1969年、マイルス・デイヴィスのエレクトリック期の幕開けを告げる歴史的名盤『In a Silent Way』。ジョン・マクラフリン、ハービー・ハンコック、チック・コリア、ジョー・ザヴィヌル、ウェイン・ショーターら、後にジャズ・ロック、フュージョンを牽引するメンバーが集結し、ニューヨークの30th Street Studioで録音された作品。A面「Shhh / Peaceful」、B面「In a Silent Way / It’s About That Time」の2曲構成で、テオ・マセロによる大胆なテープ編集が施され、同じテーマが循環しながら展開していく独特の構成が特徴。エレクトリック・ピアノやオルガン、ギターが重なり合い、静けさと浮遊感に満ちている。マイルスのトランペットは必要最小限のフレーズで空間を切り裂き、その余白を埋めるようにキーボードとギターが色彩を加える。後のアンビエントやエレクトロニカにも繋がっていくような新しさと、それだけではない美しさを両立した永遠の名盤。