ハードでキラーなモーラム/ルークトゥン連発の秘密兵器。スリン・パクシリの秘蔵っ子、<グレードAの男>ことソンタヤー・カラシンさんの男性時代のベスト選がエムのタイ音楽アーカイブに登場。
ソンタヤーは、アンカナーン・クンチャイの「イサーン・ラム・プルーン」(1972)を作ったタイ東北地方イサーンの名プロデューサー、スリン・パクシリが手塩にかけた歌手で、女性モーラム歌手パイリン・ポーンピブーン(エムより既出)と対になって活躍した“男子”アイドルだ。イサーン音楽のパタナー(タイ語で開発、発展の意)を信条に、常に新しいことを試みたパクシリが最も熱かった70s~80sの録音で、このソンタヤー音源は他では聴けない風変わりでヘヴィーなモーラム/ルークトゥンの宝庫だ。当時のイサーン女子から現在の日欧米ダンスフロアーDJ達のハートまでかっさらうこの<グレードAの男>のヤバい世界を1枚に集約。女性に絶大な人気を誇りつつも、乙女心を秘めていたカミングアウト前のソンヤターさんとパクシリの個性的な楽曲のコンビネーションは、マニア(何の?)には玉らないハードな魅力を放つのでありマス!
歌手の容姿と声のみにスポットが当てられがちなタイ音楽の中で、日米欧のプロデューサー/アレンジャー仕事と同じく、ここにはその中身でも語られるべき作品が並ぶ。ファンクでもジャズでもロックでもない独自のタイ音楽、知れば知るほどその特別さがわかる、Soi48とエムが自信を持ってお送りする1枚です。