70年代フォーク、ジャズの秘宝として再評価が進むシンガーソングライター、Gary Marksのキャリアを総括するアーカイブ作品『Crossroads』。1970年代から現在までの楽曲を年代順に収録し、未発表音源を含む全14曲で構成された初の本格的アンソロジーで、アコースティックギターの柔らかな響きに、John Scofield、Paul McCandless、David Samuelsら名手が参加し、フォークの素朴さとジャズの洗練が自然に溶け合うサウンドは、まるで70年代ECMの空気を思わせる透明感。政治的自由、環境保護、個人の生き方など、Gary Marksが長年書き続けてきたテーマが一貫して流れ、穏やかな音像の中に強いメッセージ性が宿る。時代に流されることのない誠実な歌声と、名手たちが編み上げる繊細な即興演奏が一つに溶け合った、半世紀に及ぶ彼の旅路を祝福するような、至極の一枚。