に、シルバーでプリントされています。
前衛音楽集団Musica Elettronica Viva(MEV)の中心人物として知られ、50年以上にわたり電子音響と環境音の境界に身を置き続けてきたAlvin Curranによる、1970年代に録音された未発表テープ素材をもとに、現在の視点で再構築した新作にしてアーカイブ作品『ARCHEOLOGY // ARCHEOLOGIA』。収録されているのは、VCS3やSergeモジュラーによるアナログ電子音、環境音の断片、テープの揺らぎといった70年代当時の素材を、Curran自身が現在の耳で再編集した2曲。「Le Serra」では、アナログ特有の不安定な揺れが長い時間の層を描き、電子音の粒子がゆっくりと浮かび上がる。「Othello By Night」では、環境音のコラージュとドローンが交差し、遠景と近景が入れ替わるような空間が広がる。Curranの作品に通底する、音を配置するセンスの鋭さは健在で、音数は決して多くないが、ひとつひとつの音が長く尾を引き、空白の時間が音の意味を変えていく。1970年代の未発表素材を未来へ向けて再構築した重要な一枚。

7月10日発売予定。アンビエント・映画音楽界の知られざる巨匠
マイケル・ブルックの2作品が2枚組で〈4AD〉より奇跡のリイシュー
名作『Cobalt Blue』の35年ぶり初ヴァイナル再発に加え
同年録音された『Live at the Aquarium』も初ヴァイナル化
アンビエントの先駆者ブライアン・イーノをはじめ
ロジャー・イーノ、ダニエル・ラノワら豪華メンツが参加
U2の楽曲などに使用された改造ギターとして有名なinfinite guitarの発明者としても知られるカナダ人ミュージシャンのマイケル・ブルック。1992年に〈4AD〉から発表した『Cobalt Blue』は、静かに、息をのむようなサウンドスケープで構成された、時代を超える名作として、年月を経て再評価されている。同作には、アンビエントの先駆者ブライアン・イーノ、作曲家/マルチ奏者としてロジャー・イーノ、そしてグラミー受賞プロデューサーのダニエル・ラノワが参加。同年後半に録音された『Live at the Aquarium』は、ロンドンで行われた貴重なソロ・パフォーマンスを収録したもので、マイケル・ブルック特有の催眠的なサスティン、広がりのあるテクスチャー、そして大気のような深い音の世界を捉えている。
85年のデビュー・アルバム『Hybrid』から92年のセカンド・アルバム『Cobalt Blue』リリースまでの7年間。マイケル・ブルックはブライアン・イーノのレーベルでありマネジメントでもある〈Opal〉と契約し、故郷のトロントからイギリスへ移住。イーノやラノワとのコラボレーション、ジョン・ハッセルとのツアー、ロジャー・イーノやハロルド・バッド、ララージらと共に伝説的なライブ・プロジェクト Opal Evenings に参加しながら、ステージでのループ処理、シーケンサーや音響処理における実験的な新境地を切り開いた。しかし、『Cobalt Blue』が完成した直後、〈Opal〉は配給契約を失い、リリースは中止。マイケル・ブルックは当時について「〈4AD〉のアイヴォ・ワッツ=ラッセルと友人だったので、彼がアルバムを出してくれると申し出てくれた。しかし、リリース後も長い間、十分な反応は得られなかった。音楽プレスがジャンル分けしにくいものを避けていたから...。だから当初は世間の評価がわからなかったんだ。まるで荒野で泣くギターのようだった。」と語っている。同期間、ピーテル・ノーテンと共作の〈4AD〉アンビエントの名作『Sleeps with Fishes』(87年) をはじめ、精力的な活動の中でヌスラト・ファテー・アリー・ハーンやユッスー・ンドゥールらワールド・ミュージックの巨人たちともコラボレーションを行った。それらの膨大な刺激と経験を吸収していた結果生まれたのが『Cobalt Blue』であり、リリース当時は十分に評価されなかったものの、年月を経てその名声と影響力は高まり続け、卓越したキャリアにおける重要な転換点であることが証明されている。
