1974年、名門〈Canopo〉レーベルからひっそりとリリースされたPaolo Ferraraの『Sound』が、〈Sounds From The Screen〉より初の正規リマスター再発。全編にわたってグルーヴあふれるパーカッションとキレのいいブラス、ファズの効いたギター、浮遊感あるエレピといった映画的で緊張感のあるサウンドスケープを展開。Ferraraらしい実験性とセンスの良さが、ライブラリー音源の枠を超えてアルバム作品としての完成度を保っている。今なお現役で通用するような生々しいファンク感覚と、ジャンルを横断するアレンジ力は驚異的で、レアグルーヴ、ジャズファンク、サイケデリック、イージーリスニング、電子音楽の間を縫う、まさに70年代イタリア音楽の粋が詰まった一枚。ライブラリー、サントラ好きはもちろん、現行のレアグルーヴやレフトフィールド・クラブ・ミュージックに惹かれるアピールする、真にエヴァーグリーンな一枚。