ウルグアイの詩人、Juan Julio Arrascaetaのひ孫であるAVR (Alvaro Silva)が追求してきた、カンドンベをはじめとするリオ・デ・ラ・プラタ地方の伝統的なアフロ音楽のリズムの研究の成果であり、それらをヒップホップやブラック・アメリカン・ミュージックと融合させた2020年のデビュー・アルバム『Sankofa』が〈Little Butterfly〉から初のアナログ化。
Felipe Fuentesによるプロデュースのもと、直接的なものもあれば、これから発見されるものもある、たくさんのメッセージで編まれたアルバムが誕生。アルバムを通して、植民地時代や奴隷時代から続くいくつかの「アフリカニズム」や失われた言葉を用い、曽祖父の作品とのつながりを感じさせる歌詞を書いており、過去、現在、未来を旅しながらカンドンベのリズムを使ったフローで巧みに自己紹介。また、アメリカ大陸のアフロ・ウルグアイ文化圏の人物に焦点を当てた作品にして、ブラック・アメリカ、特にウルグアイの文化人について研究する上で貴重な作品でもあります。
”Sankofa”とは「振り返り、前進する」という意味であり、重厚で濃密、先祖伝来のドラムから、複雑なハーモニーの構成とアレンジ、アフロ・ウルグアイの主要アーティストたちの重要な貢献が盛り込まれた作品に仕上がっています。音楽的な「ギソ」(南米のシチュー)である『Sankofa』は、若い黒人男性の世界のビジョン、過去、現在、未来を感じ、解釈する方法、そして新しいものを生み出すためにそれをどのように変化させるかが描かれています。