10月下旬入荷予定。対位法的思考を現代のドローンの文脈で継承、再解釈してきたKali Maloneによる、2024年の『All Life Long』以来となる待望の最新ソロアルバム『Burning Song』。
J.S.バッハが晩年の27年間をカントルとして務め、その遺体が聖堂の下に眠るドイツ・ライプツィヒの歴史あるトーマス教会にて、現代作家としては初めてバロック時代の音律を持つバッハ・オルガンを用いて、録音された記念碑的作品。今作では、これまで彼女のパイプオルガン作品の拠り所となっていた厳格なカノン形式や数理構造から解放され、より直感的かつ伸びやかなアプローチを採用、Lucy Railtonのチェロ、Stephen O’Malleyのボウドギターとともに、教会の聖堂全体を揺らす重厚で美しいドローンを実現。
20本を超えるマイクによって教会空間そのものを捉えた録音は、単に楽器の音を記録するのではなく、歴史ある聖堂を満たす荘厳な響きの内部へと聴き手を置くような立体的な録音となっており、その音色の一つひとつが、広大な空間の中で静かに時間を変容させていく。
厳格な構造を削ぎ落としたことで、構造の影に隠れていた純粋な感情の振動や、音そのものが持つ力がより前面に出ており、ゆっくりと移ろいゆく和音のグラデーションと繊細に繋がれてゆく音が、厳粛な静けさのなかに悲しみと受容、生の歓喜を鮮やかに立ち昇らせる。厳密な数理を超えて解き放たれ、音楽的な鮮やかさと開放感に満ちた、彼女の音楽が持つ深い時間感覚をさらに一歩先へと進めた、極めて荘厳な唯一無二の傑作となっている。ポスター付属。