その後、1996年にはヌスラトとのアルバム『Night Song』でグラミー賞にノミネート。2008年には名作映画『Into the Wild』のサウンドトラックでゴールデン・グローブ賞にノミネートされた。『El Infierno』では2011年ハバナ映画祭の最優秀音楽賞を受賞。映画音楽作曲家としても卓越している彼は、50本以上の映画に携わっている。2024年にプロデュースしたヌスラトのアルバム『Chain of Light』は、Guardian紙のワールド・ミュージック・アルバム・オブ・ザ・イヤーに選出。もちろん、これらの輝かしい功績は、『Cobalt Blue』の制作を始めた頃には、まだ未来の話だった。『Cobalt Blue』で生まれたサウンドは「厳密にはアンビエントではない」とマイケル・ブルックは語る。よりリズミカルでメロディアス、彼はそのマテリアルを Wordless Songs (言葉を持たない曲) と表現している。この推進力と変化への志向は、優先順位の転換 ーある種の反逆心ー を表していた。
ベネズエラ出身でニューヨークを拠点に活動し、ノイズ、電子音響シーンで長年存在感を放ってきたCarlos Giffoniによる、Greg Kelley、Mabe Fratti、Zola Jesus、Ben Chasny、Lea Bertucci、Iggor Cavaleraら豪華アーティストをコラボレーターに迎えた最新作『Pendulum』。Giffoniはこれまでノイズ寄りの作風で知られてきたが、本作では 柔らかな音色や女性ボーカルを積極的に導入し、アコースティック楽器のの響きも活かしながらより開かれた音響表現へと踏み出している。オープニングの「Pendulum」では、Greg Kelleyの管楽器が豊かな倍音を描き、電子音の揺らぎと重なり合う。「Dermis」ではMabe Frattiのチェロが深い陰影を与え、「Beam」ではZola Jesusの声に幽玄な光が差し込む。「Dos」ではLea Bertucciのサックス、クラリネットの響きが点描のように配置される。それぞれのゲストの個性がGiffoni の電子処理と自然に溶け合い、ノイズ、アンビエント、ポストクラシカルにまたがる多層的な音像をつくり上げている。
結成15周年を迎えたシカゴの音響デュオClearedによる、電子音、フィールドレコーディング、アコースティック断片を長尺の音響風景として編み上げた最新作『Lustres』が〈Room40〉から登場。Clearedの制作は、個別に録音した素材を互いに送り合い、加工し、再び組み直すという独特のプロセスが核となる。本作でも、古いデジタル録音機の荒れた質感と、最新スタジオのクリアな音像が同じ平面に並置されることで、時間の層が折り重なるような音の深みが生まれている。フィールドレコーディングの微細な粒子、低周波の揺らぎ、ギターやパーカッションの残響が、判別できないほど加工されながらひとつの地形のように連なっていく。彼らが長年探求してきた素材の再構築をさらに推し進め、暗い輝きを放つ音響世界を描き出した逸品。

