Ambient / Minimal / Drone
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音響作家フェリシア・アトキンソンと、アンビエント/現代音楽作曲家クリスティナ・ヴァンツーによる、水をテーマにした静謐で詩的な作品『Water Poems』。さざ波のように揺れるシンセ、水滴の反射を思わせるピアノ、風や空気の気配を含んだフィールドレコーディングにアトキンソンの囁くようなスポークンワードが重なる。音数は少なく、空気の振動を聴かせるようなミニマルさで、静けさそのものが音楽として機能している。ふたりの音の間が美しく響き、詩と音が溶け合う、独特の質感。聴くほどに深く沈んでいくような柔らかく内省的な世界が広がる、揺らぎや気配、静けさの質感を音で描き出した、アトキンソンとヴァンツーの美しい共作。

Pierre Schaefferのもとで働き、INA-GRMの最高責任者を長期間務めた、マダガスカル生まれの電子音楽家François Bayleの主要作品『Jeîta ou murmure des eaux』がアナログ再発。レバノンの巨大鍾乳洞で録音された、水音・反響・ざわめきといった具体音を電子的に変容させたミュージックコンクレート巨編。洞窟は実在の場所であると同時に変容が起こる精神空間として扱われ、聴き入っていくと、あたかも音の洞窟の住人としてそこに存在しているかのような感覚を覚える。水の粒子が霧のように漂い、反響が多層化し、自然音と抽象音が溶け合う独自の音世界を形成している。

現代音楽のアイコニックな面々とのコラボレーションを通じて知られるギタリスト、バンジョリスト、ピアニスト、シンガーであり、インディーフォークの世界で素晴らしい才能を持つアーティスト、フィル・クックの2024年最新作がPsychic Hotlineより再び登場!2022年秋、ノースカロライナ州ピードモントの野原と森の端にある小さな家に一人で住んでいた時の鳥たちの夜明けのコーラスをきき、そのさえずりを録音し、徐々に鳥のさえずりに加わっていった体験から生まれていったこのアルバムは深く心に響く、個人的な11のピアノ瞑想曲で、これらの曲は、クックにとって不安定な時期の混乱と悲しみだけでなく、希望、光、そして向こう側を探す喜びをも反映している。この曲の多くにインスピレーションを与えてくれた鳥の声や時間を、今でも耳にすることができると言えるだろう。たとえ彼らが耳に届かないところにいても、そのエッセンスが残っているようだ。おすすめ!


USスロウコアの象徴DusterのClay PartonとCanaan Dove Amber、そしてノースカロライナのサンプリング作家Dirty Art ClubによるユニットSoojのデビュー作が〈Numero Group〉から登場。Dusterらしい沈み込むようなスロウコアの質感に、Dirty Art Clubのテープヒスやコラージュ処理が重なり、音は輪郭を失いながらもどこか温かい。ギターのフレーズは霧の中でゆっくりと漂い、サンプルは記憶の断片のように浮かんでは消える。深夜の部屋で灯りを落として聴くと、空気そのものが変質していくような没入感がある。Dusterのリイシューを全面的に手がけ、彼らの再評価を決定づけた 〈Numero Group〉からのリリースであることも相まって、90年代のスロウコアという遺産が、現代のサンプリング・アートと出会うことで、いかに新しいサイケデリアへと変容したかを示す一枚。Dusterの静かな憂鬱が、サンプルの波に溶けて消えていく様は、時間が経って、一番底に静かに溜まった、純度の高い残り香のよう。


Meditationsでも本当に長い間に渡って愛され続ける驚異の大名盤『Romantic Piano』でお馴染みの Gia Margaret の新作『Singing』がリリース!病によって声を失った経験から2020年リリースの『Mia Gargaret』、前作『Romantic Piano』でアンビエント寄りの作風へ踏み出した彼女が本作では声を取り戻しつつあり、一方で、その静けさと優しさはさらに深まっている。数年間声を出せなかった彼女は、代わりに音で語る方法を磨き、響きの細部と感情の精度を研ぎ澄ませてきた。その感覚は今作にも受け継がれ、ピアノの小さなフレーズや静かなアレンジが驚くほど繊細に響く。楽器、機材、アレンジ、声、ひとつひとつに深い情緒を見出し、信じること。その積み重ねが、音と音のあいだの空気までも音楽として息づかせているよう。透明なピアノの響きと、ささやくような歌声、余白が大きく、全てが控えめでありながら、静けさの中に確かな生命が灯る。Gia Margaret が沈黙の先で見つけた新しい声のかたちが、静かにしかし力強く、聴く者の心に触れてくる。

