James Grevilleが主宰する〈Mad Habitat〉から、長尺のアンビエント、バレアリックを軸にした、非常にパーソナルな12インチ『Luna Forest Kitchen』が登場。愛犬Lunaに捧げられた作品で、VermonaのドラムマシンやMinimoog Model Dを中心としたアナログ機材の温度感が前面に出ている。10分を超える長い尺の中で音がゆっくりと形を変え続け、反復というよりひとつの風景を観察し続けるような展開が続く。柔らかいパルス、丸みのある低域、薄いシンセの揺らぎが重なり、サイケデリックな浮遊感と穏やかな安らぎが同じレイヤーで響く。DJ Earl Greyの語りが音の流れに親密なニュアンスを与え、Santilliのパーカッションが有機的なリズムの気配を添える。オーストラリアのローカルな感覚と、現代アンビエントの静かな探求が自然に交差する、長尺電子音楽の好例。