シーンの枠組みを越えて多大なリスペクトを浴びる、我らが音の錬金術師、ジム・オルークが、ハードコアなミニマル・コンポジションを探求するイングランド・シェフィールドの名門レーベル〈Another Timbre〉から意外にも登場しCDリリースした21年作品『Best That You Do This For Me』。弦楽トリオのための作品として、John CageやLinda Catlin Smith、Philip Cornerといった錚々たる面々の演奏でも知られるApartment Houseへと捧げられた2020年の楽曲であり、演奏もやはり彼らの手によるもの。今回はAnton Lukoszevieze(チェロ)、Bridget Carey(ヴィオラ)、Mira Benjamin(ヴァイオリン)というトリオ編成を軸に、全58分にも及ぶ室内楽ミニマル・ドローン長編を収録。〈Another Timbre〉作品らしい深遠なミニマリズムが息づく傑作タイトル。