20年にわたり実験音楽の最前線で活動してきたNikos Veliotis(チェロ)、Taku Unami(シンセ)、Sarah Hennies(パーカッション)、David Grubbs(ピアノ/ギター)ら4人による緻密で抑制の効いたカルテットBitterviperによるセルフタイトル・アルバムが〈Blue Chopsticks〉より登場!きっかけはアテネ在住のVeliotisが重ね録りしたチェロのサイコアコースティックな4曲。そこにGrubbsが繊細なピアノやラップスティールを重ね、Unamiが東京から電子音を加え、Henniesが研ぎ澄まされた打楽器の構造で全体を引き締めた。録音のプロセスは複雑だが、いざ音が鳴れば、その成り立ちを忘れてしまうほど自然で自律的なアンサンブルが展開される。濃密な倍音のレイヤー、透過的で空中に溶けるかのようなアンビエント、そして映像的な想像力をかき立てる即興性と構造性のあいだを縫うように進行するそのサウンドは、意図と直感が緊密に結びついた充実の内容。