アルゼンチン・ロックの最重要人物Litto Nebbiaが1975年に残した、ジャズロックとプログレッシブ・ロックを融合させた南米らしい暖かみを持つ作品『Fuera Del Cielo』。鍵盤、ギターをほぼNebbia自身が担うトリオ編成で録音され、電気ピアノ、オルガン、ハープシコードが滑らかにレイヤーを作りながら、ラテン的なメロディ感とジャズロックの流麗さが自然に交差する。バンドネオンが差し込まれる場面では、ロック/ジャズの文脈にアルゼンチン特有の陰影が加わり、他国のプログレにはない独自の色彩が生まれている。ミックスは温かく、演奏はタイトすぎず、70年代南米ロックらしいアナログの手触りが作品全体を包む。ジャズロックの滑らかさとラテンの旋律感、そして南米プログレの柔らかい質感がひとつの流れとして響く充実作。