未体験の方はこの機会にぜひ。ニューエイジ/アンビエント・リスナーにも必聴の一枚!ドイツのミュージシャン/作曲家のDaniel Rosenfeldが変名C418で残した『マインクラフト』の画期的サントラ盤『Minecraft - Volume Alpha』がアナログ・リプレス。壮大なサウンドトラックと鮮やかなサウンドデザインを作り上げ、マインクラフトのボクセルベースの世界へと新たな命を吹き込んだ、ビートレスで繊細なエレクトロニック・ミュージック大傑作!エリック・サティやブライアン・イーノとも比較される繊細なピアノとまばらなアンビエントモチーフによる穏やかで幻想的なサウンドスケープは恍惚ものです。

個人的にもし新譜だったとしたら絶対年間ベス一位に入れるくらいには凄まじい一枚です!〈Pitchfork〉の「The 50 Best Ambient Albums of All Time」にも選出された1975年の唯一作『Neighborhoods』を残した人物。B.B. KingやDizzy Gillespieの作品にも参加するマルチ奏者Bill Hoodの兄弟であり、ポートランドを拠点にジャズ・ギタリストとして活動していたものの20代後半に病のために有望だったキャリアを断念した知られざるニューエイジ・ミュージックのレジェンド・Ernest Hood。1972年から1982年にかけてオレゴン州西部で録音された未発表作品であり、長年行方不明となっていた幻の音源『Back to the Woodlands』がアナログ・リリース!版元は『Neighborhoods』を掘り起こした重要発掘レーベルであり、〈RVNG〉傘下にPete Swanson (Yellow Swans)が運営する〈Freedom To Spend〉。フィールド・レコーディング、チター、シンセサイザーの幻想的な組み合わせにより、ほぼこの世のものではないあちら側の美しさを描き出した珠玉のアンビエント/ニューエイジ・ジャズ大傑作!

フィラデルフィアを拠点に活動する音響作家Jason Calhounによる、中世神秘家Julian of Norwichの同名著作へのオマージュをタイトルに掲げ、日常の中に潜む神聖さをテーマにした全14曲のアンビエント作品『Revelations of Divine Love』。これまでの長尺ドローン中心の作風から一転し、本作は1〜2分台の短い断片が連なる構成。Calhounがペンシルベニア州の自宅周辺で録音した素材や、微細な電子音、柔らかなノイズを重ね合わせ、小さな情景がふっと立ち上がっては消えていくような質感が続く。音の余白の扱いが非常に巧みで、静けさの中に淡いメロディやパルスが浮かび上がる瞬間が印象的。短い曲の連なりが、まるで小さな祈りのように響く。

