Angus MacLiseやSun Ra、Allen Ginsberg、Timothy Learyといったカウンターカルチャーの偉人たちによる録音資料を、味わい深いカセットで紹介する地下レーベル〈Counter Culture Chronicles〉からLa Monte YoungとMarian Zazeelaの歴史的な発掘盤『Live in Rome, 23/6/1969』が登場!収録されているのはたった18分の演奏だが、その内容は濃密で、当時の二人の芸術的探求の只中を切り取った貴重な記録になっている。ニューヨークのダウンタウンで1960年代初頭から育まれたドローンのヴィジョンが、ヨーロッパへと広がっていく端緒とも言える時期の記録であり、同年に録音された代表作『31 VII 69 10:26-10:49 PM / 23 VIII 64 2:50:45-3:11 AM』の直前というタイミングで、まさにTheatre of Eternal Music期の絶頂を捉えている。音質も驚くほど鮮明で、微細な周波数の揺らぎが空間を満たし、聴く者の頭のわずかな動きさえ音の聞こえ方を変えてしまう、音楽の枠組みを超えた、感覚そのものに働きかける音響芸術。ラ・モンテ・ヤングが「演奏の前にも後にも存在する音」と語ったドリーム・ミュージックの哲学が、そのまま封じ込められている。