オリジナルは2009年リリースの、ピアノ・アンビエント、ポスト・クラシカルの名作として長く愛されてきた小瀬村晶の代表作『Polaroid Piano』が、15周年記念盤で登場。フェルトでミュートしたアップライトピアノをモノラル録音し、鍵盤のタッチ音や椅子の軋み、空気の揺れ、そしてLawrence Englishによるフィールドレコーディングを丁寧に織り込んだ、パーソナルで静かな音のスナップショット。ポラロイド写真というテーマの通り、収められた12の小品はどれも短く、柔らかく霞んだフェルト・ピアノの響きが、まるでソフトフォーカスの写真のように淡く輪郭をにじませる。シンプルなメロディーが静かに反復し、微細な環境音が背景に溶け込む音像は、音楽がその場の空気ごと記録されているかのよう。15周年盤では新たに「Enough Grace」が追加。アルバム全体に温度のある優しい質感が広がる、時間の手触りまで封じ込めたような、長く手元に置きたくなる一枚。
オーストラリアの現代音楽シーンを牽引してきたピアニスト、作曲家Gabriella Smartによる最新作『Parasymbiosis』が〈Room40〉から登場。25年以上にわたり即興、作曲、キュレーションを横断して活動してきた彼女が、本作ではエレクトロ・アコースティック作品を深く探究している。中心となる楽器は、ガラス棒とアルミの共鳴構造を持つマイクロトーナルな特殊楽器Electric Cristal。ガラスが震えるような倍音、金属的なきらめき、微細な揺らぎが重なり、音が光の粒子のように空間を漂う。電子処理によってその響きはさらに拡張され、アコースティックとエレクトロニクスの境界が曖昧になっていく。深い低音のうねりと繊細な高域のきらめきが同時に存在し、宇宙的な広がりと地表の微細な振動が共存するかのような音像が自律的に呼吸するように変化していく、深度のあるエレクトロ・アコースティック作品。
オーストラリアのマルチ奏者Aviva Endeanとニック・アシュウッドによるデュオ、Driftwoodによる、アンビエント/ドローンを軸に、風景の広がりや地形の変化を思わせる音響を丁寧に描き出した一枚『Maps』がオーストラリアの実験音響レーベル〈Room40〉より登場。微分音に調律された2台のリードオルガンを中心に、クラリネットやモジュラーシンセが交錯。微細な揺らぎを持つ持続音、淡い倍音、ゆっくりと重なるレイヤーが中心となり、静けさの中にわずかな動きを感じさせる。特に14分を超える最終曲「You Are Here」は、音が少しずつ変化しながら広がっていく没入型の構成で、聴くほどに深く意識が沈んでいくような瞑想的な時間を生み出す。全編を通して、自然の風景や地図の線がゆっくりと浮かび上がるような感覚があり、レーベルらしい空間性と質感へのこだわりが光るアンビエント作品。

John Zornや巻上公一などとの共作でもおなじみ米実験音楽界の大ベテランDavid Shea。実に14歳の頃から「洞窟」と音や儀式、仏教の教えの関連性へと魅了されてきた彼が、般若心経のテクスト、アンビエント、現代音楽、フィールド録音を緻密に組み合わせた、深い内省へと沈み込む音響作品『Meditations』。古いレコードの断片、声の影、電子音の揺らぎ。それらが丁寧に重ねられ、抽象的な物語性と儀式的な空気を生み出している。静寂とざわめきがゆっくりと入れ替わる構造は、まるで呼吸のように自然で、聴くほどに精神の奥へと導かれていく。瞑想的でありながら、どこか緊張感を帯びた音の流れは、Sheaの音で映画を作るような独自の手法が最も美しく表れた瞬間。外界の喧騒から離れ、内なる深層へと静かに沈んでいくための音楽。
これぞ、超えられぬ壁。アンビエント・ミュージックの創始者Brian Enoと、独電子音楽の伝説的ユニットClusterという巨星たちが初めてコラボレーションし〈Sky Records〉から発表した77年の歴史的名作の〈Bureau B〉盤。ドイツで制作された最初のアンビエント・レコードにして、このジャンルの決定的な作品!“Ho Renomo” (A1)にHolger Czukay、”One” (B4)にAsmus Tietchens、Okko Bekkerがゲスト参加。Conny Plankがエンジニアを担当。大傑作!

横田進のカタログの中で最も愛され、高く評価されているアンビエントの金字塔『Sakura (Skintone Edition)』。オリジナルは1999年に自身のレーベル〈Skintone〉から発表されたものが〈Lo Recordings〉よりめでたくリイシュー。本作は、日本の「喜怒哀楽」という四つの感情を音楽で表現することを意図しており、そのサウンドは深遠な静けさからためらい、憂鬱、そして純粋な喜びへと、人間の心の移ろいを桜の花びらが舞うさまに重ねて辿る。穏やかなギターのループがかすかなドローンへと溶け込み、断片的なヴォイス・サンプルが揺らめいては消え、静かな水面に波紋のように突如リズムの脈動が現れるなど、アンビエント、テクノ、そしてドリーム・ポップの要素を彼独自の方法で融合。特に、Steve ReichのミニマリズムやHarold Buddのテクスチャからインスピレーションを得たサンプルワークは、懐かしさと斬新さが同居する独特の世界観を作り上げている。ブライアン・イーノやフィリップ・グラスといった巨匠たちからも絶賛され、ヨコタを国際的な音楽家へと押し上げたこの作品は、その儚くも力強い美しさによって、20年以上経った今もなお、聴く者に静けさと不思議な感覚を与え続ける、時代を超越した傑作。

