20世紀インド古典音楽の隠れた至宝、Shrimati Kalyani Royによる貴重なシタール演奏!このセッションは、60年代後半に形成された彼女のスタイルをとらえたもので、深い精神性と繊細な技巧が共存する見事な記録となっている。Kalyani Royは、長らく男性優位とされてきたシタール界において、類まれな才能と高い芸術性で評価された数少ない女性奏者のひとりで、Vilayat Khan流派の系譜に連なる流麗で歌うような奏法がこの録音でもその特徴が随所に現れている。伴奏には、同時代の名手Manick Das(タブラ)とNamita Chatterjee(タンプーラ)が参加し、全体として柔らかくもしっかりとした低音の土台が、Kalyani Royの旋律を優しく包み込んでいる。彼女の弾くメロディは、単なる技巧の誇示ではなく、情感のこもった語り口として響く。まるで一つの物語を編んでいくような、親密で奥行きのある演奏。