パンディット・プラン・ナートが生涯をかけて探究したラーガの正確な音程と旋律構造、そしてその根底にある「神聖な音(Divine Sound)」への献身を伝達し、瞑想状態そのものな状態を搔き出した、1999年発表のミニマル・ラーガドローン歴史的名作!
テリー・ライリーによる序文では、過去の偉大な師たちが守り伝えてきたインド古典音楽の厳格な音律とラーガ固有の旋律形態を、伝統と革新の両面から追求し続けたプラン・ナートの姿勢が語られる。彼にとってタンブーラは生涯にわたる探究の伴侶であり、その豊かな共鳴を基準として、個々のラーガに固有の周波数と音の形を精密に見定めていた。本作の制作には、プラン・ナートの弟子であるラ・モンテ・ヤングとマリアン・ザジーラによって、タンブーラの調律と響きを極めて繊細な注意と献身をもって記録。テリー・ライリー自身も日々の修練に用いているという。単なる伴奏や持続音の記録を超え、音の振動そのものを宇宙の構造や意識の進化へと結びつける、独自の精神的・音響的探究として提示された作品でもある。インド古典音楽の実践者にとっては、シュルティ(微細な音程)の修練に用いるための正確なドローンとして、また広くリスナーにとっては、振動と調和、協和と不協和の関係を通じて、音の根源的な力に触れるための音響的な実践として機能する。テリー・ライリーが「二台のタンブーラのあいだに座ることは天国だ」と語るように、持続する音のなかにひらかれる瞑想的な空間を捉えた、きわめて稀有な録音。