日本の伝説的アーティスト、Susumu Yokotaの音楽的探求の軌跡を年代を超えて記録した、極めて個人的な作品集『Image 1983-1998』。本作は、彼の音楽キャリアにおける二つの異なる時期に制作された短い楽曲で構成されており、前半のトラックは1983年から84年にかけての、ギターやオルガンを用いたローファイなテープ実験の時代のものが収録、ポストパンクやゴーストリー・ポップの断片が垣間見える。続く後半のトラックは、これらの初期作品に触発され1997年から98年に作曲されたもので、後のアンビエントの傑作『Sakura』へと繋がる、より洗練された電子音響とメロディと抽象性が両立する作品が収録されている。音楽的自伝ともいうべき内容で、初期の脆いギターの音色と、後年の穏やかなシンセサイザーのモチーフが、アルバム全体を通して「記憶と予感」という共通のムードで結びついており、両時代が並行して存在するような不思議な感覚を覚える。彼がテクノの制作で多忙を極める中で、初期の実験への回帰と感情的なミニマリズムを追求した、音のスクラップブックあるいはデザインボードとも呼べる、アーティストの核心に迫る貴重なドキュメント。

日本の伝説的な電子音楽家、Susumu Yokotaが自身のレーベル「Skintone」を立ち上げて最初にリリースした、1998年発表の繊細かつ深遠なアルバム『Magic Thread』。ミニマル・テクノの構造を利用しながらも、ビートを推進力としてではなく、雰囲気のための足場として使用しているのが特徴的で、ゴーストリーなドラムループが漂う「Circular」は、深夜の都会の静寂に響く幽玄なハウス・ミュージックを思わせ、また「Reflux」の工場ベルトのようなビートは、音響的なテクスチャと混ざり合い、都市の広大さや静けさを感じさせる。音響設計は一見シンプルでありながら、フィールド・レコーディングやタムタムやプリペアードピアノなどアコースティックな音色が抽象的なリズムパターンに繊細に織り込まれており、本作は、彼がそれまで追求していたディープ・ハウスやテクノの躍動感と、後に確立する内省的なアンビエントの世界観とを繋ぐ「Magic Thread(魔法の糸)」というべき作品となっている。
横田進の代表作のひとつである2002年作『The Boy And The Tree』が、〈Lo Recordings〉より新装リマスターで再登場。自然や生命の神秘をテーマにした本作は、アンビエント/エレクトロニカ期の魅力が美しく結晶しており、透明感のあるメロディと柔らかな音のレイヤーが幻想的な世界を描き出す。本人が語っている通り、本作は屋久島の原生林を歩いた経験や、宮崎駿の映画『もののけ姫』の生態学的メッセージにインスパイアされており、柔らかなシンセの揺らぎ、アコースティックな質感、そして森の奥で響くようなパーカッションが重なり、自然の世界がそのまま音になったような神秘性を帯びている。彼のアンビエント作品の中でも特にメロディが際立ち、夢の中を歩くような浮遊感と、静かな感情の動きが同時に流れ込んでくる、永遠の名盤。

