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ニジェール共和国のサイケ・ヒーロー、エムドゥ・モクターが最新アルバム、『Funeral For Justice』を 〈Matador〉よりリリース。
2019年に世界的にブレイクしたアルバム『Afrique Victime』のリリース後、世界ツアーを行った2年間の締めくくりとしてレコーディングされた本作は、ニジェール出身である4人組の獰猛な姿を捉えている。サウンドはより一層ラウドになり、より速く、よりワイルドに進化している。ギターソロはフィードバックが炸裂し、歌詞は情熱的かつ政治的、抑制や失速は一切ない。
現在のエムドゥ・モクターはバンドとして活動しており、モクターに加えて、リズム・ギタリストのアフムードゥ・マダサネ、ドラマーのスレイマン・イブラヒム、そしてアメリカ人ベーシスト兼プロデューサーのマイキー・コルタンの4人組である。「『Ilana』が突破口となったアルバムで、俺たちがむき出しのロック・バンドであるということを示すものだった。そして『Afrique Victime』は、そのヴィジョンの集大成だった。ニューヨーク州北部の、家具ひとつない家で5日間かけて全曲をレコーディングした」とコルタンは語っている。『Funeral For Justice』では、現在のあらゆる状況を鑑みて、政治的なメッセージを強く打ち出した内容となっている。
セネガルの首都ダカールのナイトライフ・シーンを引き裂く広大なドラム集団Assiko Golden Band de Grand Yoffのファースト・アルバム『Magg Tekki』が〈Mississippi Records〉よりアナログで登場!彼らは20年間、実に3世代にも渡り、結婚式、秘密裏のパーティー、政治集会などで徹夜ジャムを演奏。そのライヴ映像は携帯電話を通じてネット上で拡散されていながらも、今回初めての録音!〈Sahel Sounds〉から作品を送り出していたWau Wau Collectifのメンバーでセネガル人の詩人Djiby Lyも参加。14種類のパーカッシヴな楽器にホーン、管楽器、バラフォン、時折アコーディオンが加わり、スピリチュアルかつ高揚したポリリズムとフェラ・クティのオーケストラ、トニー・アレンのグルーヴが融合した画期的な一枚に仕上げられています。
<Tracklist>
A1. Tiwyaghe Falam Fakra
A2. He Layla
B1. Mayssasnan Imanine
B2. Emalinine
La Musique~は78年の脱力系オルガンソロ集でしたが、今作は85年~88年録音という電子音楽の移り変わりや時代背景ということもあり (それでもちょっと伝わりが遅い?)、コスミッシェムジーク直下の宇宙遊泳シンセを演奏。砂漠の地から宇宙へ羽ばたく未来への空想を膨らまし、そして持ち味の優しく天才的な軽さを出した珠玉のシンセの波が詰まってます。アンビエント~ライブラリー~シンセポップを跨ぐ異系の傑作です。
本作は前作『MOGOYA』から連なる3部作のひとつで、タイトルの通りほぼアコースティックのシンプルな演奏を収めた作品。レーベルからの提案により実現したもので、ほぼリハーサルなし、プロデューサーによる関与なしで行われたのだという。 リードヴォーカルをとるサンガレを中心に構成される、二人の女性バックヴォーカル、ギター、ンゴニ、鍵盤という極めてシンプルなアンサンブル。今日の一般的な録音と異なり、アンプなし、再録音なし、ヘッドフォンなしという昔ながらのスタイルで録音されたことにより、ダイナミックで温かみにあふれたサウンド、そしてサンガレの声・メッセージを最大限に引き立てるように自然に構築されていったアンサンブルの妙がたっぷりと堪能できるアルバムになった。
ガーナに生まれ、カナダで過ごし、音楽を作り、94年にカナダ-ガーナ間だけで、今作をカセットとして発表したこの人Ata Kak。時は流れ2002年のこと、それをこのレーベル主催者Brian Shimkovitzがガーナで発見、アフリカ音楽の深部を紹介するブログ"Awesome Tapes From Africa"を始めた際にはすぐさまこの音源をポスト。世界中で旋風を巻き起こすことになったわけですが、また更に月日が経ち、本人とその家族の協力のもと、15年には遂にリマスター&公式で全世界に再発という背景。
数々の名作を世に送り出してきたShimkovitzが熱狂するのも納得の内容で、ハウス極まりない高揚ダンスに奇怪ボーカル&コーラスが楽しい"Obaa Sima"、スキャットマン某を空気で凌駕するAta Kak流ラップな"Moma Yendodo"、ギターのファンクな線路に延々としたビート反復、「ミニマル」とはこの曲の為にある"Bome Nnwom" (この曲心の底からキラー) などなど、時代の空気をとりこみつつも全曲異彩/鬼才な愉快ぶり。
気分の高揚と面白さ、西洋を超えるこの辺境加減は、数年前に再発されたことで失神者を続出させたあの82年のインド産アシッドハウス"Ten Ragas To A Disco Beat"以来の衝撃でしょう...毎作毎作絶賛せざるをえないこのAwesome Tapes From Africa、今回も凄まじさは計り知れません。
“コラのヴィルトゥオーソ”バラケ・シソコと“チェロの鬼才”ヴァンサン・セガールの出会いによって生まれた【アフリカの伝統】【パリのモダン】【アートと瞑想】がインプロヴィゼーションに絶妙に解け合うオーガニック・アンビエント・ミュージック。フランスでヒットした前作『チェンバー・ミュージック』から6年、より洗練と成熟を深めた、マリ録音による通算2作目が完成。
バマコの町の匂いが風に乗って漂ってきそうな、どこまでもピースフルな夜の室内楽。しかし、その穏やかな音の表層の下では、様々な音楽様式や文化、演奏技術が複雑に絡み合い、調和している。優雅にして峻厳さも忘れない佇まいは、上質な工芸品を思わせる。まさに名人芸である。松山晋也 (解説より)