惑星ファロークスから響き渡る至福の電子音〈WARP〉が誇るエレクトロニック・ミュージックのオリジネイター、プラッドによる最新アルバム!
11枚目となる本作では、彼ら特有の遊び心と心地良いミステリアスさが絶妙なバランスで表現されている。前作『Polymer』に漂うダークな雰囲気と比較すると今作は全体的に穏やかなサウンドで、代名詞である美しいメロディーに満ち溢れている一方、多彩なサウンドがリズミカルに展開する。
テクノロジーを強く支持するプラッドは、『Feorm Falorx』において、最先端のサウンドでありながら、暖かく人間的でノスタルジックな、ハイテク・レトロ・フューチャリズムを表現している。
今もなお進化を続ける彼らだが、本作では彼ら自身の音楽的背景を辿ることもできる。
初期のより奇抜な作品から現在に至るまで、彼らは新しい合成方法を取り入れ、多様な音楽スタイルを探求し、彼らの青春だという初期のヒップホップから、それに影響を与えた60年代、70年代のサウンドまで紡ぐ糸を維持している。
一聴してわかるというものではないが、耳をすませば、そこにはプリンスの「Soft and Wet」、ボブ・ジェームズの「Westchester Lady」、ジェスロ・タルの「Bouree」などに見られるユニークなグルーヴが感じられるだろう。
〈WARP〉との契約30周年を目前に控えた今、エド・ハンドリーとアンディ・ターナーによるユニット、プラッドがエレクトロニック・ミュージックの発展と音楽シーン全体に与えてきた影響の大きさを改めて考える時が来た。