ケベック・モントリオールで結成されたカナダのポスト・ロックを代表する屈指のバンド、Godspeed You Black Emperor!による2017年名作『Luciferian Towers』のアナログ・リイシュー盤。チェンバー・ミュージックやドローン、ノイズ・ロックなどを折衷したアトモスフェリックで陰鬱なインストゥルメンタル・ポスト・ロックの大名作!
ケベック・モントリオールで結成されたカナダのポスト・ロックを代表する屈指のバンド、Godspeed You Black Emperor!による2017年名作『Luciferian Towers』のアナログ・リイシュー盤。チェンバー・ミュージックやドローン、ノイズ・ロックなどを折衷したアトモスフェリックで陰鬱なインストゥルメンタル・ポスト・ロックの大名作!
2023年のデビュー作『Magnolia』に続き、ピアニストでリーダーのSteve Okonskが、Durand JonesやAaron Frazerといった長年の音楽コラボレーターたちを引き連れた25年度最新アルバム『Entrance Music』をアナウンス。自発的であり瞑想的なスピリットに根ざした本作は、トリオの即興性が最高潮に達した作品であり、パストラルで静謐なスピリチュアル・アンビエント・ジャズ"October"での幕開けの時点で既に天上。The Bad PlusやGerald Claytonといったレジェンドの名前も引き合いに出される珠玉のピアノ・ジャズ・アルバムに仕上がっています。
〈SEX TAGS〉運営でも知られるノルウェーのカルトDJ/プロデューサーDJ Sotofettが大名門〈Honest Jon's Records〉から2015年にリリースした超大人気2枚組アルバム『Drippin' For A Tripp』が再プレス!Jaakko Eino KaleviやPhillip Lauer、Gilb'Rといった様々なゲストとフィーチャリングした超人気作!青々としてどこまでも広がる幻想的アンビエントからサイケデリックで屈折的なバレアリック・ハウス、向こう側から聞こえるトライバルなアンビエント・ダンス・サウンドまで、バラエティ豊かな第四世界ダンス・ミュージックの数々を収録した凄まじい内容の一枚!
ミニマリズム、ジャズ、クラシック、音響アートを融合させた独自のスタイルが特徴的なスウェーデン出身の作曲家、演奏家、インスタレーションアーティストEllen Arkbroの4枚目のアルバム『Nightclouds』が、ニューヨークを拠点とする〈Blank Forms Editions〉から登場!本作には2023〜2024年に中央ヨーロッパで録音されたソロオルガンによる5つの即興演奏が収められており、これまでの作品よりも一層ロマンティックで内省的な雰囲気を持っている。シンプルでありながら深く響く和音と、彼女ならではの緻密な音の構造を使って、冷徹な美しさの中に感情の幅を見事に表現している。彼女の音楽的進化を象徴する重要な作品であり、聴くものを深い内面の探求へと導く一枚!
アンビエント殿堂入りとも呼べる、William Basinskiの2003年発表の傑作が待望のリマスター再発。元は80年代に録音していたものを集め、自身のレーベルから発表していたCD-R作品。ピアノやサックス、テープのループから生み出される空間はどれも憂鬱ともなう小さな響きでいて、それらが何曲も集まることで退廃的で静謐な美しさが広がります。マスターピース!

