ジャマイカが生んだミスターロックステディことAlton Ellisが、1973〜74年に自身のプロデュースで残した音源をまとめたコンピレーション『Valley Of Decision: The Collection 1973–1974』。当時のシングルや未発表曲を丁寧に掘り起こし、ロックステディからレゲエへ移行する過渡期のエリスの魅力を一望できる内容。「Baby I Love You」「Cry Not For Me」「Breaking Up Is Hard To Do」など、甘く切ないラブソングが中心で、Alton Ellisの声は、ソウルの柔らかさとジャマイカ音楽特有の哀愁が同居し、泣きと説得力を同時に感じさせる唯一無二のもの。The Delfonics「La La (Means I Love You)」の名カバーをはじめ、アメリカン・ソウルをジャマイカ流に再解釈したセンスの良さも際立つ。メロウでスウィート、そして深い情感が全体を包み込む良質なコンピ。カリブの海風に乗って届く、誠実でスウィートなソウル・ミュージック。