伝説的前衛即興集団、Gruppo di Improvvisazione Nuova Consonanzaでの活動でも知られる稀代の電子音楽家、Roland Kaynによる、1969年の初期作『Cybernetics II』と、2000年前後に制作された長編『Gärten Der Lüste』『L'Innominata』をひとつのパッケージに収めた2CD。30年以上に及ぶ彼のサイバネティック音響探求の軌跡と変遷を俯瞰する貴重な音響ドキュメント。1960年代末の生々しく過酷な信号処理から、自律的電子システムが高度に成熟したミレニアム期の重厚な多層音響までが交錯。自律する電子回路、電気信号の物理変化、そして人間の聴覚認識という3つの要素の相乗効果によって解き放たれた電子群が、静謐なドローンと有機的な周波数の蠢きを描き出し、従来の作曲概念を遥かに超えたスケールで迫る。