フリー・ジャズからバブルガム・ブギー、アフロ・ポップ、クワイトなどなど戦後の音楽がことごとくリバイバルし、現在はGqomやAmapiano、近年の米国由来の現代ジャズに至るまでの新興ジャンルも活気付くアフリカ大陸最南端に位置する南アフリカ共和国。アパルトヘイト政策下で、都市周辺に設置された黒人強制居住区である「タウンシップ」へと息づいた、同国独自の音楽スタイルである”タウンシップ・ジャズ”を特集した意欲的なコンピレーション・アルバムがアナログ・リリース。デューク・エリントンやディジー・ガレスピーといったアメリカの巨人たちの影響のもと、アフリカの国家としても実に早くから強固なジャズの伝統が育まれてきた同国。メロディに対する独特の味わいと深いグルーヴ感をベースに独自のソウルフルなスタイルが確立された、そんなタウンシップ・ジャズの黄金期(1950年代後半から1960年代前半)からのマスターピースたちを一挙セレクトした豪華編集盤となっています。歴史的な反アパルトヘイト闘争の一環として、暗黒の時代に自己表現の手段として必然的に音楽を張ってさせてきた多様なミュージシャンたちの英気を感じさせてくれる決定盤。