11月上旬入荷予定。1984年に吉村弘や芦川聡らとともに日本の環境音楽の歴史を切り拓いた巨匠・磯田健一郎。キャリア40年超の集大成にして、過去のアーカイヴや構想を八丈島での現在の視点から解体・再構築した『Epilogue』。自身の原点である環境音楽の美学に立ち返りつつ、八丈島で採取された希少鳥類の鳴き声や水流のフィールド・レコーディング、そしてフルートやナイロン弦ギター、ヴィブラフォン、メロディオンなどの温もりあるアコースティック楽器が電子音と静かに交錯。maya ongakuの園田努によるヴォーカルや、80年代の未完カセット・テープの現代的な復元も交え、自然のゆらぎと人の記憶が解け合うような優美で親密な室内楽アンビエントを立ち上げている。単なるノスタルジーにとどまらず、時間とともに移ろいゆく音楽そのものの息づかいを封じ込めた静かな祈りのようなドキュメント。
10月下旬入荷予定。限定クリア・ヴァイナル仕様。Theoretical Girls、The Staticで70年代末のNYノー・ウェイヴ・シーンを駆け抜けたGlenn Brancaが、1980年に初めてソロ名義で放った記念碑的作品。NYの伝説的ポストパンク/ダンス・レーベル〈99 Records〉の第一弾としてリリースされ、後のSonic YouthやSwansをはじめとする数多くの若いバンドに決定的な影響を与え、NYダウンタウンのアート・パンクを形づくった重要作。
疾走するビートと幾重にも絡み合う反復パターンによって、Neu!を彷彿させる反復ビートとPhilip Glassのミニマリズムを接続したかのような強烈な音響運動を展開。反復は単純な循環に留まらず、ギター、ベース、ドラム、キーボードが重なり合うことで巨大さへと変容し、ロックの原始的エナジーとミニマリズムを陶酔的な高揚へと合一。
一方、B面はその対極で、暗く、不穏で、予測不能な音響のなか、ギター、キーボード、ベース、ドラム、そしてスレッジハンマーまでを含む編成が、工業的な轟音と緊張を幾重にも積み重ねていきます。構築と破壊、反復とノイズ。その両極をひとつの巨大な音響空間へと統合した本作は、ロック・バンドという形式そのものを拡張し、80年代以降の実験的ギター・ミュージックの新たな地平を切り拓いた、Glenn Brancaの原点にして極めて重要な一枚。
10月14日発売予定。1999年にリリースされた知られざるギター・デュオ・ユニットのアルバム。ハーモニクスを多用したギターのみによる楽曲は、アンビエント的な静けさを進えた美しいもので、当時のライヴでは 8mm 映像などとコラボレートなどもしていました。しかし、当時の反応は一部で高い評価を得たものの、それはとても小さいものでした。当時のインディーズ・シーンではまだアンビエント的なサウンドの見直しもなく、ここまでシンプルなインストウルメンタルものをライヴの現場で演奏しているユニットなど皆無で、非常にカテゴライズしづらく、立ち位置の難しい音楽だったのだと思います。
しかし、ジャパニーズ・アンビエントが世界的に見直された 2010年代になってから、本作は再発見され、CDのデッドストックが一気に完売。再発の声もある中、今回初のアナログ化で改めてこの音楽を解き放ちたいと思います。現在 URBAN VOLCANO SOUNDSで知られるKENKEN もゲスト参加。
知られざる秘宝作品にじっくり触れてみるのもよし、日々のBGMとしても空気に染み入るような美しい時間を生み出してくれる、音響ギター・インストウルメンタル・アルバムです。

