きたーーーーーーー!まさに日本特有の"ブックオフ"的な音楽ディグを通して、新たなスタイルや音楽観を提示していくかの様。〈Pitchfork〉でも「8.4」、BEST NEW MUSICのスコアを獲得していますが、歴史的意義としては10点は必要でしょう・・・90年代平成の日本にCDでリリースされていた、最後の聖域といっても過言ではない、知られざるレフトフィールドなポップスの数々をコンパイルした凄すぎる一枚「Heisei No Oto」が、10年代以降の様々なリバイバルに火を付けてきたオランダ・アムステルダムの大名門レーベル〈Music From Memory〉から満を辞して登場! 「ニューエイジ・ミュージック・ディスクガイド」にも掲載した佐藤準やLove, Peace & Tranceなどを始め、細野晴臣プロデュースな井上陽水の和レアリック"Pi Po Pa"から日向敏文プロデュースのXácara(シャカラ)、桜井圭介の声明ディープ・ハウス"はらい"、横川理彦(P-Model、4-D他)に橋本一子といった面々によるニューエイジからアンビエント、エクスペリメンタルまでも横断したサウンドから、〈FOND/SOUND〉も以前取り上げたPOiSON GiRL FRiENDや喜納友子などの様に未だリバイバルされていない、90年代J-POP独特のアブストラクトな質感までも内包させた意欲的コンピレーション・アルバム。10年代以降のオブスキュアなアナログ再発ブームを推し進めてきた界隈から繰り出された編集盤の中でも、最も新鮮味のあるラインナップに思えます。選曲を担当したのは、〈Rare Groove Osaka〉の佐藤憲男と〈Revelation Time〉の谷口英司という共に大阪のニッチな名店の店長であり、彼らが日本人として発したハードな和物ディグの成果を支えるのが〈Music From Memory〉という胸熱な逸品!そして、Chee Shimizuによるライナーノーツという完璧な布陣です。まさに金字塔!