神々の血筋を引くクル王家の系譜と、一族を破滅へ導く大戦争への道のりを数世代にわたって描く大叙事詩『マハーバーラタ』。実現する呪い、秘められた過去、果たされる誓い……絡み合う因果に翻弄されながらも自己のダルマ(正しいあり方)を求め、英雄たちは聖なる戦場で対峙する。第一巻はクル王族の子孫と祖先の物語。王子たちの驚異の誕生と長い確執のはじまりがここに語られる。
信頼すべきサンスクリット原典訳の待望の復刊。
【目次】
まえがき
家系図
主要登場人物
マハーバーラタ関連地図
第1巻 最初の巻(アーディ・パルヴァン)
(1)筋書き(第一章)
(2)各巻の要約(第二章)
(3)パウシャ王(第三章)
(4)プローマン(第四章―第十二章)
(5)アースティーカ(第十三章―第五十三章)
(6)最初の家系の降下(第五十三章―第五十八章)
(7)起源(第五十九章―第百二十三章)
(8)ラックの家の火災(第百二十四章―第百三十八章)
法蔵館文庫版『原典訳 マハーバーラタ』の刊行にあたって 川村悠人
判型・ページ数 文庫・496ページ
上村 勝彦
1944年、東京浅草に生まれる。1967年、東京大学文学部卒業。1970年、同大学院人文科学研究科(印度哲学)修士課程修了。サンスクリット詩学専攻。元東京大学東洋文化研究所教授。主な著訳書に、『屍鬼二十五話』(平凡社東洋文庫)、『カウティリヤ実利論』(岩波文庫)、『インド神話』(ちくま学芸文庫)、『始まりはインドから』(筑摩書房)、『インド古典演劇論における美的経験』(東京大学出版会)、『バガヴァッド・ギーター』(岩波文庫)、『インド古典詩論研究』(東京大学出版会)、『真理の言葉・法句経』(中央公論新社)などがある。2003年、逝去。