10月30日発売予定。Fatima Al Qadiriが、West Asiaのフォーク/ダンス音楽への愛情を込めて放つ新作EP『3TWI』。クウェート・アラビア語で「女たらしの年配男性」を意味するタイトルを軸に、地域のクラブ・ミュージック、伝統的なダンス音楽、クィアな視点を大胆に交差させた4曲を収録。長年の友人でもあるBobo Secret、Lama3an、Gumarを迎え、挑発的なスポークンワードから切実なアンセムまで、ユーモアと欲望、ジェンダーやパフォーマンスをめぐる物語を描き出す。
クウェートや湾岸地域の音楽文化を中心に、イラン系の3eemi、古典アラビア語まで複数の言語・方言を横断し、国境を越えて共有される音楽的伝統を祝福。伝統とクラブ、ローカルな言葉とグローバルな電子音楽を繋ぐ、妖しくユーモラスで刺激的なEP。

ミニマル・ミュージックの先駆者 テリー・ライリーを父に持つギャン・ライリー (Gyan Riley) と、2005年のアルバム『Cripple Crow』共同プロデュースをはじめ、長年の盟友であるデヴェンドラ・バンハート (Devendra Banhart )、ノア・ジョージソン (Noah Georgeson) のトリオによる新たなコラボレーション・プロジェクト HUG (ハグ)。特別編成トリオとして幾度か来日公演も行い、夢見心地で温かく会場を包み込むような演奏を披露してきた3人が、ついに HUG として、セルフタイトルとなるデビューアルバムを発表。国もジャンルも超越する多彩なリリースで多くの音楽マニアを魅了し続けてきた〈Luaka Bop〉から9月11日 (金) に世界同時発売となる。
自然な流れに身を任せるように、オーガニックに紡がれた本作『HUG』は、旧知の3人が童心に還り、ピュアな好奇心のもと生み出した作品だ。同時に独立したアーティストでもある彼らの奥深さや親密で内省的な側面も併せ持ち、アンビエントな要素や、時に謎めいた瞬間も訪れる。デヴェンドラ、ギャン、ノアが交互にリードを取りながら、各楽曲はフォークの伝統とジャンルを横断しながら溶け込んでいく。
先行シングルにして、アルバム冒頭を飾る「 Cow With Half Moon Parasol」は、鳴り響くカエルの声からはじまる。他にもインドの聖なる丘やベネズエラとコロンビアを流れる川など、トリオにとってそれぞれ意味を持つ固有の場所における環境音が、本作のサウンドスケープを彩っている。
深い親交のもと、一心同体となったトリオ HUG は、単なるギター・トリオの枠には留まらない。
ギャン・ライリーとノア・ジョージソンはネヴァダ・シティを同郷に、幼少期からの親交を持っている。ギャンはアーティスト兼ツアー・ミュージシャンとして複数のアルバムをリリースし、アルージ・アフタブ、ジョン・ゾーン、ポール・サイモン、そして父のテリーなど多彩なミュージシャンとコラボレーションを重ねた。一方、ノアはフレッド・フリス、ポーリン・オリヴェロス、アルヴィン・カランに師事しながらサンフランシスコで独自の実験音楽家として実績を築いた。その後、10代でアートスクールを中退したデヴェンドラと出会い、2000年代を定義する音楽を共に生み出した。ベネズエラとカリフォルニア南部で育ち、授業をサボってストリートでバスキングをしながらギターと共に過ごしていたデヴェンドラ・バンハートは、このトリオ結成時について「すべてが輝いていて、まるで子供に戻ったみたいだった」と振り返る。「だから確信したんだ... 一緒に演奏しなければって。」
アルバム自体は3週間でまとまったが、その後も3人が長い時間をかけて本作と向き合ってきたことを示す痕跡が、各トラックのあちこちに散りばめられている。ラストの曲には、ノアとデヴェンドラが20年前、まだヴェニス・ビーチで共に暮らしていた頃に作ったループが含まれている。それは、これまでどう完成させればいいかわからなかった、ある曲の断片だった。そしてアルバムのラストには「Well I went down…!」と叫ぶ声が、かすかに聴こえ、新たに未完成の断片を残して幕を閉じていく...。それはおそらく、これから来るプロジェクトへの予告かもしれない。

唯一無二のドローンサウンドでカルト的人気を博すSarah Davachiによる最新アルバム『The Will of Tongues』がリリース!本作は、3枚組のLP(CDは2枚組)におさめられた2時間以上に及ぶ、これまでで最も野心的な大作となっている。作品には米国・カナダ・オランダ各地で録音されたオルガンのサウンドに加え、EMPAC(ニューヨーク)やアイルランドのLouth Contemporary Music Societyの為に制作された楽曲も含まれている。
参加アーティストはDavachi自身のオルガン演奏に加え、Whitney Johnson(viola)、Eyvind Kang(viola)、Lucy Railton (cello)、さらにはマイクロトーナル金管アンサンブルDiapasonや、スイス拠点の古楽フルート・コンソートPhaedrus、Chamber Choir Irelandなどが名を連ねている。
本作は、反復、調律理論、音色変化、長大な持続時間、垂直的和声といった彼女の作曲的探求を深化させたものであり、ミニマリズムの系譜に連なる精緻な構造を持ちながらも、より意図的で明確な構築性を備えている。各楽器・アンサンブル間でモチーフが受け渡され、時間とともにゆるやかに変容していく。
聴取そのものへの深い敬意を主題とする本作は、容易なリスニング体験を拒みながらも、音そのものと向き合う行為を促す。長大な時間軸の中で生成される音響とその精神的空間は、極めて内省的かつ没入的な聴取体験をもたらす作品となっている。

電子音楽家・作曲家として知られるSarah Davachiによるアーカイヴ・コンピレーション・シリーズの第一弾が自身のレーベル〈Late Music〉と〈Disciples〉の共同にてリリース!
これまでの作品、カセット、EP、シングル、オリジナルの映画音楽、ライブやスタジオ録音など、過去のカタログから選曲された本作は『Selected Works I』と『Selected Works II』というタイトルで分けられており、LPは各タイトルごと、CDはまとめた2枚組となっている。
初期カセットリリースからのトラックやBoomkatからリリースされたアルバム『Gathers』の別トラック、映画「A Woman Escapes」(2022)のオリジナルスコアからのキュー、自主制作のデジタル限定EP『Horae』(2020)からのトラック、そして未発表トラックなど、いずれもこれまでにアナログでは入手不可だったものが収録されている。
