この50年間で最も影響力のある作曲家だ。 - ブライアン・イーノ
10月2日発売予定。国内流通仕様盤3CD (解説書封入/28ページ英語ブックレット/ハードカバー仕様)3部作全ての作品を収録した3枚組CD。
Listening To Pictures (Pentimento Volume One)
第四世界の思想、電子音響、民族音楽の要素を融合し、長年培った革新的な音楽世界を再構築。絵画的なテクニックをプロダクション・アレンジメントに反映させたペンティメント・シリーズ第1作。
Seeing Through Sound (Pentimento Volume Two)
ペンティメント・シリーズ第2作。多彩なミュージシャンとの協働による反復するリズムと変容する音響が、時間感覚を揺さぶる幻想的で没入感あふれるサウンドスケープを描く。
Music Is Invisible (Pentimento Volume Three)
ジョン・ハッセル最後のライヴ録音を元に再構築したシリーズ完結作。即興、過去の音源、電子音響を融合し、「見えない音楽」を追求した彼の創造性と遺産を刻むラスト・ステートメント。
ジョン・ハッセルの『Music Is Invisible』は、「Pentimento Trilogy」を締めくくる第3作であり、彼が生前最後に行ったライヴ・パフォーマンスを収録した特別な作品である。2015年5月23日にロンドンのSt John at Hackney教会で行われた、Rリック・コックス、ジョン・フォン・ゼーゲルンとのトリオ演奏を、ジェフ・ロナが緻密な編集・ミックスによって再構築し、単なるライヴ盤の枠を超えた音響作品へと昇華している。
2018年の『Listening To Pictures』、2020年の『Seeing Through Sound』に続く本作では、両作に登場したテーマ、モチーフ、リフが半即興的な演奏の中に姿を現す。Pentimentoとは、絵画の上から塗り重ねられた過去のイメージや筆跡が浮かび上がる現象を指す言葉。ハッセルはこの概念を音楽に応用し、過去のライヴやリハーサルの録音を素材として新たな演奏を重ねたり、ループや編集によって別の楽曲へと変容させてきた。その手法には、ジャマイカのダブにおける「ヴァージョン」文化や、テオ・マセロによるマイルス・デイヴィスの大胆なテープ編集からの影響も色濃く反映されている。
『Music Is Invisible』もまた、過去の演奏をサウンドベッドとして活用し、編集、サンプリング、オーバーダビングを施すことで、ライヴとスタジオの境界を曖昧にしている。アルバム・タイトルは、ハッセルが『Seeing Through Sound』制作時に考えていた候補のひとつであり、ライナーノーツには彼自身による「On The Invisibility Of Music」を収録。
アートワークには、彼の親友マティ・クラーワインによる1976年の絵画『Leh C'est Beau』を使用。リック・コックス、ジョン・フォン・ゼーゲルや、長年のエンジニア、アルノー・メルシエらの協力のもと完成された本作は、ハッセルが追求した「見えない音楽」の思想を受け継ぐ、静かで壮大なラスト・ステートメントである。
ジョン・ハッセル
ジョン・ハッセルは、2021年6月26日、84歳で逝去した。彼は生涯を通じて創造した、音楽とアートにおける多大な影響力を持つ遺産を残した。
トランペット奏者、作曲家、そして音楽的コンセプトの探求者であった彼は、20世紀の芸術と音楽における極めて広範な領域を結びつけた、まるで至る所に居合わせるカメレオンのような存在だった。
彼は第二次世界大戦後のテネシー州メンフィスで、ジューク・ジョイントやブルース・パーティーに通いながら育った。シュトックハウゼンのもとで学び、カンのメンバーとなるホルガー・シューカイやイルミン・シュミットと交流を深めた。
テリー・ライリーと親交を結び、歴史的録音「In C」に参加したこと。
ラ・モンテ・ヤングとマリアン・ザジーラによる「Theatre Of Eternal Music」の一員となった。
パンディット・プラン・ナートからラーガの指導を受けた。
最初の作品ではデヴィッド・ローゼンブームやナナ・ヴァスコンセロスと共演した。
ブライアン・イーノとのコラボレーション。
トーキング・ヘッズの『Remain In Light』への参加。
アーティスト、マティ・クラレンとの生涯にわたる友情。
ファラフィナ、ライ・クーダー、レスリー・ウィナー、ファン・アトキンス、モリッツ・フォン・オズワルド、ピーター・ガブリエル、デヴィッド・シルヴィアン、ビョークなど、数多くのアーティストとの録音。
さらに映画音楽、演劇作品、オペラ、児童書(!)まで、その活動範囲は果てしなく広がっている。そして彼の成し遂げた功績の全貌が本格的に評価され始めたのは、実は近年になってからのことだった。
〈Ndeya〉は、ジョン・ハッセル自身が〈Warp Records〉と共同で、自身の音楽を発表する拠点として設立したレーベルである。
これまでNdeyaからは、Pentimentoシリーズの2作品——『Listening To Pictures』(2018年)と『Seeing Through Sound』(2020年)——がリリースされている。これらは真のオーター(作家性を持つ表現者)による見事な集大成である。
さらに、オリジナル・テープからリマスターされたデビュー・アルバム『Vernal Equinox』の待望の再発や、自身の音楽について書いた文章をまとめた限定版コレクション『Atmospherics』も発表された。
現在、Jonがこの世を去った後も、〈Ndeya〉はハッセルの遺族と協力しながら、彼の音楽的遺産を未来へ残していくため、複数のアーカイブ・プロジェクトを進行させている。
彼の作品群を辿れば、彼のトランペットは幻視的な存在へと変化している。それは言語を超越したものだ。聴いたことがないのに、奇妙なほど馴染み深い。
それは熱帯の鳥たちが広がる樹冠であり、異国の言葉で歌われる女性の嘆きであり、羽音を立てる昆虫であり、砂丘の向こうから響くベドウィンの角笛であり、遠くから聞こえる列車の汽笛であり、金星にいるChet Bakerなのだ。
- Resident Advisor