オリジナルは1982年発表のTriston Palmaによるヴォーカルとダブが交互に展開するショーケース形式で80年代ジャマイカ音楽の真髄を刻んだ傑作『Show Case in a Roots Radics Drum & Bass』。プロデュースはJah Thomas、エンジニアにはKing TubbyやScientistといった名匠が並び、バックを固めるのは当時最強のリズム隊Roots Radics。Errol “Flabba” Holtの重厚なベースとStyle Scottの切れ味鋭いドラムを軸に、ホーンやキーボードの名手たちが加わり、深みのあるグルーヴを生み出している。収録曲はトリストン・パルマの甘くソウルフルな歌ものと、その後に続くダブ/インストゥルメンタルが交互に展開する構成で、ヴォーカルとリズムの双方を一度に堪能できるショーケース形式ならではの魅力が詰まっている。ここでの“Drum & Bass”は現代的なクラブ・サウンドではなく、ルーツ・レゲエにおけるリズムの核を意味するもので、その名の通り、ラディックスの圧倒的なリズム・ワークがアルバム全体を貫いている。ジャマイカ音楽史を象徴する布陣によって生み出された、ヴォーカルとダブの両面を楽しめる名盤。