スピリチュアル・ジャズの命脈へと連なる生ける伝説Pharoah Sandersが、Impulse!在籍末期に残した重要作『Elevation』。1973年のライブ録音を中心に構成され、アフリカン・パーカッションや民族楽器を多用した、彼の祈りの音楽が最も生々しく刻まれたアルバムで、18分に及ぶタイトル曲は、Joe Bonnerの反復するピアノと多層的なパーカッションがトランス感を生み、サンダースのテナーが空間を切り裂くように高揚していく儀式的な圧巻の演奏。静謐なドローンが漂う「Greeting to Saud」、荒れ狂うインプロが展開する「The Gathering」など、静と爆発が交互に訪れるダイナミクスが本作の魅力を際立たせている。『Karma』『Thembi』と並ぶ名盤であり、深い祈りと野性的なエネルギーが同居する、Pharaoh Sanders、そして70年代スピリチュアル・ジャズの核心に触れられる1枚。