Meditations大推薦盤。ルーマニア人ピアニスト、Andrei Vieruによる平均律クラフィーア曲集第1巻です。父親は作曲家であり、本人もピアノを弾くだけではなく絵を描いたり、文章を書いたりと、とても知的な人のようです。演奏も、ピアニストとして本能的で快楽的なものではなく、知的な抑制と真理を探求する求道者のような気配があります。流れに乗って音楽を転がすのではなく、精神の働きによって音が音楽となっていき、表出される音世界を漂っていると、いつのまにか自分の内側に浸透してくるようで癖になる魅力があります。また、クラシック特有の古典の表現ではなく、同時代感があり、その点も非常に意味のあることかと思います。クラシックが好きな方以外の方にもぜひ聴いていただきたい内容です。