ハンド・ドラム、声によるギンブリやシンティールによって生み出される反復的な低音ライン。北アフリカのボトム・ヘヴィなトランス音楽である「グナワ」。1990年にモロッコ・マラケシュのメディナで録音された、地元のグナワのミュージシャンによる音源を収めた「アフリカと中東の音楽ファンにとって必須の作品」にして、〈Songlines〉でも「グナワの必須アルバム10枚」の1つに選ばれた大名作『Night Spirit Masters』がアナログ・リイシュー。
THE MASTER MUSICIANS OF JAJOUKAやMALEEM MAHMOUD GHANIといった幅広い民族音楽とミュージシャンを扱っていた名レーベル〈AXIOM〉を運営していた時期のBill Laswellと『Eros In Arabia』でも知られるRichard Horowitzによるプロデュース作!
16世紀に西アフリカからモロッコに連れてこられた奴隷の子孫であるグナワ族は、すぐにイスラム教に改宗したものの、精霊信仰を残したまま、現在のモロッコの少数民族となることに。グナワ族は、7つの色で表現された7つの神の姿を呼び起こすことによって宇宙の起源を再現する複雑な儀式(「リラ」または「デルデバ」と呼ばれる)を数時間かけて行うことで知られています。グナワ音楽が近代化され、より不敬なものになっていく中で、「マリーム」と呼ばれる師によって導かれるこの儀式は、今日でも私的に行われているものながら、その演奏は現代の耳にも驚異的。PAUL BOWLESとPHILIP SCHUYLERによるいくつかの録音(フィールドレコーディングのスタイルでより民族的なドキュメント)を除いて、1990年以前はモロッコの外でほとんど聞かれることはなかったグナワ音楽の恐るべき音世界を世界へと知らしめた世紀の大名作。
初回リリースから30年以上もの時を経て180g重量盤/オーディオフィル/リマスタリング仕様での史上初LP再発。