2003年に自身のレーベル〈Skintone〉からひっそりとリリースされ、過去に海外に向けライセンスリリースされることもなかったことから、長らく幻のアルバムとして語られてきた横田進の『Laputa』が、ついにSkintone Editionとして登場。『The Boy And The Tree』と『Symbol』の間に位置する本作は、キャリアの中でも最も実験性が強く、神秘的で、不穏さと美しさが同居する特異点のような作品。ドローン、断片的なサンプル、ストリングス、ノイズ、囁き声、ブルースギターなど、多様な素材がコラージュのように重なり合い、ガリバー旅行記の幻想的な浮島の名にふさわしい異世界的なサウンド。複数の映画が同時に流れているような多層的な音像は、横田のサンプラー/セレクターとしての才能を鮮烈に示しており、メロディアスな瞬間と抽象的な音響が交互に現れ揺れ動く独特の世界観は、今聴いても圧倒的な個性を放っている。
米女性実験音楽家重鎮であり先駆者、Pauline OliverosのDeep Listening Bandにも参加したアメリカの前衛的トロンボーン/ディジリドゥー奏者、即興演奏家、作曲家のStuart Dempsterが伝説のアルバム『Deep Listening』が録音されたのと同じ貯水槽で制作し、現代音楽系名門〈New Albion〉から発表した95年のアルバム『Underground Overlays From The Cistern Chapel』が〈Important Records〉から史上初のアナログ再発。力強く深い音色が響き渡るこの2枚組LPは、高い評価を得た『Deep Listening』のコンパニオンとして制作されたものであり、これまで録音された中で最も深いドローン・アルバムのひとつ。9本のトロンボーン、ディジュリドゥ、チベットの鐘が、200万ガロンもの巨大な貯水槽を、心を揺さぶり、癒すような濃密な音の残響で満たしています。
'70年代初頭のNYアンダーグラウンド・パンク~ニュー・ウェーヴ・シーンを代表するSuicideのサウンドを担ったシンセ/ドラム担当Martin Revの2000年にリリースされた5枚目のソロ・アルバム『Strangeworld』のジャーマン・ロック/ニューウェイヴ再興の地〈Bureau B〉による再発盤。チープでミニマルなリズムボックスにいかにもメロディックなシンセサウンド、鼻歌のような歌声、そこに突然現前する深すぎるリヴァーブ、エコー、ダブ処理。摩訶不思議なエレクトロ・サイケ・ポップ感が最高です!

Pitchforkでは「8.2」点の高スコアを獲得していた、Grouperの通算4枚目となる2008年発表の人気作が待望のリイシュー。アコースティックギター+リバーブボーカルといった彼女特有のスタイルを保ちながらも、前作に比べてよりメロディラインがはっきりとした印象を受ける、これぞレフトフィールド・ポップミュージックの傑作盤。アンビエント~ドローンリスナーはもちろんフォークリスナーにも幅広く推薦。
Nurse with Wound list掲載の裏アンビエント超名盤。1967-79年の音源を集めた79年リリースのRobert Ashleyの初期音源集が遂に待望のアナログ・リイシュー!ASMR的な側面からもレコメンドできそうな一枚。カットアップされる電子音、電子変容した人声、浮かび上がってくる微かなメロディによって、静謐で深遠な音響が淡々と縁取られていきます。細微な変化や経過の様子は間違いなくフェチズムを擽ることでしょう。
David Behrmanの1978年にリリースされた作品。フルートとバスーンの演奏がハンドメイドのシンセサイザーとコンピューターで変調され美麗持続音を展開する「On the Other Ocean」、David Behrmanが初めてコンピューターを採用して作曲した「Figure in a Clearing」を収録した傑作。

6月下旬再入荷。Mohammad Reza Mortazaviが長年取り組んできたトンバクやダフなど、ペルシャ打楽器への探究をさらに進めた一作『Nexus』。これまでも驚異的な指使いや独自のリズム構築法で打楽器そのものを再発明したとも評されてきたが、本作では初めて声やエフェクト、電子的処理を取り入れている。電子音は決して表層的な装飾ではなく、楽器の響きやリズムを拡張する役割を果たし、彼の音楽観をより深く掘り下げる方向に作用しており、打楽器ソロのダイナミズムとアンビエント的な没入感、そして声や電子音による精神性がひとつに重なったサウンドとなっている。アメリカの映像作家ジョーダン・ベルソンによるカバーアートとも共鳴する、ミニマル・アンビエント、クラブ的な文脈から出発しながらも、その枠を超え、打楽器の未来形を提示しようとする作品。
