1960年代の終わりを象徴する犯罪者であり、同時にカルト的な影響力を持つアウトサイダー・アーティストとしての顔も持つチャールズ・マンソン。1983年、サン・クエンティン州立刑務所内でがポータブル・カセットデッキに録音した弾き語り音源を収めた異色作。収録されているのは、アコースティックギターと声だけのフォーク・スタイルだが、曲というより即興的な語りや独白が多く、背後には囚人同士の会話、物音、トイレの音まで混ざり込む極端なローファイ録音。『Lie』期の若々しい声とは異なり、ここでのマンソンの声は枯れ、より内省的で、時に支離滅裂な諦念と孤独が滲んでいる。時折現れるキャッチーなメロディが、彼の持つ音楽的素養の残骸を感じさせ、それがかえって異様さを際立たせている。完成されたアルバムというより、アウトサイダー・アートの文脈で語られるべきもので、音楽的な成功を夢見た男の成れの果てというよりも、閉じ込められた狂気そのものが漏れ出したような、救いようのない孤独の記録。