2025年リプレス!J DILLAの楽曲の生バンド・カバーでも知られる、2000年代から活動するファンク・バンドのハギス・ホーンズのメンバーでもあり、サブモーション・オーケストラのアルバムにも客演したことがあるサックス奏者ロブ・ミッチェル率いる、クラシックなビッグバンドを現代風にアレンジしたAbstract Orchestra。その『ディラ』に続く作品『Madvillain, Vol. 1』が待望の再プレス!本作はMf DoomとMadlibが組んだMadvillainのアルバム『Madvillainy』を再解釈したものだが、オリジナルのレコード自体が、Madlibがジャズ、ラテン・ミュージック、その他様々なジャンルをパッチワークして作ったものとなっている。そのため、本作では、生演奏をサンプリングで解体・加工して新たな曲を作り、そのサンプリング元であるジャズ・ミュージシャン達にもインスパイアされながらそれをさらに生で演奏し直していると言える。Robert Glasperなど現在のジャズ・ミュージシャン的なものとは違い、1960~70年代の空気感や雰囲気を感じさせる、ある意味でレトロな雰囲気と、二重の引用とも言える複雑なアレンジ・センスが面白い一枚。